シグルイ (15) (チャンピオンREDコミックス)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784253232258

感想・レビュー・書評

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  • 全巻読了

  •  幾度となく読み返して。作中を通し暴虐の限りを尽くしながらも善悪すら問われない絶対的な暗君・忠長でさえも結局はシステムをより盤石な物とする為の捨て石でしかなかった絶望。人間が個でなく集として扱われる世界。個を重んじ、社会を否定することで自己を肯定しようとした者。個を捨て、士としての理想を追うことで自己を肯定しようとした者。大した理由もなく無様に死ぬ男。子を産むため、性処理のため道具として扱われる女。汚物。差別。不条理。裸体。筋肉。骨。血飛沫。刀。内臓。時にギャグ。時に王道な熱いバトル。それらを描いた漫画『シグルイ』は、どこか切なく儚く美しい物語であった。

  • 再読 
    原作を読んだことだし14と最終15巻だけ再読
    虎眼先生のキャラクタを初めとして部分的には間違いなく面白いのだが
    全体としては失敗作 
    『覚悟のススメ』は上手くまとめていたのに比べて残念
    主人公2人とその因縁に焦点絞って5巻くらいでまとめて欲しかった

  • 完璧な構成力。大傑作。

  • 凛然といま閃く虐げ 隻腕の剣士 饗宴に招かれし あた能わず 裃かみしも 尾張なり紀州なり 自己の存在など刹那に散り行く儚きもの 死桜 春日局 乳母うば 落胤らくいん 灯ともしび 野心を満たす為に昇ってきたのではない…人間に優劣をつける階級社会を否定する為に昇ってきたのだ 斬りたいから斬りに行くそれだけだ 生きることを決意した者の美しさはただ生きる者達を圧倒する 神聖な約束 竜門に挑む鯉の如く 戦う為に生まれたのではない…戦って結ばれる為に生まれたのだ 伊良子清玄は他者に命じられて殺めるという行為に吐き気を催したのだ 何事も皆偽りの世の中に死ぬばかりぞ誠なりける 誘引力 鍔迫り 伊良子清玄は源之助の''誇り''そのものだ 自己の細胞が次々に死滅してゆくかのような嘔吐感 全て奪われた 三重さま 生々しい臨場感が鮮烈 血が通っている 事実性の裏打ちにある 支配者の立場から書かれた歴史 弾圧によって完封したもの 不遜に違いない 慧眼 巨匠にもてなされた炭酸飲料 南條範夫の思想

  • 表紙の気持ちの悪さに引き気味だったが中味は真面目な剣術志向の物語だった。勧善懲悪的な話なのだが、かなりウェットで後味はとても悪い。

  • 2014/8/2再読。

  • 1-15巻一気読み
    絵の描写で最初毛嫌いしたけどこれは読んで正解だった。
    よく分からないけど、練習でこんなに怪我するものなのかって位、皆とんでもない怪我するよなぁ。
    毎日毎日とてつもない鍛錬したのに、1回の戦いで全部パー。
    昔の武士は大変だったんだなぁって思った。

    しかし、最初からラストまで、登場人物みんな報われないよ[涙]

    指二本で刀振れないだろうって思ったが、まあその辺、目をつぶって、、でも話がぶれないってのが一気に読んでてすごい伝わった。

    地位、誇り、名誉、私情、色々が入り交じっていたが、当時の武士はどのような考え、気持ちを持っていたのか、本当にシグルイ登場人物達のような感情を持っていたのか、、、その辺はまだまだ勉強不足。。。

    今回、色々考えさせられた。今後、TVの大河ドラマとか他の時代劇漫画を読む際に自分がどう思うのか、物足りなく感じるのか?
    リアルはどうなのか?
    取り敢えず知り合いに読んでもらおう。

  • 斬りたいから斬りにいく


    痺れる。

    しかし、落とし所はソコになったかー…
    嫌いじゃないけと、何だか物足りないような。

  • 読書会にて
    グロいけどリアルさがイイ!

  • 言葉にならない。立ち読みで読んでしまったことを恥じる。

  • やっと読めた最終巻。
    真剣を用いた御前試合は前回の仇打ちからしてみれば予想以上にあっという間に終わるのだけど、その密度が凄まじい。見事。

  • こうして読んだ後振り返ってみると、いったい何だったんだろう的な感想。どちらかというと悪い意味で。読んでいる最中はワクワクしたんだけど…?

    最後になんで三重が死んだのかわからん…、なんだかんだで惚れてたってことか…?

