英語学習論: ―スピーキングと総合力―

著者 :
  • 朝倉書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784254102604

作品紹介・あらすじ

TOEFL iBT満点、二つの博士号(数学、英語教育学)を持つ著者が教える、経験と科学に基づいた「大人の英語学習法」。

感想・レビュー・書評

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  • p.64
    聞くより話す方が難しい内はまだまだ英語学習の初心者だということになります。

  • 学術的な研究をベースとして英語学習についてまとめた本です。
    筆者は京都大学で英語を教えており、実際に授業で使っている方法や教材を知ることができます。

    ただ単に英語学習方法を紹介するだけでなく、その方法がどういうエビデンスに基づいているのかということが丁寧に書かれているのでよかったです。
    また、学習方法についても具体的な教材まで書かれているので、自分の英語学習にも取り入れやすいです。

    難点としては、文章が少し読みづらいということです。
    特に、第Ⅲ部は興味がなければ読み飛ばしてもいいと思います。

    全体としては、英語学習者が読んでおいて損はないと思える一冊でした。

  • メモ
    ・宣言的知識と手続き的知識に分かれる。手続き的知識は(立ち止まって考えなくても、はっきりとプロセスの詳細を意識しなくてもできる)レベルを約束する知識。連続的なアウトプットが相当のスピードで要求される状況では、宣言手血色では間に合わず、手続き的知識の獲得が必要。
    ・手続き的知識の集合体は「英語とはどういうものであるのかを知っている」こと。
    ・リスニング、リーディングともに、流暢さを獲得するために適切な教材は、内容が90%わかる、95%の単語がわかるなど、容易なものでなくてはならない。すなわち、まずは単語レベルでの十分な宣言的知識が必要。
    ・インプットを流暢にこなすためには、アウトプット力を高めることが相乗的に効果を生む。自分が使いこなせるツールを聞き取り理解することはたやすいので。
    ・上級者であれば理解が英語で完結しているので、たんごやセンテンスレベルで日本語に訳せないと言う方があるべき姿。
    ・リスニングとスピーキングは、リーディングとライティングの上位にある。読み書きだけをできるようにと言う能力の獲得はありえない。

  • 多くの「よくいわれている」ことを論文を用いて解説してくれるので、説得力がある。
    記憶の特性を説明してくれるので、自分の学習計画も効果的に組めそう。

    赤ちゃんの聴覚は約6ヶ月で母語に特化→移民の子どもでも英語力をつけるのに4~7年かかる/「自動性」が流暢さにつながる/宣言知識に得意な時期はない/必要なのは「続ける才能」/writingはやりっぱなしでok/スピーキングでもライティングでも最初の脳波は同じ→相互に好影響を与える/人間は黙読中でも「静かに音読」をしている/話し言葉から読むことは可能でも、逆はできない

  • 効率よく英語を学習する方法を、論理的に説明した本。すごく納得。
    よくある著者の経験にもとづいたおすすめ学習法の手の本とは違う。論理的で納得感ある。
    誰かも(バイリンガルニュースのマミ?)も、スピーキングの練習をせずに本を読むだけで英語が話せるわけない、キャッチボールをせずに本だけ読んで野球がうまくなるわけがない、と言っていたが(この喩だけでだいぶ納得だが)、それについても(聞いて話すことの原理も)解説されていた。
    スピーキングは時間を取るのが難しいが、この本を機にひとりでしゃべってみたが、楽しいね。

  • 著者の熱意に焼き殺されそうだ……

  • 【知識の二重螺旋:宣言的知識と手続き的知識】p2
    宣言的知識(declarative knowledge):言葉で内容を説明できる
    手続き的知識(procedural knowledge):言葉では説明できないけれど、確かに脳内にある
    形式知↔暗黙知
    手続き的知識は「立ち止まって考えなくても、はっきりとプロセスの詳細を意識しなくてもできる」レベルを約束する知識です。Cf. 自転車の運転
    第一近似としては、宣言的知識・手続き的知識を知識・技能と考えても構いませんが、実は技能は手続き的知識の上位集合(superset)なのです。Eg. 三人称単数の"s"
    ネイティブスピーカーの手続き的知識の威力は
    ①一般化可能性(generalizability)
    ②柔軟性(flexibility)
    ③汎用性(universal applicasbility)
    往々にして、「宣言的知識は学ばれ(learned)」、「手続き的知識は獲得される(acquired)」と描写される。

    Give a man a fish, and you feed him for a day. Teach a man to fish, and you feed him for a lifetime.
    ⇒もともと「授人以魚 不如授人以漁」(「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えろ」)という老子の言葉。
    :ある意味、宣言的知識の獲得は魚を一尾ずつ手に入れること、大して手続き的知識の獲得は魚の釣り方を学ぶことと言えます。p4

    「宣言的知識は学ばれ(learned)、手続き的知識は獲得される(acquired)と描写することもある。

    [「内在化」とは]
    学習者の英語使用能力の当該部分が宣言的知識の支配をはなれ、手続き的知識となって言語システムの内部に存在するようになること。

    【流暢さ(FLUENCY)の4要素】p14
    ①十分な宣言的知識
    ②大量学習
    手続き的知識の獲得のためには大量の言語処理(インプット理解{Listening, Reading})と(アウトプットの産出{Speaking, Writing})の経験が必要であり、それなりに時間もかかるのです。
    ③反復学習
    ④時限訓練

    【精読用教材例】p74-75
    ・TOEFL iBT Reading Section
    ・TOEFL Essays
    ・GRE Analytical Writing Issue Topics
    ・GRE Analytical Writing Argument Topics

    【Speaking Training 15/45 Exerciseのための青谷教材】p86
    http://aoitani.net/TOEFL_Speech/TOEFL_Speaking.doc
    ※計2000以上のトピック

    <包括的なトピック>p109
    「今日何をしましたか」とか「最近どうですか」などの3から5分間のライティングとそれに続く1、2分間のOral Compositionを毎晩寝る前に行うことをオススメ。

    【Sapir-Whorfの極端な仮説】p140
    Sapir-Whorf Hypothesis:言語の構造(文法や語彙)が思考の過程を限定し組織化するという主張。
    ウィトゲンシュタイン「The limits of my language mean the limits of my world」(言語の限界が世界の限界を意味する)

    サーミ族:驚くべき数のトナカイ・地形・雪・氷を表す言葉(主に名詞と形容詞)がある。トナカイなら、性別・年齢・体形・頭の形・角・脚を区別するおびただしい数の単語があり、雪や雪のある景色を表す言葉は300種類もあるという。p141

  •  この本では、英語の学習方法について書いてあります。英語の学習方法についての戦略のこと、結果を出すための学習方法が詳しく書いてあります。この本を一度読んでみて試してみてはどうでしょう。
    (匿名希望 外国語学部 外国語)

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