種の起原 (原書第6版)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784254171433

作品紹介・あらすじ

1859年の初版刊行以来、各方面からの様々な批判や反論にこたえるかたちで改訂を重ね、最後に著された第6版の全訳。

感想・レビュー・書評

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  • ダーウィンの進化論の原著。動物だけでなく、鳥類、植物や昆虫、化石にまで考察が及ぶ。メディアで良く紹介されるガラパゴス諸島については、大洋島群の一つとしての紹介のみだった。
    科学的考察とはこうあるべきだと思った。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA89862380

  • ★科学道100 / 未来のはじまり
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=10900909

  • (2015.04.22読了)(2015.04.15借入)
    ファーブル『昆虫記』(全20分冊、岩波文庫)を読み終わった余勢を駆って、いつか読みたいと思っていたダーウィン『種の起原』を図書館から借りてきました。
    光文社文庫版で読みたかったのですが、生憎図書館には、この単行本しかありませんでした。文庫本だと、上下巻で800頁強ぐらいのようですが、この本は、上下二段組みで、500頁弱です。結構しんどくて、読んだというより、目を通したというところです。
    どのようなことを論じていたのかという雰囲気はつかめたので、満足しています。
    『種の起源』にどのぐらいの人たちが興味を示しているのか、ブクログ利用者で『種の起源』を登録している人数を調べてみました。以下の通りです。上下巻になっているのは、上巻の分だけで、合計してみると、1138名になりました。予想は、100名ぐらいかなと思っていたので、驚きです。(電子版や旧版も集計に含めています)
    「種の起源〈上〉」光文社古典新訳文庫、2009年09月08日 448人が登録
    「種の起源〈下〉」光文社古典新訳文庫、2009年12月08日 277人が登録
    「種の起原〈上〉」岩波文庫、1990年02月16日 291人が登録
    「種の起原〈下〉」岩波文庫、1990年02月16日 217人が登録
    「マンガ「種の起源」」田中一規著、講談社、2005年05月21日 39人が登録
    「超訳 種の起源」技術評論社、2012年03月02日 105人が登録
    「種の起源(まんがで読破)」イースト・プレス、2009年06月25日 146人が登録
    「新版・図説 種の起源」東京書籍、1997年11月 87人が登録
    「種の起原(原書第6版)」朝倉書店、2009年05月 22人が登録

    『種の起源』の第一版は、1859年11月24日に、最終版の第六版は1872年に発行されています。読んだこの本は、第六版からの翻訳です。
    この本の中に「進化」という言葉は出てきてなかったように思います。自然淘汰や生存闘争という言葉は出てきます。適者生存もあったと思います。(「適者生存」はスペンサーの用いた言葉で、ダーウィンは、「自然淘汰」の方が適切であるといっています)(52頁)
    植物と動物について、家畜や穀物、野菜、果樹などが人間の品種改良努力によって、変貌を遂げてきていることを突破口にして、自然の中でも長い時間をかけて変わってきているのではないか、といっています。
    聖書を読めば、神によって作られた動植物が、そのまま変わることなく現代まで生き続けていると考えるのが自然なのでしょうけど、そうではないということです。
    神さまは、変化する可能性を秘めた形で動植物を造ったのだといえば、それで済む事にも思えます。
    地域によって、環境が同じでも生息する動植物が違っていたり、遠く離れた地域に同じ動植物が生息していたりということがあります。そのようなことがどうして起こりうるのかということについても、実例をあげながら丁寧に論じようとしています。
    人の手が加われば、比較的短い時間で変えることができるけど、自然の中では、長い時間がかかるけど、化石で、徐々に変化するさまを跡づけることは、難しいとも言っています。
    ダーウィンの時代には、まだ化石の発掘は、そんなに多くはなかったので、やむを得ないことでしょうし、現代でも、発掘事例は増えてはいますが、生物の進化を跡づけるには十分とは言えないでしょう。
    進化論関連の本をあれこれ読んだり、積読してはいるのですが、『種の起源』を読んでいないと落ち着きがわるかったのですが、これで心置きなく、読むことができそうです。

    【目次】
    本書第一版刊行以前における種の起原に関する学説の沿革の概要
    序論
    第一章 飼育の下での変異
    第二章 自然の下での変異
    第三章 生存闘争
    第四章 自然淘汰、すなわち最適者の生存
    第五章 変異の法則
    第六章 この理論の難点
    第七章 自然淘汰の理論に対する種々の反論
    第八章 本能
    第九章 雑種性
    第十章 地質学的記録の不完全について
    第十一章 生物の地史的遷移について
    第十二章 地理的分布
    第十三章 地理的分布―続き
    第十四章 生物相互の類縁関係、形態学、発生学、痕跡器官
    第十五章 要約および結論
    本書に用いられた主要な科学用語の解説
    原書第六版における増補と訂正の内容
    訳者あとがき

