ソーシャルデザイン (アイデアインク)

制作 : グリーンズ 
  • 朝日出版社
3.94
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感想 : 214
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255006222

感想・レビュー・書評

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  • 社会の仕組みをアップデートする「ソーシャルデザイナー」たちを紹介した本。それぞれ取り組んでいる課題は違うが、どれも「自分ごと」から始まっていて、問題“発見”の参考になるストーリーとそれを解決するアイデアがコンパクトにまとまっている。
    個人的には山崎亮さんの、「“自分ごとにする”とは(お金だけじゃなく、地方の美味しいものでも何でも)“ぼろ儲けすること”」という言葉がすごく自分の気分とフィットしました。エゴを自覚した上で「社会のためになること」というキレイ事だけではなく、同時に「楽しめること」「(参加する人が)自分の得になる(かもしれない)こと」も巧みに仕組んでおくことが『人を動かす(=社会の仕組みをアップデートする)』ことにつながるのかなと思います。そこにあるのはクリエイティビティで、「解決する」という発想より「デザイン」するというアートな発想に近い。読み終わった時の本のタイトルへのしっくり感がハンパない。
    サブタイトルに「社会をつくるグッドアイデア集」とあるだけあって、1つ1つの事例がテンポ良く読める分量なのは良いが、もうちょっと深く知りたいテーマもあって星4。入門としては最高です。

  • 社会の問題を「楽しく」解決する。そんなアイデアを集めて紹介するサイトGreens.jp。ここは同じシェアオフィスに席を置く、ご近所さんでもあるので親近感が湧きます。30代の彼らの環境や社会への意識の高さと行動力にはほんとうにかなわない。素晴らしいことだと思います。
    この2冊の本で紹介されているたくさんのアイデア。どれも秀逸で、心が浮き浮きするような楽しさ、悪戯心、思いやり、そして継続可能なビジネスとしての発展性に富んでいます。僕が今まで広告やプロモーションの世界でやろうとしてできなかったことが次々に実現しています。ボランティアでなく、きちんとビジネス化しているところがすごいのです。
    例えばおばあちゃんを指名してニットをカスタムメイドする「ゴールデンフック」。そこには孤独な老人が再び社会と関わりを持ち、ユーザーとの結びつきを得る。ユーザーとしても自分だけの「おばあちゃん」ができる。コストとか製品のデザインやクオリティだけじゃない、もっといろいろな問題を一気に解決するパワーがあるアイデアです。なにしろ「愛」がある。優しい気持ちになれる。
    他にもバングラデシュのジュートを使って現地生産し、直売する「マザーハウス」の山口理絵子さんや日本各地の地域振興を手掛ける「コミュニティデザイナー」の山崎亮さんなどの有名な方も登場しますし、海外からはロンドンで始まった「ゲリラガーデニング」やホームレスにコートを贈る広告「The Warming Hunger」など、スマートで洒落たアイデアも紹介されています。
    世界で、同時多発的に盛り上がってきたソーシャルデザインというムーブメント。どうもバブル世代ということで今ひとつこの流れから阻害されているように感じる私たち40代ですが、勇気を出してこの世界に踏み込んでいきたいと思います。もっと自由に、自分を解放して進めたらいいなぁと、この本を読んで勇気が湧いてきたように思います。
    アイデアはある。でも資金を集めて人を集めて実行する。その行動力が自分には足りないと、痛いほど感じます。もちろん家庭とか、生活とか考えなくてはならないことはあるのだけれど、今までの経験を活かすことができれば道は開けると信じて進んでいこう。
    とりあえず、次回のGreen Drinkには参加しなくちゃね。今年はもっともっと人とのつながりを増やしていこうと思います。笑顔を忘れず、繋がっていきましょう。

  • 自分の思うこうしたら良いと思うことの具体化を学べる
    具体例から学ぶアプローチの発想が面白かった。特にサッカーボールソケット。

  • 何だか明るい心持ちになります。

  • 身近に転がっているあたりまえを、自分とそこに関わっている人たち、環境と共に考え直す。
    デザインって、新しいものを生み出すことに意識がむきがちだけど、何も新しいものを生み出すことが全てではなく、既存のもの、不要のものから新しい価値をつけてあげることもデザインなんだなって思いました。
    大事なことが沢山書いてある本だったので、困った時にまた読みます。

