知の発見 「なぜ」を感じる力

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  • 朝日出版社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255008936

感想・レビュー・書評

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  • 生命科学の研究者である著者が、これまでの経験と知識から、若者にアドバイスするような内容。ただし学ぶことは何歳からでもできると考えれば、だれにでもアドバイスとなる本。

    全体的に左寄り、エコロジー寄りの思想には賛否あるが、柔軟な考え方をするべきという一貫した主張の部分素直に入ってくる。不思議な語り口だ。

    また全体を通して女性の活躍をやたら主張してくる。男=政治、経済→悪 という図式。

    読了45分

  •  自然は地面と生きものが分かれているわけではない。いつも一緒に動いています。それが自然です。私たちはその全体を見ないと「生きている」ことを見ることにはなりません。生物学者も地質学者も専門分野だけを見ている。たまたま、オサムシの例から、自然は全体がつながっているのだから、学問や研究は部分的に見ていてはダメだとわかり、今では自然全体をよく見ていく気持ちが持てるようになりました。(pp.61-62)

     機械化された社会や先進的な中に入ると、どうしても「耐える」ということができにくくなってきてしまいます。「耐える」ことは、しなやかに対応するということで、それは機械にはできません。生きものが何十億年かけて上手にやってきたことなのです。(中略)生きものは時間を紡ぐ存在であり、その時間が多様性を生み出しています。それが弱みでもあり、強みでもあることがおもしろいのです。今の科学は、構造や機能を重視した「もの」を問うものになりがちですが、これからは時間や関係といった「こと」を問うことも大事になります。そして何より、私たち1人1人が、日常生活の中で「なぜ」と問い自分で考えることが大事だと思います。(pp.146-147)

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号: 460.4||N
    資料ID:95160337

  • 請求記号 460.4/N 37

  • 科学哲学の本と期待して購入したが、筆者の経験や考え方の表現が多かった。時に感情的な表現も認められるが、納得できる表現もあった。高校生に対する講演を基にしているため、構成上難しいのかもしれないが、「普通に考える」ことを「普通の人として感じたことを追求する」のではなく、「普通に考えたらどうなる」ということを、事例を交えた説明があると、学問の論理・普遍性まで掘り下げた書籍になったのではないか、と感じた。

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著者プロフィール

1936年東京生まれ。JT生命誌研究館名誉館長。理学博士。東京大学大学院生物化学科修了。ゲノムを基本に生きものの歴史と関係を読み解く「生命誌」を提唱。JT生命誌研究館を開設し、2002年より同館館長。『生命誌の扉をひらく』『自己創出する生命』(毎日出版文化賞)、『ゲノムが語る生命』ほか著書多数。

「2022年 『科学はこのままでいいのかな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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