BLACK JACK (17) (秋田文庫 1-103)

著者 :
  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253171175

感想・レビュー・書評

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  • これ程、人間の多面性と多様性、そして、ジレンマを、一つの作品の枠の中で描ききった作品もなかなかないと思います。

    日本人なら、作品タイトルと主人公の風貌ならば知ってる、といっても過言ではないくらいの名作で、医療漫画の金字塔。

    私にとっては、訳あって、最近手塚治虫氏に興味を持って、初めて読んだ手塚作品。

    無免許の外科医「ブラック・ジャック」が、患者を治すため、その天才的な手術の腕を振るう、一話完結型の、大枠それ自体は至極シンプルなストーリー。

    しかし、一人の人間の中に矛盾的な面が同居する複雑さ、医師や患者それぞれのエゴ、誰かに向ける愛情、医療における永久的な課題や医師のジレンマなど、様々なテーマが、毎回毎回、20ページほどの短い中にきっちりと収められています。

    主人公のブラック・ジャックは、幼い時に悲惨な事故で母を亡くし、同時に自身の身体はバラバラになって、恩師のおかげで奇跡的に助かって医師を志した人物。

    天才的な腕を持つ外科医だけど、無免許で、法外な手術料を要求し、はたからみれば金に汚い面を持つ。
    けれど、自身の幼少期のことがあるのか、特に、子供や、子を持つ親の一途さには甘く、結果的にしてもただ働きをしたりも平気でする。
    他の医師に興味がなさそうに見えて、馬鹿にされれば、意地になって張り合ったりするプライドの高さがある。

    あるきっかけから産み出した、同居人の少女「ピノコ」には、家族としての深い愛情を持つ。
    母を捨てた父と、母を殺した事故を起こした人々を憎み、復讐に手を染める。けれど、その過程で、苦悩もする。

    そして、いくら天才的な外科医であっても、すべての患者を救えるわけではなく、そのことにひどく肩を落とす。
    中には、助かったことを苦にして自殺してしまう患者までいて、それが彼を、ひどく傷つけ、悩ますこともある。

    矛盾するようで同居する人間の様々な側面をブラック・ジャックは持ち、決して完全無欠のヒーローではない様が、かえってそれ故に魅力的です。

    毎回登場する患者たちも、善人もいれば、悪人もいて、そして、それを取り巻く家族や友人の人物模様があり、悲喜劇に満ちていて、飽きません。

    そして、ピノコとの、親子とも夫婦とも恋人とも言い難い微妙だけどよい関係と、ブラック・ジャック大好きなピノコの無邪気な一途さが、時に重いテーマを和ませてくれます。

    主要キャラの人物像や生命に関わるテーマという縦糸と、毎回変わる患者や進展する状況の横糸が巧みに組み合わさってできた、まさに名作ですね。

  • #2500-262
    #3149ー206ー443

  • 最終の17巻、最後の話はピノコの健気さがとにかくかわいい。
    ブラックジャックとピノコのコントラスト。これもブラックジャックの魅力の一つである。

  • チャンピオン・コミックスには未収録の作品を読むために購入。「金! 金! 金!」,「不死鳥」,「おとずれた思い出」が初見。ウランちゃんが出て来たり,ピノコ出生話の後日譚があったり,感慨深く楽しく読めた。今更ながら,1回分の限られたページ数の中に,濃いストーリーを書き切る手腕には脱帽である。

  • 全巻読破。最高に面白かった、初めての手塚治虫。

    まずはピノコと先生の関係が素敵。親子のようで、師弟のようで、ひたすら先生一筋、常に一番の味方であり助手であるピノコ。父親のようにピノコと接し、時にピノコを思って距離を置きながらも常に大切に思っている先生。ぎゃー、素敵。ピノコいいなぁ。私も先生の助手になりたい。

    そんで、ストーリーが面白い。一話がびっくりするくらい短いのに、それぞれに全て面白くてあっという間に17冊読み終わってしまった。ブラック・ジャックの命に対する姿勢がかっこいい。医療に対する想いとプライドがかっこいい。

    また、昨今の漫画と違って、綺麗にスッキリ終わる話が少ない。「こんな悪いやつなんだから苦しんだらいい。そのぶんブラック・ジャックが幸せに終わるべきだ」と思う話でも、大抵一話の終わりはブラック・ジャックが何事もなかったかのように去りゆく後ろ姿なんかで終わっちゃったりする。
    勧善懲悪でもなく、救済の話でもなく、ただ淡々と患者に最善を尽くし、自分の信念を曲げないストーリー展開はちょっと新鮮だった。

    ともかく、ブラック・ジャックがかっこよくてかっこよくて、先生すてきなのよさー!という感じでこの1週間過ごしておりました。

  • 時間が無いときでも
    もう一話、もう一話、…もう一話だけ読んだらやめよう…
    と、ページを捲る手が止まらない。
    先生とピノコの関係が大好き。

  • これがウワサの…手術で鳥人間になる女の人のエピソードと、馬の脳を移植される少年のエピソード……
    でもまさか馬の脳になった少年とその恋人だった雌馬の失踪ENDとは思わなかったからびっくらこいたよね……
    ピノコのお姉さんの顔バレとか…あんなに救われそうで救われなかったオチ…つらい……
    だからこそ、最終巻のこれであのちぇんちぇいのおうちを守るピノコオチで終幕なのかなって思うと……ジャピノ………ありがとう…………

  • 手塚治虫作品の中で、かなり有名な作品。
    一読はしておかねばと思い、読了。

  • 人の腕を鳥の羽にする話、密航者の乗った船が座礁する話、馬の脳を人に移植する話、ピノコの姉が記憶喪失でブラック・ジャックの家に来る話、

    ピノコと元奇形嚢腫の人は状況が違えば、変わってるけど仲のいい姉妹になれたのに。
    ピノコもまた孤独な人間なんだな…

    馬の脳を人に移植したり人を鳥にしたり200才の人が出てきたりSFな話があって、他のリアルな医療の話とは印象が違いました。

    台風でブラック・ジャックの家が無くなってしまって残念。
    白血病の大工さんが作った思い入れのある家だったのに。。
    最後の話なのに患者を救っても文句を言われ、支払いもしてもらえない展開はちょっと後味が悪かったです。

  • 犬のかわり 腹膜炎 鳥女 地下街で火遊び 隣国からの密航者 ネバダ州競馬ステークス 胆石 ピノコの危ないお色気も、手塚作品の底に流れる主旋律の一本だ。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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