自殺会議

著者 :
  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255010939

作品紹介・あらすじ

自殺してしまった方には、お悔やみ申し上げますとしか言えませんが、

自殺しようかどうしようか迷っている方は、できれば、自殺はやめて欲しいです。

絶対、と言えないところがもどかしいのですが。

こんなくだらない世の中で生きていたくない、死んでやるわいと自殺してしまう人は、

それはそれできっぱりしていてかっこいいのですが、そんな世の中で、

もがいたり苦しんだりしている人もかっこいいのです。(まえがきより)



冨永昌敬(事故か自殺かわからないと思ってる人)、

松本ハウス(自殺しようとしたお笑い芸人)、

岡映里(母親が飛び降り自殺した人)、

東尋坊の茂幸雄(崖に立つ人を助けてる人)、

原一男(自殺した息子の霊と会った人)、

坂口恭平(自殺したい人の電話を24時間受けてる人)、

岡檀(自殺の少ない町の謎を研究する人)、

岩崎航(どん底から生きる手応えを得た人)、

向谷地生良(数えきれないほど自殺された人)、

弓指寛治(自殺の絵を毎日描き続ける人)。



バカなことを言ってるなと思って笑ってください。

そうすれば、死にたい気持ちも薄らぐと思いますよ。





●目次

目次

まえがき
 


目の不自由な妹の転落事故と、母親がダイナマイト心中するまでの八日間の謎 冨永昌敬さんとの話



統合失調症と自殺 松本ハウスとの話
  


生と死の境界で 岡映里さんとの話
  


繊細と乱暴――東尋坊の用心棒 茂幸雄さんとの話
  


自殺した息子に対して加害者であるという意識を持ち続ける映画監督 原一男さんとの話
 


死にたくなったら090-8106-4666へお電話を 坂口恭平さんとの話
  


"生き心地の良い町"を旅する 前篇 岡檀さんとA町の人々との話
   


"生き心地の良い町"を旅する 後篇 岡檀さんと海部町の人々との話
   


どんな状況であれ人生を楽しめていれば、病は治っている 岩崎航さんとの話
  


精神病患者のなかにある豊かな世界 向谷地生良さんとの話
  


母の自殺を自分のなかに取り込むため、三ヵ月間休まず絵を描き続けた画家 弓指寛治さんとの話
  


あとがき
    


自殺会議に参加くださったみなさんのプロフィール 

参考文献・謝辞   

感想・レビュー・書評

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  • 胸をギュッと掴まれる感じ。どの対談者も素晴らしい。率直で、ウソがなくて、綺麗事じゃなくて。

    「自殺を減らすには、自殺した人の死を悼むことだと思っています。死を悼むということは、死んでいった人のことを肯定して、その人に想いを馳せることです。苦しんだ挙げ句に自殺という最後の手段を選んだ人たちを見て見ぬふりをすることは、とても可哀想なことだし、その人の死は無意味なままで終わってしまいます。」

    タブーがなくて、縦横無尽に自殺について、誠実に語られていて、深いところで本当に役に立つ本だ。

    坂口恭平には度肝を抜かれたな。

  •  うつ病で、死についてよく考えてしまうので、足止めになればと思い読みましたが、共感してしまい死にたい気持ちがまたぼんやりと浮かんできてしまいました。
     岡映理さんの章にとても強く心が打たれました。また、岡檀さん章と対照的でこちらも引き込まれました。自殺や死について、各章ごとに様々な価値観で語られており、この世にはいろんな生と死があって、みなそれぞれの思いで受け取ってるのだなと理解させてくれる本でした。そして全体的に死についてフラットに会話していることで、皆さんにとって生死は常に寄り添っているような、他人事ではないのだなという印象が強くのこりました。どれも良い話です。

  • 前作を読んでいないのですが、自死した家族がいたり、自殺を止める活動をしている人、自殺失敗者など、様々な人との対話を残してある。自殺はタブーではなく、人に話していくことで生きる希望に繋げていくこともできるのだと感じた。、

  • 不思議な気持ちになった。
    いろんな人がいて、
    いろんな考え方があって、
    正解なんてないんだな、って。
    自殺したいとは思わないけど
    自殺した人が読んで微笑みそうな本だった。

  • ハードだ。そして温かい。
    小学生で自殺してしまった息子を、数年後インドの牛の瞳の中に感じた、という記述。涙があふれて止まらなかった。
    生命の大切さとか善悪とかでなく、ただ生き返ってほしいという気持ちが必要なのだ。
    自殺しようとする人は一所懸命に生きてきた人なのだ。

  • 今まで死にたいと感じたことも精神的に病んだこともない(多分)けど、この本を読んで、死にたい人や精神を病んでしまった人に対しての理解がほんのちょっと深まった気がする。言葉尻から想像することしかできないけど、きっと人一倍想像力や感受性の強い人たちで、捉え方次第では誰よりも優し過ぎる面を持っているが故に自己を犠牲にする考えから抜け出せなくなるのかなとも思った。
    自殺願望者の相談に乗る側もまた精神的な病を抱えているケースが多いらしく、相互治療というか相互で共感できる存在が見つけられるとやはり自殺に至る可能性はぐっと下がるのだろう。

  • とても興味深い本。面白く読んだ。坂口恭平さんとかべてるの家の向谷地さんとか、わたしが興味をもっている人やことが登場(坂口さんのお話の中では稲葉俊郎さんが出てきたり)。つながっている。

    東尋坊の茂幸雄さんのことは全然知らなかった。話している声が聞こえてくるほど臨場感があって、読んでいて本当に面白かった。岡映里さんのお話も面白かったな。彼女は、自殺をしてもいいと思っているのだそうだ。考えさせられる。

  • 死ぬことと生きることは対であって、死んでしまうと生きられないし生きてるうちは死ねない。両方をいっぺんにすることはできない。でも、生きてるから死を感じられるし、死があるからこそ生きることに対して真摯に向かいあうことができる。生を真剣に考えるには、死を身近に置くことも大切なことだと思った。

    いかにして生きるか。生きていくのか。改めて真剣に考えたい。

  • 冬休みの課題図書(のはずだった)『自殺会議』読了。
    末井さんの文章は優しい気持ちになれる。凄く良い、ひとりになれる読書というか。
    読書って行為が一人でするという事もあるけど、色々と解きほぐされてちゃんと一人になれるのが心地良い。死にたくなったら、本を読めば良いと思う。僕はそうします。
    #読書 #自殺会議 #末井昭 #朝日出版社

  • 良かった。

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著者プロフィール

1948年、岡山県生まれ。編集者・エッセイスト。工員、キャバレーの看板描き、イラストレーターなどを経て、セルフ出版(現・白夜書房)設立に参加。『ウイークエンドスーパー』『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』など15誌ほどの雑誌を創刊。2012年、白夜書房退社。現在、執筆活動をしながら、ペーソスというバンドにTサックスでときどき参加。2014年、著書『自殺』が第30回講談社エッセイ賞を受賞。 主な著書に『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)『絶対毎日スエイ日記』(アートン)『パチンコからはじまる〇×△な話』(山崎一夫・西原理恵子との共著、主婦の友社)『自殺』(朝日出版社)『結婚』(平凡社)などがある。

「2017年 『末井昭のダイナマイト人生相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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