    ●ラマルク(ⅷ頁)
    彼は人類を含む〔一切の〕種は他の種から由来したのであるという説を支持する。彼は初めて、無機的世界と同様に生物のすべての変化は法則の結果であって、奇蹟が介在したのではないということの可能性に注意を喚起し、優れた功績を立てた。
    ●生存闘争(3頁)
    各々の種はその生存可能な数よりはるかに多くの個体を算出する。その結果生存闘争が頻発するので、従ってある生物が、複雑でまた時々変化する生活条件の下で、もし少しでも自己に有利なように変異すれば、その生物は生存の機会を持つことが多くなり、こうして自然に選択されることになる。
    ●品種改良(24頁)
    飼育家は動物の体を、何か可塑的なものでほとんど望のままに作ることができるように言うのが常である。
    ●自然淘汰(52頁)
    私は、各々の微小な変異がもし有益ならば保存されるというこの原則を、人間の淘汰力との関係で表すために『自然淘汰』とよんだ。
    ●近親交配(83頁)
    動物及び植物における異なる変種間、あるいは同じ変種であるが血統の違う個体間の交雑は子孫に活力と多産性を与え、一方近親交配は活力と繁殖力を減少させる。
    ●種は変わるとする理論の難点(145頁)
    第一、もし種が細かな漸次的移行によって他の種に由来したとすれば、なぜ我々はあらゆるところに無数の過渡的形態を見ないのであろうか?
    第二、例えばコウモリのような構造と習性をもつ動物が、大きく異なった習性と構造をもつある別な動物の変容によって形成されるということはありうるであろうか?
    第三、本能は自然淘汰によって獲得され変容され得るであろうか?
    第四、種間で交雑したときは不稔となり、また不稔性の子を生じるのに、変種間で交雑したときは彼らの繁殖力が損なわれないことを我々はどうやって説明できるであろうか?
    ●連続的変異(170頁)
    自然淘汰はただわずかな連続的変異を利用することによってのみ作用する
    自然は決して大きな突然の飛躍をせず、緩慢ではあるが短く確実な歩みでもって進まなければならないのである。
    ●内的な力(219頁)
    種が変化する能力を持つことはすべての進化論者によって認められるであろう。しかし普通の変異性への傾向以外に、何らかの内的な力を持ちだす必要はないように私には思われる。
    ●ゾウと昆虫(325頁)
    インドでは主として昆虫が象を絶え間なく悩まし、弱め、その増加を妨げているのだ
    ●種の生成は一カ所(353頁)
    各々の種は一つの区域だけに生成され、その後、それの移住と生存の能力が過去と現在の条件の下で認めた限度内でその区域から移住した、
    ●適応の用意(454頁)
    各々の種は絶えず数を増そうとし、また自然淘汰は常に各々の種の徐々に変異する子孫を自然のどこか未占領の、あるいは十分占領されていない場に適応させる用意をしている
    ●宗教的感情(462頁)
    本書で説いた見解がなぜ各人の宗教的感情に衝撃を与えるのか、私にはその理由がよくわからない。
    ●種の創造(465頁)
    新しい形態が説明できない方法で古く大きく違った形態から突然発達すると信じることによって得られる利益は、地の塵からの種の創造という古い信念にほとんど優るところがないのである。

    ☆関連図書(既読)
    「ダーウィン先生地球航海記(1)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.06.23
    「ダーウィン先生地球航海記(2)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.10.02
    「ダーウィン先生地球航海記(3)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.11.20
    「ダーウィン先生地球航海記(4)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.01.20
    「ダーウィン先生地球航海記(5)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.02.23
    「ダーウィン」八杉龍一編、平凡社、1977.01.14
    「進化とはなにか」J.ハクスリー著・長野敬訳、ブルー・バックス、1968.05.25
    「進化と精神」J.ハックスリー著・若林千鶴子訳、思索社、1973.04.25
    「進化とはなにか」今西錦司著、講談社学術文庫、1976.06.30
    「ダーウィン論」今西錦司著、中公新書、1977.09.25
    「進化論 東と西」今西錦司・飯島衛著、第三文明社、1978.10.25
    「ダーウィンを超えて」今西錦司・吉本隆明著、朝日出版社、1978.12.10
    「主体性の進化論」今西錦司著、中公新書、1980.07.25
    「今西進化論批判試論」柴谷篤弘著、朝日出版社、1981.07.10
    「進化論も進化する」今西錦司・柴谷篤弘著、リブロポート、1984.07.15
    「今西進化論批判の旅」ホールステッド著、築地書館、1988.02.01
    「ダーウィンの憂鬱 ヒトはどこまで進化するのか」金子隆一著、祥伝社、1997.03.01
    「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著、岩波ジュニア新書、1999.06.21
    「ダーウィンの足跡を訪ねて」長谷川眞理子著、集英社新書、2006.08.17
    「ダーウィンの夢」渡辺政隆著、光文社新書、2010.03.20
    「38億年生物進化の旅」池田清彦著、新潮社、2010.02.25
    「「進化論」を書き換える」池田清彦著、新潮社、2011.03.25
    (2015年4月23日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    1859年の初版刊行以来、各方面からの様々な批判や反論にこたえるかたちで改訂を重ね、最後に著された第6版の全訳。

  • うむむむ。。。。難しい。。。。そしてよみにくい。

  • おもしろいです。

  • 2009/7/1図書館にて借りる
    2009/

    第一章:飼育の元での変異
    第二章:自然の元での変異
    第三章:生存闘争
    第四章:自然淘汰、すなわち最適者の生存
    第五章:変異の法則
    第六章:この論理の難点
    第七章:自然淘汰の理論に対する種々の反論
    第八章:本能
    第九章:雑種性
    第十章:地質学的記録の不完全について
    第十一章:生物の地誌的変異について
    第十二章:地理的分布
    第十三章:地理的分布ー続き
    第十四章:生物相互の類縁関係、形態学、発生学、痕跡器官
    第十五章:要約および結論

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著者プロフィール

イングランド西部のシュルーズベリー生まれ。エディンバラ大学で医学を学んだのち、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍の帆船ビーグル号に乗り込み、4年半にわたって世界各地をめぐり、ガラパゴス諸島での調査などに従事。帰国後は在野の自然史学者として研究を重ね、1859年に『種の起源』を出版。他の著書に『ビーグル号航海記』『人間の由来』『ミミズと土』など。

「2020年 『ダーウィン『種の起源』を漫画で読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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