リハビリの夜 (シリーズ ケアをひらく)

著者 :
  • 医学書院
4.06
  • (32)
  • (23)
  • (21)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 334
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260010047

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • この本を読んでいるあなたと一緒に転倒したい。ケアを生業にしている人は必読だろうか。
    優れた精神科医だったミルトン・エリクソンがポリオで小児麻痺だった事から、人の仕種や動きのシグナルに敏感だった。この著者もムーン・ウォークを妹にさせるために、動作をどのように表現すれば良いのか詳細に分析しているシーンがあり興味深かった。
    自己観察が主体の本なので、そちらに強く興味を持てず読み飛ばしてしまいました。

  • 脳性まひ”当事者”の小児科医による、身体論であり自分史。環境と自己が混じりあう図式は馴染みがないではないが、健常者とは違う脳性まひ当事者の体験談というのがミソ。「正常」からの逸脱なり欠乏によって、「正常」の何たるかがはじめて分かることも多い。

    監視などフーコー的な要素もあり。

  • 人間の体とはなんと複雑で成功なものでできているんだろうと改めて思う。変な話だけど、障害のある人でも長生きができる社会であるから当事者研究ができて病気を解明できる。人類は次の段階へ向かっているんじゃないかと思ったりする。

  • 筆者は脳性麻痺を持つお医者さん。現在は東大の研究医だけど臨床経験あり。不自由な肢体で採血に臨むエピソードがリアル。また、官能とか色気とかシモを避けない真摯さがいい。

  • このように自分の脳性麻痺のことを文章にされて本にされる方がいらっしゃるということが、介助がなくては生活ができない人たち、今のところ介助なしで生きていける多くの人たち双方にとって、ありがたいことだなぁと思う。

    ご本人も書いておられるが、「文字で表すことが困難な体感のようなもの」をよく文字で表してくださった。

    特に印象に残ったのは、リハビリキャンプでの出来事、電動車椅子を使用し始めた時の気持ち、一人暮らしを始めた時のこと、排泄のこと。

    高齢化で体が自由に動かせない人と一緒にしてはいけないのかもしれないが、介助を必要とする人としない人との共存をもっとしっかり考えなければ行けない時代ではないかと思う。介助される人が少数派ではなくなっているはずなのに、どうしても外出の困難があるため、人目に触れないところにいて、わからなくなっている。
    電動車椅子がたくさん街を走っている様子が頭に浮かんで来た。体が不自由でも、もっと外に出かけて楽しめる社会がいいな。

    この本の感想としては違うのかもしれないが、そういうことを考えた。

  • 著者が全霊で外界と対峙していることには敬意を表するが、観念の世界、独自の世界がいささか強すぎる。簡単に言ってしまえば頭でっかち。10年後ぐらいに御自分で読み直していただければわかっていただけると思う。とはいえ、当事者が発する声、というのは貴重で「アルビノを生きる」「死んでいきかえりましたれぽ」とともに、一度は読んでおきたい本でした。

  • 健常者の視点で障害者を図れない。というか図ってんじゃねぇ。

    それは「多数派」ならではの傲慢であり、
    障害者をとりまく環境を健常者をベースにして作ってもしょうがない(健常者ベースにする必要性がない)じゃんね。
    確かにそうだ、そっちの方がごく自然なのに。
    そのひとありきの生活が、より良いものであるように。
    認めあおう隣人への理解を深めるオープンなマインドは人生に必要だ。
    って、言ってったって健常者だって意識と行動が必ずしも一致するわけじゃない。

    もうそうなってくると障害者健常者の仕切りは薄くなってきて、
    どっちが優劣とかは遠回りにすぎず、
    よりよい人生のためにはしんどいことも時に呑み込んで消化しなくちゃいけないわけで、そこに脳性まひと健常者の仕切りはないはずで、助け合って、暮らしていきたいと思った。

  • 名著

  • とても難しく、理解できたところは私には少なかったかと思う。
    「敗北の官能」「ほどきつつ拾い合う関係」「まなざし/まなざされる関係」「加害/被害関係」と、自身の体験を、体系立てて著し、伝えている本だと思う。
    私はほんの少しだけれど、トレイナーの立場に立った経験がある。自分の行動や思いはあの時のトレイニーにとってふさわしいものだったのか、この中ではどの関係だったのか、当たり前だけどトレイニーにも気持ちがあり、その気持ちに寄り添えていたのか、自戒の念も湧いてきた。

全48件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年生まれ。新生児仮死の後遺症で脳性まひに。以後、車いす生活となる。東京大学医学部卒業。小児科医、東京大学先端科学技術研究センター准教授。著書に『リハビリの夜』、共著に『発達障害当事者研究』『つながりの作法』『ひとりで苦しまないための「痛みの哲学」』などがある。

「2018年 『子どもの人権をまもるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

熊谷晋一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
中島 京子
村上 春樹
冲方 丁
夏川 草介
又吉 直樹
ヴィクトール・E...
村上 春樹
いとう せいこう
有効な右矢印 無効な右矢印

リハビリの夜 (シリーズ ケアをひらく)を本棚に登録しているひと

ツイートする