往復書簡 無目的な思索の応答

  • 朝日出版社
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本棚登録 : 138
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255011080

作品紹介・あらすじ

「ここでしか書けない」言葉の在庫を放出した。

馴れ合いや戦略や俯瞰から遠く離れて、記憶を掘り起こし、違和感を継ぎ足し、書くことについて考える。
逸脱し、散らばった先でぶつかり合って、思索が自由に泳いでいく。

1年半にわたり続けられた「言葉への態度」をめぐる応答の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 往復書簡という設定自体秘密を覗いてるようでわくわくするが、それもこの二人だから余計に面白い。違和感を感じた記憶や伝える事の難しさなどやりとりされる中に、はっとする言葉がたくさん詰まっていた。

  • 『自分の名前で文章を書くことは、身体に文字を彫ることと似ている』と又吉さんは言う。
    その言葉の重みに圧倒されてしまいました。
    人の心はうつろうし、考えることだって日々変わっていく。
    又吉さんにとって文章を書くというのは、その時その時の思いをちょうどいい熱量で
    自意識と闘いながら言葉にしていくという作業なのだろう。
    その途方もない困難さが、『スリジャヤワルダナプラコッテ!!(スリランカの首都)』と叫ぶ小学生の話に笑っているうちに、泣き笑いのように伝わってくるのです。
    分かりやすい思考の方程式や、世の中が提示してくる『正解』を許さない二人のやりとりは
    読んでいてとても刺激的で楽しかったです。

  • それぞれがエッセイのような論考のような日常の断片を書き、相手に何気ない問いを投げ掛ける。その問いに対しての回答と新たな問いを投げ掛ける。2人の表現と切り口が同時に味わえ、時に融合する世界が新鮮である。‬

  • 馴れ合いじゃない始まりがいい。
    もしこの2人が学生時代に同じクラスだったとしても、おそらく友達にはならなかったんじゃないかなという距離感。
    友達にはなれない、考え方に違うところはあるけれども、一目置いてしまう存在みたいな。
    楽しく読めたのは
    ●(笑)是か非か
    ●不便は選択肢が豊富
    ●自然不自然のターンでのタクシーの話
    あたり。好きな本でした。

  • 『火花』の又吉直樹と『紋切り型社会』の武田砂鉄による往復書簡。
    相手の手紙への完全な応答とも言い切れない返信で、思索を発展させ進んでいく感覚が、1人で考えている状態を再現・言語化してくれているような本。

  • 915.6

  • 2019年4月8日読了。
    武「声って」
    又「読んでない人からも批判されるのは僕くらい」
    武「ああだこうだ」
    又「“今日、調子いいね”という呪縛」
    武「夜に馴染む」
    又「妖怪ケンムン」
    武「本音ベース」
    又「機嫌悪いわけじゃないよ」
    武「(笑)の入れ方」
    又「リアルってなんや」
    武「主観の操縦」
    又「えん」
    武「偶然ってどこから」
    又「刺激と反応」
    武「イケてる人」
    又「あいまいな記憶」
    武「最近評判悪いよ」
    又「キスしたことある?」
    武「早生まれだけど学年は一緒」
    又「松坂世代らしい」
    武「不便を残す」
    又「“無駄”が楽しい」
    武「マッサーヅマッサージ」
    又「“マタキチ”って呼ぶ人」
    武「状況選択能力」
    又「フリ」
    武「さびしさを鳴らす」
    又「得意げに“意味わからん”と言う人もいるし」
    武「“でしょー”」
    又「楽はしない」
    武「俯瞰と起爆」
    又「“自然”と“不自然”」
    武「トリミング癖」
    又「削って語る」
    武「池谷幸雄である必然性」
    又「パターン化された理屈」
    武「接続の横柄さ」
    又「都合の良い接続」
    武「街に転がる決断」
    又「会議の“流れ”」
    武「偏愛の屍」
    又「ずるい」
    武「斬新と言われても」
    又「悔しくてクワマン」
    武「スリジャヤワルダナプラコッテ」
    又「初体験」
    武「“面白い”を探す」
    又「好きなようにやる」
    武「“好き”が揺れ動く」
    又「迷う」
    武「イイ感じに思われる」
    又「結局、自分で考える」
    武「終わらせ方って難しい」
    又「“終わり”にも続きがある」

  • 例えば〇〇が結婚した、〇〇が転職した、とか具体的な噂話が聞きたいんじゃなくて、ではそこから派生する、例えば結婚観や仕事観というと大袈裟だけど、そういう概念的な抽象的な話が好きな自分にはとても好きな本。
    まさに「無目的な思索の応答」が好きなので、心地よかった。

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著者プロフィール

又吉直樹(またよし なおき)
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。お笑いコンビ「ピース」のボケ担当。第153回芥川龍之介賞受賞作家。2009年6月せきしろとの共著、自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』を刊行し、これが初の書籍となる。2010年12月に続編である『まさかジープで来るとは』、2011年11月初の単著『第2図書係補佐』をそれぞれ刊行。2015年1月7日に『文學界』2月号に初の中篇小説『火花』を発表し、純文学作家としてデビュー。3月に文藝春秋から『火花』が単行本化。同作が第28回三島由紀夫賞候補となり、第153回芥川龍之介賞受賞に至る2016年にNetflixと吉本興業によってネット配信ドラマ化2017年板尾創路監督により映画化された。2017年『劇場』刊行。2018年9月、毎日新聞夕刊で新聞小説「人間」を連載し、毎日新聞出版から2019年秋に発売予定となる。

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