シンクロニシティ

  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255890425

作品紹介・あらすじ

穏れた次元と創造的な宇宙。ユング心理学、量子論、ナスカピ・インディアンの託宣、中国古代文明、デヴィッド・ボームの内蔵秩序、ルパート・シェルドレイクの形態形成場、プリゴジーヌ、グノーシス主義のプレローマ…。

感想・レビュー・書評

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  • 「シンクロニシティー」:共時性と訳される。意味を持つかのように結び合わされた偶然の出来事の連なり。
    *心に思っていることが外界に現れる現象。

     この現象がなぜ起きうるのか? 物理学、量子力学、分子生物学、ユング心理学、等の広範な領域の研究や学説を駆使して、著者F.D.ピートは大胆な仮説を組み上げて見せる。
    曰く、
    「シンクロニシティー」は、心と物、精神から物質へと橋を渡す現象である。
     生物学者シェルドレイクの形態形成場の理論、物理学者ボームによる内蔵秩序の理論などが引用され、素粒子等の微細な領域がいかに流動的で混沌としているかが説かれる。筆者は、この量子レベルの混沌では「精神」と「物質」の親和性が強いとする仮説を立てる。量子レベルでは物質と精神の間の境界線はなく、相互に影響を与えるエネルギー場がある、とするイメージを提出する。

     本来、物質と精神は混沌として一体のものであり、この「場」では「意味」が、ある必然性を有する。そのように宇宙に於いては自然である理が、人の生活や人生のなかに時折染み出すことがある。それが奇妙な偶然の一致:「シンクロニシティー」だと言うのだ。

    この論はタオイズムに通じる考えでもあり、僕個人は強く魅かれた。
    世界観・宇宙観が変質し、人生観をも揺さぶる刺激的な書である。

    (ただ、専門用語が多くて難しく、翻訳も硬いのが難。) 

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著者プロフィール

1958年生まれ。詩人、批評家。明治大学理工学部教授。詩集『Agend'Ars』『島の水、島の火』『海に降る雨』『時制論』『数と夕方』『狂狗集 Mad Dog Riprap』(いずれも左右社)、『犬探し/犬のパピルス』『PARADISE TEMPLE』(いずれもTombac)、英文詩集にTransit Blues(University of Canberra)がある。紀行文集『斜線の旅』(インスクリプト)により読売文学賞受賞(2011年)。エドゥアール・グリッサン『〈関係〉の詩学』『第四世紀』(いずれもインスクリプト)をはじめ、翻訳書多数。2021年、多和田葉子、レイ・マゴサキらによる管啓次郎論を集めた研究書Wild Lines and Poetic Travels(Doug Slaymaker ed., Lexington Books)が出版された。

「2023年 『一週間、その他の小さな旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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