放課後保健室 (10) (プリンセスコミックス)

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  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253194501

感想・レビュー・書評

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  • 真白が目を覚ますと、体が完全に女の子だった。そしてまわりも、ずっと女の子として扱う。
    いつもの仲良しグループ。彼氏の先輩・・
    あれ?そうだっけ?
    今までのは長い夢?自分の体が男と女だったなんてあるはずないか。

    実は、真白は木曜日の「授業」の夢からまだ覚めてなかった。その世界で女の子として生きていた。
    剣道部の先輩(卒業したハズなので名前が思い出せない)と、気が付いたら保健室で寝ていた「まさか・・やった?」
    隣のベットにも誰かいる。蒼と紅葉?!
    びっくりして飛び出すと、そこに男の真白がいて「人生を変わってほしい」という。それで残っていた珠が割れて、現実に引き戻される。
    さっきの、蒼と紅葉のシーンが焼き付いていて、蒼をさがして「女にしてほしい」と頼み、二人は結ばれる。

    真白が窓の外をみると、黒い月があった。(これ、1巻から消える人だけが見ているという、伏線がある)

    いつものように木曜日の放課後の「授業」を受ける。
    この日、蒼も紅葉も、真白を卒業させようとしていた。
    だが、建物が崩れていく。どうも「授業」がおかしい。壊れていく・・・
    鍵を手にして扉に行こうとすると、また男の真白に阻止される。
    が何者かに助けられて、女の真白が扉を開けようとする。


    一方、どこかの世界。
    真白の保健室の担当の先生によく似た妊婦が、病院でおなかの赤ちゃんは男女の双子だと伝えられる。
    が、妊娠の状態がよくないので入院することとなった。
    その病院で火事が起こる。たまたまベットから落ちた一条という妊婦は煙を吸わずに目が覚めたが、
    他の妊婦たちはベットの上で煙を吸ってしまった。
    声がでない・・でも早くしないと炎がやってくる・・・

    ようやく助けられたが、お腹の中の男の子は死んでしまった。

    実は、ずっといたあの学校は子どもが生まれる前の世界。
    生まれた後の人生のいろんな試練の予行練習をして、耐えられたり乗り越えられたらようやく産まれる。そこで耐えられずに離脱したらもう産まれることはできない。
    真白の場合、一人しか生まれないのに、二人授かってしまったので、
    その世界で男の真白と女の真白が戦ってどちらか一人が産まれる運命だった。
    真白が卒業したあの「授業」で世界が崩壊していったのは、産婦人科が火事になったから。
    そして、ベットの上で煙を吸ってしまった妊婦たちは、真白を行かせた、蒼や紅葉たちの母親だった。つまり・・・

    ってオチ。
    (はい、全部書きましたwww)

    最初に「絵が好きかも」って表紙買いで古本で大人買いした漫画がこんなに面白いとは!!そして、私が初めて買った水城せとなさんの漫画でもありました。

    消える人達だけがみれるあの「黒い月」の正体も最後の最後にうわぁ~~~なるほど~~~って思ったし、
    まじでこういうオチが来るとは思わなかったよ。

    ラスト、真白が産まれて数年たって、高校生?で、駅でハンカチを拾ってくれる男子が蒼に似ていたのは・・・助かったってこと?

    なんかちょっと、救われた~~~

  • 最後に展開が180度を通り越して480度くらい回転したような印象を受けました。こう来るとは全然想像出来ませんでした。この世界観、とても好きです。

  • ちまちま読んでやっと最終巻までたどり着いた。この人の書く人間の嫌な所詰まった感じが最高によく出ていた漫画だった。特に主人公。あの黒い月はまだ3cmです→全開ですを表してたのか。月にも意味があった所に感心した

  • なんか、この作者の独特の味を出した作品ですごく面白かった。
    学校の保健室はそういう仕組みだったのかと納得したのと、あの学校の意味がよくわかる最終巻でした。
    この巻になって登場人物の隅々まで計算されているなとわかりました。改めてすごい構成だと感じる作品。

  • うおぉ(´A`)最後こーなるのかぁ。色々スッキリ!!9巻の制服の謎も解けた。ひとつひとつの言葉が深い。最初の頃は分かりにくかったけど、途中からぐいぐい引き込まれた。

  • 綿密な計算。ハラショー。
    水城さんの作品にはまるきっかけ。

    ブラック、エロティック、一筋縄ではいかないユーモア。

  • あぁ……あぁ……なんとそういう………

    クライマックスにふさわしい最終巻だった。長かった物語がまさかこんなオチだったんで思いもしなかった。なんて切ない終わり方だろう。

    作品全体が夢のようであり、どこか非現実的な雰囲気のある物語であった。それもこれも全部この終わりのために用意されたものだったなんて。

    読み始めたときから思っていた通り、全10巻全て読み終えた今だからこそこの作品の良さがしっかりと分かる。そういう作品。

    これは何度でも読み直したい
    素敵な作品をありがとうございました!!

  • 結局好みの分野からは微妙にずれてる作家さんかも?生まれる前の世界でしたってオチも物足りないかも。

  • レンタルで夢中になって一気読みしました~怒涛の展開から色んな伏せんが明らかになるあのラスト!ほぉぉぉ~深いです!今文庫版出てるみたいなので買って再読したいな。このダークな世界観テリーギリアムとかティムバートンとかに怪しく映画化してもらいたいです☆それにしてもせとなさんの描く男の子は皆ちょっとSで意地悪でかっこいい…惚れますっ!

  • 昔一巻だけ読んで、授業の描写に「なんじゃこりゃ」と思ってスルーしてきてしまいましたが、読み続けていくと考えさせられる作品でした。

    数々の謎が山積みのまま最終巻まで怒濤の展開を見せました。
    私は主人公・真白はインターセックスだと思って読み進めていたので、一種の夢オチ展開には度肝を抜かれました。男と女の間で揺れ動いていた過程を描いたとしても、少し無責任な気もします。

    私はこの作品を、自分の過去や欠点などの弱さを認めて強くなっていく高校生を描いた作品だと思って読みました。そういう意味ではたくさんの登場人物が成長し、たくましくなっていく訳ですが、それが誕生する為の条件である意味が分からない。同じような葛藤は誕生してから同じようにあるわけで、完璧な存在なんでいない。同じことを何度も繰り返すということの示唆なのかなあ。

    雰囲気漫画と言えばそれまでになってしまうけれども、その中でも人の醜い感情をとても生々しく描ききっているというは本当に凄い。水城先生の作品はいつも生々しいですが、とりわけおどろおどろしいので設定をぼかしたのでしょうか。

    最終的にこの作品の素晴らしいところは、全てを語りきらない、人に考えさせるという点だと思います。

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著者プロフィール

漫画家。代表作に『失恋ショコラティエ』『脳内ポイズンベリー』。作詞や文章などの創作もあり、多方面で活躍中。

「2015年 『柘榴姫社交倶楽部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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