「甘え」と日本人

  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255001937

作品紹介・あらすじ

現代は引きこもりや摂食障害など多種多様な精神の病が広がっている。一方、子どもたちの体力は著しく低下し、きちんと立ち、坐り、歩くことのできない日本人が増えている。自立が叫ばれ、甘えが否定されるとき、そこには自然な甘えと不自然な甘えの混同がある。自然な甘えの肯定が自然な自立を促し、溌刺とした生命力や豊かな人間関係を育む-「心」の専門家と「身体論」の第一人者が現代人の病を論じた衝撃の対話。

感想・レビュー・書評

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  • 精神の病は人間関係の病。甘えと自立、そして身体文化。

  • 甘えという、日本語にしかない表現の真意を語った一冊。
    日本語独特の考え方、生き方、成長する形を意識させられる一冊。
    甘えはイカーンみたいな内容かと思いましたが、いい意味で裏切られた。

  • 「甘えの構造」を読まずに本書を読んでいるからか、土居先生の章は読んでいてスンナリ入ってこない感じ。
    一方で斎藤先生の分かりやすさが際立つ。対談の初めは年長者への遠慮を感じたが、後半は完全にリードしていた。

  • 対談形式で書かれており、内容も身体と健康、人間関係、日本語、そして読書についてなど多岐にわたり、読み物としても面白い。読み進めているうちに「自然な甘えが生命力を育む」という論点に納得。
    個人的には、齋藤さんの「別れという区切りをステップにして、心を強くする」という話にも共感。最終章の「読書の積み重ねが『心』と『言葉』のズレを解消する」という点は、読書の効用をとらえる側面として興味深い。

  • 精神科医の土井健郎氏と「声に出して読みたい日本語」で知られる斎藤孝氏がそれぞれの視点で日本人の性質に関して論じておられる。比較的軽い読み物として楽しんだ。興味深いのは、「甘えは嫉妬を抑止する」という筆者の主張である。甘えられない環境では他者に対する嫉妬は増す、という意見が興味深かった。

  • 土井さんの言う甘えを理解するには本人の『甘えの構造』を読まないと駄目かもしれない。いつもながら、斎藤孝さんの本は読みやすいけどするする進んでいくばかりで、腹持ちがしない軽いおかゆのようだ。

    ぼーっと読んでいるとただの中年+老年の懐古趣味にも聞こえるから注意だ。

  • 甘えが容認されている社会では、妬みは緩和されます。甘えたい気持ちがあるので、妬みがそれほど深刻にならずに済むわけです。ところが、甘えるということが土台許されていない社会では、妬みが強く意識されるようになるわけです。


    嫁、姑関係にあてはまる気がする。

  • 『精神の病は人間関係の病』というところと『「甘え」が「妬み」を抑止する』というところが印象的。

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