老年の価値

  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255004372

感想・レビュー・書評

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  • 三葛館一般 944||HE

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=52986

  • -成熟するにつれて人はますます若くなる-
    迫りくる死に対し恐れることなく向き合い、哀愁の漂いがち老年を強く生きていこうとするヘッセの思いが伝わってくる作品。「人生はとくに、素性のよいワインのように、年とともにコクと価値を減ずるどころか、かえって増大する愛情と友情があるので、私たちは人生に忠実であり続けようと思うのです」。

    第一次世界大戦時のドイツにおいて、人間の自由を戦争によって奪う社会に対し批判的な態度を示し、ナチスによる外圧との激しい葛藤の中で精神的危機にまで陥ったヘッセが85歳まで強く生きることができたのは、深い自己省察と老年まで深い繋がりを持ち続けた数少ない親類と友人の存在なのだろう。

    「デミアン」「荒野の狼」といった彼の作品からは、既存の社会に対する強い抗いを感じるとともに、当時の社会では、多大なる外圧によるストレスにより常人であれば自殺に追いやられてしまうであろうと思ってしまうのだが、それでも確固たる一個人として強く生きたヘッセから学ぶことは多い。それを再認識した作品でした。

    「最も情熱的な青年が最もよい老人になるのであって、学校時代からおじいさんのように行動する若者たちがよい老人になるわけではない。」この言葉は胸に刻んでおきたい。

    また本作品には、晩年を自然と共に過ごすヘッセの写真が多く掲載されており、その眼光から、老年に至っても衰えない彼の活力を感じることができます。

  • 老年の価値

  • 人の多くは、小さいころから「死」について考えることはあっても
    「老い」について考えることは案外少ない。

    しかし探せば昔から、いい老いの本はある。

    実際の先輩方の話だったり。

    このヘルマン・ヘッセの「老年の価値 」は、写真も三男が撮っているのですが、素敵な写真ばかり。

    198ページの「ルガーノ湖を望む」というモノクロの写真は綺麗。

    ヘッセの良い読者ではないですが、これを出来れば感受性の良い10代の人たちに

    ぜひ読んでいただきたいなと思うような本です。

    老いというのは青年になろうとするとおかしくなる。

    そのときにしか得られないその歳独自ではのすばらしいものってあるのですよね

    私はそう考えて生きてきたし、年上のかたがたを見てきたので、同じ考えを持つ人もいるんだな、と読みました。

    「受け入れる」その美しさを見事に一冊の本にまとめられたもの。

    そんな感じを受けました。

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著者プロフィール

ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)
1877〜1962年。ドイツ・バーデンヴュルテンベルク州生まれ。詩人、作家。1946年ノーベル文学賞受賞。代表作に『青春彷徨』(『郷愁』)『車輪の下』『デーミアン』『シッダールタ』『荒野の狼』『ガラス玉遊戯』などがある。

「2020年 『文庫 地獄は克服できる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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