進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

著者 :
  • 朝日出版社
3.74
  • (81)
  • (123)
  • (171)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 787
レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255002736

作品紹介・あらすじ

自由意志からアルツハイマー病の原因まで、おどろくべきトピックスの数々。柔軟性を生むために発達したヒトの脳を、わかりやすく大胆に語った講義。「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」ベストセラー『海馬』の著者が、しびれるくらい美しい脳のメカニズムを語る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  僕たちは脳の解釈から逃げることができない。

     人間は傲慢にも自分の生きている世界のほとんどが意識で行われていると思っているが、おそらく人間の行動のほとんどは無意識、脳の奴隷にすぎない。脳の性能は、人間の身体によって決められちゃっているわけだ。

     僕たちが考えている思考パターンは自由のようでいて自由ではない、言語に縛られていたりするわけだよね。つまり思考は体に縛られている。

     思考についても、人間はたぶんわからないことを勝手に想像して埋め込むんだ。何かわかんないと思ったら、きっとこうなっているんだろうと勝手に思い込む。

  • 『感想』
    〇脳についてわかりやすく説明してもらえるので、多少はついていくことができた。
    〇中高生でこの中身がわかるのはすごい。ただこんな授業を自分も受けたかったなと思う。そうすれば理系の道にもうちょっと興味を持って勉強できたかも。
    〇脳が体を作っているのではなく、体が脳を作る(大体こんな意味)ということに衝撃と納得をした。
    〇この分野は日々新発見があり情報が上書きされていくが、この本に書かれてある部分で今では間違いとされている箇所はどこなのか気になった。自分も新しい本で情報更新していこう。

  • やや難解なところもありましたが、興味深い内容もたくさんありました。つくづく人間とは不思議な存在だと思わされました。この本の発行から約15年で科学がどのくらい進んでいるのかも気になります。

  • あまり体系立てられていないけど,分かりやすくはある。ただ,その分かりやすさは「生理学」をだいぶすっ飛ばしているから。

    意識の定義として,①表現の選択,②ワーキングメモリ,③可塑性(過去の記憶)を満たすことを述べていますが,それなりに納得できます。


    *****
    進化の教科書を読むと,環境にあわせて動物は進化してきた,と書いてあるけど,これはあくまでも身体の話。脳に関しては,環境に適応する以上に進化してしまっていて,それゆえに,全能力は使いこなされていない,というのが正解なんだね。能力のリミッターは脳ではなく身体というわけだ。(pp.96-97)

     自分が歩こうとしてもいいし,立ち止まろうとしてもいい。それは自分が行動の表現を選択していることだね。呼吸をしよう,あるいは呼吸を止めよう,そうやって表現を選択できることが「意識」なんだ。(p.165)

     言葉というのは抽象的な思考,つまり「宇宙の果てはどうなっているんだろうか」とか「この音楽を聴いて感じた深い感動をどう表現しようか」とか「自己とはなんだろう」とか,そういう具体性から離れた,抽象的なものや形而上学的なものを考えるのにいかに重要かということがわかるね。(p.179)

     つまり,正しい知識をいかに持っているかどうかで,アイディアを思いつくかどうかっていうのもまた決まってくるんだよね。発見や発明はなにも神様が与えてくれるもんじゃなくて,やっぱり日頃の勉強や努力のたまものってわけ。(p.329)

  • 覚えてないけどおもろかったね

  • 「進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線」講談社出版。脳科学本は過去に3冊読んだ事があったが、どれも専門的で僕には難しく理解する事は少なかった。それでもNHKスペシャルの脳特集に関して夢中になって見ていた。この本は「脳に興味はあるけど専門書までは」という方におすすめです。

    簡単な内容紹介。脳科学研究者「池谷裕二」が中高生と対談した時のまとめ。人間が他の生物と異なるポイント伝達能力「言語野」についてや、もしネアンデルタール人が現代社会にタイムスリップしたとしたらしっかり適応されるだろうと考えるプロセス、人間とコンピュータは何が違うのかについて。

