心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く

  • 朝日出版社
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本棚登録 : 116
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255002774

作品紹介・あらすじ

脳科学の急速な発展のなかで、正気を保つための常識と作法を示す誰も教えてくれなかった「脳情報とのつきあいかた」。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学の劇場ペアの著作。心脳問題とは一体なんなのか、ということを概観する書。この手の著作にしては非常に読みやすく、日本人の書いたものなので論理が難解なところも読み崩しやすくなっている。ただし在野の研究者であることもあり、カバー出来ていない範囲もあるため、あくまで入門書の類に留まるものに感じる。
    ただ、末尾の文献リストが秀逸で、ここまで合わせてこの本の魅力。著者の立場としては性質二元論に近いところに立っているように感じた。

  • 読んだのは随分前だったんだけど、読み直してみて、改めて良書だと実感。

  • ■科学の隙間を哲学が埋める。

  • 脳と心、どっちが本体?って問題は、学者の間でも説がわかれてるのね。「じつは」「だから」でなく「すなわち」って説明はよかった。 そして、アキレスと亀のパラドックスが理解出来た! カテゴリー・ミステイクなのか。運動は音楽と同じで、分割出来ないから誤比較なんだ!

  • 2013.2.8-2013.2.11
    「まえがき」に「「脳の世紀」を生き抜くために必要な基礎知力を養うことを目的としています。」とあるとほりの本。巻末にはこの分野の主な著作が紹介されてをり、読書案内としても便利。

    第一章 脳情報のトリック--カテゴリー・ミステイクとパラドックス
    第二章 心脳問題の見取図--ジレンマと四つの立場
    第三章 心脳問題の核心--アンチノミーと回帰する擬似問題
    第四章 心脳問題と社会--社会と科学、そして生
    終章 持続と生--生成する世界へ

    脳科学の視野の狭さについて漠然と考へてゐたことが、分かりやすい文章で整理されてゐるのに感心した。第四章で社会的な部分まで考慮の対象としてゐるのも素晴らしい。
    どんな人達が書いたのかと巻末を見ると、二人とも慶應の湘南藤沢キャンパス出身で、フリーランス。共通の師であるといふ赤木昭夫氏は、NHKの出身らしい。この本も、立派なジャーナリズムの本だと言へるだらう。
    他方で、似非脳科学者に騙されたり、知らず識らずにコントロール社会に飲み込まれたりすることは防げるとしても、積極的な貢献がないといふ批判もあり得る。
    無い物ねだりを承知で言へば、脳科学の研究者にも示唆を与へる何かがあれば、なほ良かつた。何度か引用されてゐるベルクソンには、さうした部分がたくさんあると思ふ。

  • たくさんの本を読んでうまくまとめた本です。結局、何でも脳のせいにする「あたまのよくなる本」にだまされるな。心の問題(「ハード・プロブレム」)はいろいろ議論があるけど未解決だし、解消するかもしれんが、これからも解決しない。しっかり自分で物を考えろ、そうしないと科学をかさにきる得体のしれない権力で行動をコントロールされて家畜化されちゃうよ(もうそうなっているけど)ということ。哲学史の記述や脳科学の記述はテーマ別にうまくまとめてあるが、第三章の二律背反と心脳問題の部分だけでいいような気がする。あまり物を考えない読者を想定して、語りかけるような文体だが、もっと注釈に追い込んで、きびきび書いて薄くした方が「脳の世紀を生き抜く」ことが必要な多くの人に分かってもらえると思う。

  • 予約中

  • 2005, 12/17 読了。


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著者プロフィール

山本貴光(やまもと たかみつ)
1971年生まれの文筆家・ゲーム作家。1994年慶應義塾大学環境情報学部卒業後、コーエーにてゲーム制作(企画/プログラム)に従事。2004年よりフリーランス。多方面に及ぶ業績がある。
著書に『投壜通信』(本の雑誌社)、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)、『「百学連環」を読む』(三省堂)、『文体の科学』(新潮社)、『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマー新書)、『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)など。
共著に『高校生のためのゲームで考える人工知能』(三宅陽一郎との共著)、『脳がわかれば心がわかるか――脳科学リテラシー講座』(吉川浩満との共著、太田出版)など。
訳書に、サレン/ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)、ジョン・R・サール『Mind――心の哲学』(吉川浩満との共訳、朝日出版社)、 『先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学』(國分功一郎序文、吉川浩満共訳、朝日出版社)など。

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