銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異
- 朝日出版社 (2020年2月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255011677
感想・レビュー・書評
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難しい話も優しく教えてくれる先生
タイトル通り夜話にちょうどいい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
抒情的な文章と科学的推察の妙。
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短歌みたいに美しく飛躍する科学の話。アリの革命と銀河を渡る蝶が特に好き。
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物語を読むように現代科学を理解できる良本。挿絵も素晴らしい。
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知らない単語が立て続けに出てくる。難しすぎて読了できず。。
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物理学者にしては?洒落た文体に文学的教養を感じさせる文章だけれど、軽薄というかナルシスティックな語りが多い印象。だからこそのエッセイなのだろうけど。
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『銀河の片隅で科学夜話――物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異』
著者:全 卓樹
装幀:佐々木 暁
出版社:朝日出版社
定価:1,760円(本体1,600円+税)
判型:四六判変型
頁数:192
ISBN:9784255011677
Cコード:C0095
発売日:2020/02/19
〈https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011677/〉
【目次】
はじめに
〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル
〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙
〔数理社会編〕
第9夜 確率と錯誤
第10夜 ペイジランク――多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力
〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族
〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて
参考文献 -
自動運転とトロッコ問題の話が面白かった
ページランクの話も面白かった -
先に「渡り鳥たちが語る科学夜話」を読んだので後追いになったのだが、とにかく興奮する話と知見が多くて、時には涙も出てくる。章でいう16夜にあたるトロッコ問題の言説。メジャーになり過ぎたこの思考実験は、時折我々の玩具として消費されている場合があるが、「自動運転AIに対するプログラミング」という観点で、この問題は非常に現実味を帯び、背筋を凍らせる。我々はAIに対してどのように倫理を教えなければならないのか。
そもそも、倫理に答えはあるのか。
様々な知的好奇心を刺激してくれる、ある意味自己啓発的科学読本である。 -
忙しい時期に読んだせいで内容うろ覚えだからまた読み直したい。ちょっと専門的な話があったりして私には難しかったけど他の人のレビュー見てると理系の人には物足りないっぽい。ロマンチックというか不思議で美しい話が多い。割と1つの話が短めなのも良い。思い出せない夢の倫理学の話が好き。人は起床直後に直近30秒ほどに見た夢を覚えているのが常で、それまで見てた夢は溶けるように去ってしまう。でも近い将来、科学の進歩で本人が忘れた夢をディープラーニングによって他人が掘り起こし、存在へと転ずることが可能になるかもしれない。面白そうだけど確かに倫理的にどうなのかって領域に入っている。章ごとに写真や挿絵、吉田一穂さんの詩が載っている。『自我系の暗礁めぐる銀河の魚。コペルニクス以前の泥の拡がり…睡眠の内側で泥炭層が燃え始める。』お洒落な詩だな〜って調べたら大正から昭和の詩人でだいぶ前に亡くなられててビックリした。この人の詩ちゃんと読んでみたいな。2巻目も出たらしいから見つけたら買おうと思う。