「農業を株式会社化する」という無理 これからの農業論

  • 家の光協会
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本棚登録 : 85
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784259547646

作品紹介・あらすじ

内田樹氏、藤山浩氏、宇根豊氏、平川克美氏が、
農業や農村の価値と将来を思い思いにつづった一冊。
資本主義経済が行き詰まりを見せるいまこそ、一読の価値あり!
巻末には、養老孟司氏と内田氏による特別対談も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 新しく自分にとってのバイブルに追加したい本。
    まずは内田さんの議論。『ローカリズム宣言』も大いに示唆にとんだ本だったがここでの議論も素晴らしい。人間が集団として存在する場合にどうしても必要な制度的な柱となるのが「宗教・医療・教育・司法」とのこと。今日では当たり前のように専門家が担い、市場原理に飲まれている分野だけど、人々の生活に必要不可欠なこれらが金がないと手に入らないというのがまずおかしいんですよね。
    藤山氏が提示する暮らしを支える一次拠点が揃う複合的な拠点である「郷の駅」構想は参考になります。現在、地方といえども域外にお金が流れてしまう飲食店やショッピングモールを始めとした施設がはびこりすぎています。RESAS地域内でどれだけ資金が循環しているかの1つの基準になります。https://resas.go.jp/#/37/37206
    宇根氏の「農本主義」。特に最近他の本でもそうですが百姓という言葉がポジティブな意味として使われるようになってきています。いつの間に人々はこんなにも専門家に頼るようになってしまったんだろう。自分も何でもできるようにならないと。農業が支える環境に対して「環境支払い」として税金を拠出にも賛成です。農業の多面的価値が共有され税金として支えられるようになってほしい。税金が投入されている分百姓側にも説明責任が求められますが、その負担はきちんと負わないといけないですね。
    平川氏の議論の中ではたまたベーシック・インカムが出ました。凄く流行っているなと実感。学生時代に少し何冊か本を読んだ程度ですが、ベーシックインカムを導入するにあたってのメリット・デメリット、どのような構想で実現できるのか、実現すればどのような未来を描けるかを少しずつ勉強していかないといけませんね。

  • 内田氏が農業を語っていることに興味をもち読んだ。まえがきと巻末で内田氏と養老氏が対談しており、内田氏の文章も掲載されている。藤山浩氏の「年に1%ずつで田園回帰できる」は、人口減少で頭を悩ませている全国の自治で参考になるのではないだろうか。

  • 本書は、各筆者が、農業は人間生活に欠かせない活動であるということを話している。これまでの資本主義下における理論は農業には適用できない、なぜなら、農業とは生命活動にかかわることであり、農業に従事するということには「不払い労働」がつきものであり、文化や生活と一体化する部分があり、人による営み以上に「自然からの贈与」に依拠するところが大きいということなどがある。
    また、若い世代を中心に帰農の流れが見られることについて、経済価値だけ見て進もうとする社会への違和感とか、本当に大切なことへの気づきとか、そのような脱イデオロギー的な考えが少しずつ日本社会の中で広がっていると言う。そして、経済成長が現実的に終焉を迎えつつある中で、経済以外の価値に基づく農業の在り方を忘れてはいけない、ということと伝えていると思う。

  • 農業の株式会社化は無理、と言うテーマで4人の著者が農業論を展開しています。
    どの著者も少子高齢化に伴う人口減少に触れています。
    これに対するかすかな期待が、巻末対談にある「農村に向かう若者」なのでしょう。
    しかし、「農村に向かう若者」現象を捉えて、これを拡大すれば農業はハッピーみたいな論は、全くの茹で蛙状態と言うしかありません。
    移住者の受け入れと同時に、今こそ戦略的縮小を考えるべきです。都市部への機能集約を「シンガポール化」として批判していますが、農村を消滅させないためにも体力(税収)のある内に計画的にやるべきでしょう。
    著者の方々には、縮小を前提とした農業論を期待します。

  • 18/09/15。

  • 20180722 ちょうどタイトルと同じような事を考えていた時に広告を目にしてそのまま本屋に行って購入した。時間はかかったけど各人の伝えたいことは今の日本で過ごしていく者としては理解しないといけないことだと思い読み続ける事が出来た。個人的には平川さんの定常経済の話が一番身近に感じられた。又、内田さんと養老さんの対談はそれだけでも期待と行動を促す内容で読んでいて気が昂った。

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