  • 脳に関することを知りたければ、是非ひもとくことをお勧めする。最先端の脳科学者が、高校生に対して脳の働きを講義した貴重な講義録。これまで、脳と心は関係あるだろうけど、なんだかよくわからないと思ってきたが、わからないことは変わりないけれども、少し前進できたような気がする。しかし、科学ってほんと、進歩するのだな〜と改めて感じた。

  • ○脳のある部分に「手を口に持っていくという動作」をプログラムしている部分がある。初期位置がどこでも、ある位置にきっちり持っていくということは画期的。
    「この腕を曲げなさい」ではなく「次、こういうところに手をもっていきなさい」抽象的で高次の指令=プログラム系

    ○人間の脳は宝の持ち腐れ?
    脳としては、指が20本でも30本でも操れる能力はあるが、指は10本しかない。
    「人間の体」という性能の悪い乗り物に乗ってしまった「脳」

    ○「光の三原則」は、たまたま人間の眼の網膜に三色に対応する細胞がたまたまあったからにすぎない。

    上丘:無意識だが重要な判断をするところ 原始的で単純な分、速くて正確
    ex.物をよける ピンとくる

    見るという行為は意識と無意識の中間
    脳が解釈したものから逃れることはできない。
    たった100万画素(網膜の細胞)の世界を通して三次元の世の中を感知している

    クオリア:意志・感情
    無意識で神経が活動し始めて、その神経活動が手の運動を促して行動を生み、その一方でクオリア=意志や感覚 を生み出している

    脳の記憶があいまいであることは応用の観点から重要なポイント。
    そのあいまい性を確保するために、脳は「ゆっくり学習する」
    物事の裏に潜んでいるルールを確実に抽出して学習するためには、学習スピードが遅いこと・繰り返すことが必須条件。

    神経の信号は0か1か。だが、出すか出さないかの決まり方があいまい→脳のあいまい性の元

    アルツハイマー=βアミロイドの蓄積

    心は脳が生み出しているが、体がなければ脳はない。
    心は言葉が作っている=心は咽頭が作っている??

  • "著者は、薬学博士であり、脳科学を研究している池谷裕二さん。この方が、高校生を生徒に語った大脳生理学である。
    現在「脳」についてわかったきたことを、素人にも理解できるように語った本。脳の仕組み、脳の癖、脳に関わる病など様々な項目について語っている。アルツハイマー病の薬を開発している達の思考の一端もかいま見られる。心理学や哲学を学ぶ人にも参考になることがあると思った。"

  • 42:池谷さんの本はわかりやすくて本当に読みやすいです。高校生への講義を本にまとめたということもあって、この授業の一コマは何時間なんだろうというくらい濃い内容がすっきり整理されています。コンピュータと脳の違い、意識と無意識、見ているものと見えているもの、そしてアルツハイマー病についてなど、興味深いテーマについて話されていて一気に読んでしまいました。
    「完璧な記憶は無意味」「学習の速度が遅いことに意味がある」など、ふむふむと頷くことも多く、高校生物がこんな授業だったら……! と思わずにいられません。

    5/14、「購入」タグを追加。

全119件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

監修 池谷裕二(いけがや ゆうじ)

1970年生まれ。薬学博士、脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科教授。神経生理学、薬理学を専門として、脳の健康に関する研究に取り組む。最新脳科学の知見を伝える著書は、4歳までの子育てを脳の生理に基づいて考えた『パパは脳研究者』(扶桑社)や、絵本作家・ヨシタケシンスケ氏と共に小学生の疑問に科学とユーモアで応える『モヤモヤそうだんクリニック』(NHK出版)など多数。

「2020年 『こころキャラ図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池谷裕二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線を本棚に登録しているひと

ツイートする
×