  • Q1 未来はもっと素敵だと思いますか?
    Q2 自分の手で、未来をもっと素敵にできると思いますか?
    という問いかけから始まる本書。

    「社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みをつくること」=「ソーシャルデザイン」をキーワードに、私たちの暮らしと世界を変えるグッドアイディアを紹介してくれる。

    そう、社会の問題は、楽しく解決できる。
    自分の手で、未来をもっと素敵にできるのである。

    事例とともに、次の一歩を踏み出すために用意されている、7つのTIPS。
    ① 社会的課題を「自分ごと化」する
    ② ホリスティックに状況を捉える
    ③ 「これからの◯◯」を想像する
    ④ 一石二鳥以上のグッドアイデアを考える
    →サプライズがある、
    →思いやりや愛がある
    →社会問題を一気に解決する
    ⑤ 思いつきをカタチにする
    ⑥ 雨ニモ負ケズ、プロトタイプを繰り返す
    ⑦ 座右の「問い」で自分を振り返る
    →本当にこれやりたいの?
    →好きだった自分ってどんな自分?
    →それは本当に地域の人のためになることか?

    ワクワクするようなアイディアが多く、サクサクと読み進めながら、多くのヒントをもらえる本であった。

  • ◯噂商店街

  • 以前、「grrenz.jp」編集長の兼松さんのお話を聞く機会があり、以前からじっくり読もうと思っていた一冊。
    事例も多く、興味深く、そして一気に読んでしまいました。社会問題の解決、というと非常に難しく感じてしまいますが、ちょっとした行動から解決に向けて少しでも進むことはできる。これは決して特別な人だけの問題ではなく、誰にでも当てはまることです。
    そして、デザインの持つ力というのも改めて感じました。
    本当に多くの可能性を感じられる一冊でした。

    ▼グリーンズが考えるソーシャルデザイン
    「社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みをつくること」

    ▼グリーンズで紹介しているアイデアに共通しているのは、身近な地域の取り組みでもグローバル展開のプロジェクトでも、その人しか気づくことのできなかった強い問題意識、つまり「自分ごと」がきっかけになっている

    ▼世の中の不便に取り組むソーシャルデザインは、マイナスをプラスにする発想が大切。そのためのマジックワードが「これからの○○」
    →未来を考えるモードに頭がスタンバイする

    ▼共感を生むためのグッドアイデア三カ条
    ①サプライズがある
    ②思いやりや愛がある
    ③社会問題を一気に解決する

    ▼これからは「正解」よりも「問いかけ」が重要になってくる




    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・社会に役立つ行動とは決して難しいことではない。アイデアを実行に移すことが大事だ。
    ・まずは、問題意識を自分のものとして考えることから始めてみる

    <目次>
    はじめに/ソーシャルデザインとは何か?
    第1章 「自分ごと」から始める
    第2章 「これからの○○」をつくる
    第3章 行動をデザインする
    第4章 「新しいあたりまえ」になる
    おわりに

  • グリーンズは知っていたけれど、
    本は読んだことがなくて、
    すごくヒントになった。

    「自分ごと」から行動をデザインして、
    結果的に社会を変えていっている
    というのが、すごいし、心地よい。

  • 「ソーシャル」「デザイン」という響きの良いバズワードや、単なる事例収集かのような内容に、初めは懐疑的になっていたが、読んでみると想像以上に良い。
    編者がよく考えて事例を整序したり、途中にインタビューやまとめを挟んだりしているのが良いのだろうけど、確かに
    「あんなこともできるな」「こんなこともやって良いんだな」とアイディアが湧き出るようになる。
    グッとくるページの端を追っていたら、折り目だらけになった。

    前向きになれる本。

著者プロフィール

ソーシャルデザインのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」(月間読者数15万人)を中心に、自ら主役となって、ほしい未来をつくるためのムーブメントづくりを行っている。サプライズがあり、思いやりや愛があり、社会的な課題を一気に解決するグッドアイデア満載のウェブマガジン「greenz.jp」、アイデアとアイデアをつなげるイベント「green drinks」、アイデアをカタチにする学校「green school」、未来のつくり方が分かるブックレーベル「green BOOKS」など、ソーシャルメディアから人と人との出会いの場づくりまで幅広く展開中。編著書に『ソーシャルデザイン 社会をつくるグッドアイデア集』(朝日出版社)。2013年春現在のコアメンバーは鈴木菜央、兼松佳宏、小野裕之の3人。

「2013年 『日本をソーシャルデザインする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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