    • noahnknownさん
      私見ですが。
      藤木と心が繋がった三重、藤木の好敵手だった伊良子、という関係の上で、伊良子もまた藤木の境遇を知り、それでも二人は剣の上での好敵...
      私見ですが。
      藤木と心が繋がった三重、藤木の好敵手だった伊良子、という関係の上で、伊良子もまた藤木の境遇を知り、それでも二人は剣の上での好敵手だったわけじゃないですか。
      なので、尋常に勝負し決着がついた時、確か藤木は伊良子は賞賛されるべきというような見解を、「首を落とせ」と言われたときに示したと思います。
      そこで、相手の首を落とす際に、お互いに尊重した尊厳を失って、生きる目的を失い、心を通わせた三重はそれを感じ取り、藤木と共に逝くために死んだのではないでしょうか。
      2012/08/06
    • soutbrazeさん
      シグルイ最終話解説~
      源之助が伊良子の首を斬った場面は、かつて清玄が三重の種に選ばれた際、師に命じられ虎眼流の兄弟子らと共に三重の四肢を抑...
      シグルイ最終話解説~
      源之助が伊良子の首を斬った場面は、かつて清玄が三重の種に選ばれた際、師に命じられ虎眼流の兄弟子らと共に三重の四肢を抑えたときの源之助の行動そのものである。
      まさに傀儡。
      あの時、伊良子が事を進めていれば三重は死ぬ覚悟であった。
      それが違う形で再現された場面といえよう。

      しかし、二人は確かに結ばれた。
      徳川家の正剣として認められた男がただ一人の女を守ると誓った桜吹雪の帰路で。
      2022/01/05
  • なにも言わずに最高な仕上がりでした。読むべし日本男児!生きるということ、これまさにシグルイ

    • soutbrazeさん
      強者や弾圧に抗う三重の最期の壮絶な死。
      狂気にとり憑かれたのは男ばかりでなく女もまたしかり。シグルイを象徴するシーンでした。

      女を虜にする...
      強者や弾圧に抗う三重の最期の壮絶な死。
      狂気にとり憑かれたのは男ばかりでなく女もまたしかり。シグルイを象徴するシーンでした。

      女を虜にする清玄と女の気持ちがわからない源之助。なるべくしてなった結末、とはいえ自分がどちらかと問われると当然、源之助だろう。
      妻に対する配慮を心がけたい。
      2022/01/05
  • 15巻にてとうとう完結。本を読んでいる最中に「歯を食いしばってる自分」に気付かされるほど、集中して読むことができました。けど、ラストの藤木さんはもう少し幸せにしてあげたかったかも…。

    • soutbrazeさん
      わかります!
      同じく歯をくいしばっていました。
      そして伊良子の妖剣に身震いしていました。
      わかります!
      同じく歯をくいしばっていました。
      そして伊良子の妖剣に身震いしていました。
      2022/01/05
  • ついに完結。他の剣士の話も是非描いてほしい。

  • ついに手に入ったが、想像以上に素晴らしかった。空気、ストーリーの閉じ方、全て。一体この物語はどこへ行くのだろうと虚ろに思っていたことが阿呆らしい。完璧で御座いました。感服。

  • があああ、なんという結末、なんともまあ作品観そのままの最終巻の展開!

  • 一応コミックスの完結までは全て読む。

    いやー。バキとか無理!と思ってちょっと抵抗あったけど、これは大丈夫だった。
    (まったく別物!と勧められたのですが。マッチョな画がどうもね。)

    描かれていない人々のことなど、真偽は別として、やっぱり面白いなぁ。

    しかもコレ、主軸になる登場人物になるほどフリークスなのね。

    でも、むしろそういうところから、真実の史実がわかるんじゃないかなぁ。とも思ったり。そこまで深い意味は込めてないのだろうけれども。

    あえて描かれない部分から迫る部分にこそ、そこにあったリアルが描かれるんじゃないかなぁ。


    まあ、これはこれでデフォルメしすぎなんでしょうが。確実に。

  • んん?
    「無明逆流れ編」?

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著者プロフィール

明治四十一年(一九〇八年)、東京・銀座に生まれる。代々医師の家の生まれ、東京大学法学部、経済学部を卒業。小説家のほかに経済学者の顔を持ち、長く大学で経済学の教鞭をとる。昭和三十一年「燈台鬼」で第三十五回直木賞を受賞。一躍人気作家となり、時代小説、歴史小説を執筆するようになる。デビュー作『出べそ物語』、『子守の殿』(オール読物新人賞)『細香日記』で吉川英治文学賞を受賞。人気シリーズとして「月形兵庫シリーズ」はよく映像化されている。昭和五十四年(一九七九年)死去。

「2023年 『傍若無人剣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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