日本人は「食なき国」を望むのか: 誤解だらけの農業問題

著者 :
  • 家の光協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784259518578

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  • ★メモ
    「百姓百品。五畝五畝(ごせごせ)百姓」こそ、22世紀型農業スタイル!
    農業は生活である。農業はライフスタイル。
    農村が都市よりも比較優位になれが、現在の諸問題は殆ど片付く。
    昭和31年、町役場の初任給はコメ一俵半だった。(今はアルバイトでも一週間位で稼げるかも?)
    百姓は損得勘定をしないからやっていける。本気で算盤を弾いたら皆農業なんて止めている。
    農作物の単作は儲からないだけでなく、かなりのリスクを伴う。
    循環社会と言っても、別に江戸時代に戻れと言いたいのではない。現代の技術を駆使してこれまでにない全く新しいシステムを構築することが大事である。
    元々日本で産まれたCSA(地域支援活動)である。それが今のアメリカで見直されているのに、なぜ日本は大規模化を進めるのだろうか?

    強い農業が生き残るのではない。生き残った農業が強いのだ。

    ※今は農業で「お金儲け」を目論む人ばかり。
    しかし、近いうちにもう一回東日本大震災級の天災が起きるか、中国からの穀物輸入が滞るか、はたまた石油の埋蔵量があと50年分位とアナウンスされるかでもしたら…

    ※香港やシンガポールの富裕層に自分の商品を売り込むことばかり考えている間に、何時の間にか自分の食べるものがなくなっていたなんて未来予想図を想像できる人が極めて少ないことに私は一抹の不安を憶える。
    そうなってからでは遅いのだよ、そうなってからでは…

  • 「強い農業が生き残るのではない。生き残った農業が強いのだ」。農業逆転の発想を熱く説く。著者は現役のベテラン農夫。「規制改革は本当に農業を救うのか」「小規模農業こそが未来を拓く」「循環と再生は自然の真理」「労働生産性が低いということは豊かな事」・・・・。日本農業の常識を覆し、豊かさの意味を問い直す。日本を支える小規模農家の皆さんに是非手に取って読んでもらい勇気と自信を取り戻してもらいたい。

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著者プロフィール

◎山下 惣一(やました・そういち)1935年佐賀県唐津市生まれ。農業に従事するかたわら創作活動を続ける。1969年『海鳴り』で第13回日本農民文学賞受賞、79年『減反神社』で第27回地上文学賞を受賞。同作は第85回直木賞候補作となる。著書に『ひこばえの歌』『日本人は「食なき国」を望むのか』(家の光協会)、『農の明日へ』(創森社)など多数。生活者大学校教頭、アジア農民交流センター・TPPに反対する人々の運動の共同代表、小農学会の顧問も務めた。2021年2月に「老農は死なず消えゆくのみ」と断筆を宣言。2022年7月10日に肺がんのため逝去。

「2023年 『山下惣一 百姓の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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