制作 : フォルカーミヒュルス 
  • 朝日出版社
3.59
  • (4)
  • (3)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255000688

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なぜこうも空を見て歌を見出せるのか

    一面の草原 仄かな町の明かり
    遠くに広がる森 果てしなく続く空
    形を変え続ける――雲

    自然というものの 偉大さに 感動し
    自らの矮小な姿に 虚しさを覚える
    その名も 畏怖

    雲という、水の変遷に
    人は魂を見たのだろうか

    刻々と形を変えてゆく、
    しかし終わらない旅に人生を、
    見たのだろうか

    旅人はどこに行くだろう
    瞳と光の交わる点に散る 雲を眺める
    毎日の変遷を辿り 季節の移ろいを知る

    雲は突然訪れるのではない
    風に運ばれ 遥か彼方からやって来るのだ
    風に吹かれた時 それは出会う
    風が止んだ時 既に通りすぎていた

    まるで友達のように あるいは恋人のように
    親しげに語り合うかのような
    錯覚なのか、白昼夢なのか

    ここではないどこかに帰りたくなる
    それは 空の向こうに思うのか

    私たちはどこから来たのか
    それは 海を眺めて思うのか

    一瞬と永遠の刹那 郷愁と希望の邂逅

    しかしそれは全てにそうなのであって、彼らは簡単に移ろっていく
    知らぬ間に、見知らぬ町に、旅をしていく

    寂しさとも虚しさとも違うそれを無常と呼び

    雲の様相から言葉を見つけるように、
    その声が聞き取れたらどんな言葉を知るのか、

    翻訳ではない、言葉にならない言語を、神秘と読んで
    決して聞き取ることができぬという、この隔たりを、孤独と呼び

    言葉という、一つの言語に呼応する、光と、音と
    香りと、彩りと
    そして雲と、雨もまた、そうであるように

    翻訳とは人の手による
    それを人は芸術と、読んだ

  • 「雲」をテーマとした詩文集
    景色の描写がときに,情熱的で,その景色や様子が目に浮かぶよう
    やっぱり,詩が秀逸
    写真も素敵だったけど,ヘッセの描写にはかなわない
    素晴らしい写真も平面的に感じる

  • 空に浮かぶ雲を見つめるとき、誰もが地上の煩いを離れて行き心の開放を感じるのではないかと思う。ヘッセは雲を愛した。詩に絵画にその思いを記した。時間とともに変わる太陽の光を受けて雲がその姿を変えてゆく。色が美しく変わり、形がとどまらず、変化し続ける。本書は雲を愛し続けたヘッセの思いを良く伝え、私達を静かな幸せで包んでくれる。

  • 最初の章で、彼自身の考える「雲」についてが書かれているんだが、それが素晴らしいと私は思う。
    納得させられるというか、改めて見えたというか。

    私は何年か前からほぼ毎日空の写真を撮ってるけれど、だからこそ彼の言うことがわかるというか。

    空を見るようにして読むと良い気がする。
    読んでいると、空を見ているような気になるから。

  • 空を眺めてみて

    雲 月 星

    この順番で目がないわたし


    ヘルマン・ヘッセは名前しか知らないけれど

    詩は読まないし 読んでも読み取る能力もセンスもないけれど

    写真に惹かれて買いました


    似たような人いるかな

  • 透明感とその透明感

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘルマン・ヘッセの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×