BEASTARS(3): 少年チャンピオン・コミックス

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253227568

感想・レビュー・書評

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  • 『BEASTARS』3巻の、レゴシのこの言葉「大人になるってそういうことなのかよ…ッ!!」が、青臭いのは青臭いんだけど、完全に大人な年齢の自分にも響くんだよな…大人と言う言葉でしかこの年のレゴシには表現しようがなかっただけで、こう言う気持ちは年関係なく諦めきれずに持っていたりするもんだ…
    無論の事、作者のミスリードも含まれているのだが、レゴシがテムを殺したのではないとは思うが、彼が自分の本能を自覚してないからこそ、無意識で殺した可能性もある。だから3巻で頑なにビルを否定したのも、裏返せば自分の本能を肯定する事になるからかもしれん、と言う読み方も出来るミステリ…
    レゴシの、俺はそっち側へは行かないんだ!!と言い切ってしまえるピュアさ、そんなのは偽善だと言うモノもいるだろうけど、しょうがないんだ、と諦め手放してしまう必要はない。世界がどんなに残酷だとしても、それに「慣れない」気持ちを持ち続けようとする事は無駄じゃないと思うんだ…

  • 肉食獣が草食獣を食うことが禁忌とされる世界。しかし肉食獣たちの本能を満たすため、密かに肉を食える区画が存在する。通称は“裏市”。そこの売り手は肉食獣に留まらず、食われる側の、草食獣たち自身の場合もある―その場所へ主人公たちが迷い込んでしまう様が描かれ、物語がひとつの核心に近づいているのかもと思う。
    自らの指を売る老人の迫力は圧巻。凄惨なシーンも続くけれど、衝動と恋心を見分けられないレゴシの姿は、思春期にある少年の姿そのものだ。サスペンスに、青春に、風刺に、様々な要素があるが、すべてを必然性をもって描いている説得力を感じる。

  • 流血沙汰になっても思ったよりビルとレゴシの関係は悪くならなくて、
    確かに野良猫なんかも時々そういう喧嘩をしているよなと思う。
    血を飲んだことも、ルイは最初から期待していないとモラル問題で扱っている。
    うまく取材を収めたのは流石だけれど、その前に一瞬18歳らしい表情で揺れたというのが印象的。

    ジャックは本当に可愛らしい。
    レゴシの事も気づいた上で普通な態度なのが、レゴシの友達であり、
    陽キャな犬らしさでもあり面白い。

    本当に怒らせて怖いと思ったら目の前でつまらない嫌味など言えないと思うが。

    君と目を合わせるためなら俺
    いくらでも尻尾汚すから
    という表現が詩的。

    レゴムの玉子サンドの話、短いけれどとても好き。

    ジュノを颯爽とではなく兄だと偽って
    助けようとするところがレゴシらしい。

    闇市の前で自分の指を売っている草食がいるのは衝撃だった。
    アオバが学校ならレゴシにつくが外ではビルにつくというのも驚いたものの、そういう世界なのだ。
    実際外で暮らす大人の肉食獣達はどの程度が肉を食べているのだろうか。
    こんなに“正しい行動“をしたがっているレゴシなのに、本能では肉が食べたくて、悍しい裏位置で涎が止まらなくなるというのもまた衝撃。

    闇市の医者を、哺乳類で草を食べる元肉食である
    パンダに設定するセンスが凄い。
    肉食への執着はドラッグも思わせるし、
    死んだ肉を買って食べる闇市での大人たちの行為は
    大抵の人間たちがしている行為でもある。

    闇市を出た時、アオバがレゴシを待ってくれていたこと、
    ルイ先輩や草食の友達のことを思い出したらとても指を食べられなかった、という告白が泣けた。
    こんな時でさえお前のくちばしは尖そうで綺麗、というモノローグが良い。
    思わず泣いてしまうレゴシをバカにする訳でもなく
    ハンカチ持ってない、大丈夫かと言うアオバはやっぱり良い子なのだろう。

    ただしっかりと立ちたいだけ。
    それが難しいのが大人の世界なのだろうか。
    力だから強いからなんでもできるかと言えば
    逆に不自由になることもあるというのがよく分かる。

  • 擬人化された動物たちの話ではあるけれど、
    人間界にはない「食う・食われる」という
    関係があるせいで、物語に緊張感が生まれますね。
    かわいい後輩オオカミ女子も登場して、
    レゴシくんの恋はますます前途多難そうです。
    しかしパンダ…イメージとのギャップがすごい(^^;。

  • 話の流れが変わってきて、いろんな意味で思ったよりドロッドロの展開。
    ピュアなレゴシを見守るような気持ちで読んでいたら、見事にガツンとダメージを食らった(苦笑)
    優しく繊細なレゴシが生きるには、世界は残酷過ぎるんだな。誠実に生きようとするほど生きづらくなるのは、人間界も一緒だね。
    アオバのくちばしに見惚れるシーンで、レゴシと一緒に泣きそうになった。アオバの姿を通して、否定仕切れない本能を感じたんだろうな。でも一人でも、思いを共有できる相手がいるのは救いだね。

    そんな中、レゴムの回はいい食休みだった。
    同じオオカミのジュノと付き合うのがレゴシにとっても平和なんだろうけど、そう上手くはいかないんだろうな。

  • いままでの巻で一番好きだった。
    ジュノちゃんかわいい。

  • ジャックとレゴシの会話が好き。信頼してるけど多くは語らないところが理解者だなって思う。「恋しちゃったのね〜きみは〜しっぽ振ってるでしょお〜」って鼻歌歌ってるのがかわいい。
    アオバが謝ってくるところも感動〜!

  • 規範ではなく、倫理性について裏市を通して考える。

  • なるほど裏市 そういうのがあるのか
    病院とか葬儀屋とか入り口のじいさんみたく自前とかそういうやつね…
    しかしどうせ金出すなら中で売ってる肉買った方がいいんじゃないのか 新鮮とかそういうあれか

    ところで新キャラことごとく最高ですね
    レゴムさんもジュノちゃんもパンダ先生もみんないい

  • 草食動物少女に恋した肉食動物少年の物語第三巻。
    主人公ハイイロオオカミのレゴシは、気になるウサギの少女ハルとの距離を少しだけ縮める一方、同じハイイロオオカミの少女ジュノと出会う。
    そして初めて足を踏み入れた裏市で草食と肉食が同居する社会の裏側を覗くとともに、自分の種族を超えた淡い恋心?にも疑問を突き付けられて。。。
    タマゴサンドの小話がほほえましい。

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著者プロフィール

2016年デビュー。週刊少年チャンピオンで読み切り連作「BEAST COMPLEX」を掲載後、「BEASTARS」連載開始。

「2019年 『BEASTARS 1~10巻BOXセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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