大人の発達障害ってそういうことだったのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260018104

作品紹介・あらすじ

大人の精神科医×子どもの精神科医。専門の異なる2人の臨床家が大人の発達障害についてとことん語り合った至極の対談録。

感想・レビュー・書評

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  • N700

  • 大人の精神科医と、子どもの精神科医による、「大人の発達障害」についての対談。

    ソーシャルワーカーとして「大人の発達障害」の対応をすることが増えてきたため手に取りました。

    精神科医の先生が、どのように発達障害を見ているのかが対談形式で語られていくため、とても読みやすかったです。折々で読み返していくと良いのかなと思いました。

  • 2階書架 : WM203.5/MIY/1 : 3410162399

  • 医学書だが、平易で対談形式なので読むことはできる。ただ専門用語は頻発する。
    発達障害についての一般書は数多いが、どれも似たようなところにとどまっているところがあり、診断としてどういうところがみられるのか、特徴と呼ばれるものは何なのか、ははっきりしないパターンが多い。そのかわり平易で対応方に充実してはいるが、基礎知識を得るにはこの本がとても良かった。
    特に性差に関する記述についてはものすごく参考になり、自分が腑に落ちない部分が少し紐解けたように思う。
    ただやはり専門性が高いので、発達障害についてよくわからないというところに居るのであれば新書などの一般書から入った方が無難。

  • わー、結構初めて情報とか膝を打つ言葉あってよかったです。
    「手首切って薬飲んだらボーダーと診断出す医者があるが慢性的空虚もODもASDにも見られることで、ボーダーの典型例は「今から死にます、場所は教えません」と電話かけて意図的に人を動けなくするような操作性です、意図的な操作性はサイコパシーやボーダー、無意図の操作性はASD」ってのはあーーー!とめっちゃ腑に落ちる、うんうん。

  • 《第1章 なぜ大人の発達障害なのか?》
    《第2章 知っておきたい発達障害の基礎知識》

    《第3章 診断の話》
    <基本となる症状>
    ▶︎基本症状=社会性の障害、コミュニケーションの障害、イマジネーションの障害 +感覚過敏

    <合併と鑑別ーーうつ病③>p.98 
    ・より確実に見えるものを聞くのが診断の早道。神経症的な症状が起きる原因を探るより、発達障害の方がわかりやすい。
    ・評価者間の一致度も高いはずの発達障害を先に聞く方がよい。
    ・プライマリでは内因性や心因性より先に発達障害関連の問診をした方がよいのでは。
    ・うつ病の分類のなかに「発達障害関連うつ病」を入れておかないと、うつ病の症候学や治療学として適切ではないかもしれない。

    <合併と鑑別ーー双極性障害>p.100
    ・双極性障害との鑑別は、ASDよりもむしろADHDでしばしば議論されている(ADHDの症状が躁状態に近いため)
    ・ASDとADHDは合併率が高いので、ASDと双極性障害の鑑別も重要
    ・ASDの躁:要求水準が高まって自分の能力以上のことをさせられると急にはしゃぐ。それが躁に見えることがある。/言語表現に乏しいから行動化する。/抑えがきかず、その場もわきまえず舞い上がってしまう。行動だけ見ていると躁と判断しやすい。
    ・軽い発達障害の人は情動コントロールが苦手。ちょっといいことがあるとはしゃいでしまうので、躁状態と受け取られることが多い。
    ・双極性障害も躁鬱病も概念が広がって鑑別が難しくなっている。しかし、1日の中で気分変動があっても、時間単位でバイポーラーなんておかしいと思う。

    <合併と鑑別ーー境界性パーソナリティ障害>p.105
    ・境界性パーソナリティ障害の子どもは対人交流はできるが、変わった行動をする。相手が嫌がるとわかっていて困らせる行動をとる
    ・アスペはこうすれば相手が困るとわからず、結果的に困らせる行動をしてしまう
    ・3〜4歳までの親子関係がきちんとしている人に境界性パーソナリティ障害はほとんどいない。

    《第4章 治療とケアーーどう捉え、どうするべきか》
    <治療上の注意&アドバイス>p.172-
    ▶︎ASDの人に対する指示
    ・曖昧な表現ではなく、説明は具体的に。聞き方も言い方も気をつける。「これぐらいわかっているだろう」と思っていると、結構すれ違っていることが多い。
    ・口頭より、文字情報、視覚情報で提示するほうがいい。
    ・会社でうまくいかない場面を患者さんに想像させるのは難しい(第三者的にメタ認知しにくいため)。状況を具体的に把握することは大事なので、どういう場面で誰とどういう時にうまくいかなかったのか、5W1H的に聞いていく方がいい。
    ▶︎反省
    ・良し悪しの判断がつかない人には、損得勘定で説得
    ・「反省」という言葉も難しいところ
    ・反省はするが、同じような状況に遭遇するとまた同じ行動を繰り返す傾向にある。
    ・本人は実際に反省しているのに、ちっとも反省しているように見えないところが問題。
    ・アスペはそんなに嘘つけないので、反省を上手に表現することが苦手。逆に、定型発達の人は「反省したふり」がうまい。場をわきまえず思ったことを口にするので裁判では不利になる。
    ▶︎強迫性障害を合併したASDの治療
    ・基本的には薬物療法(SSRI)と環境調整
    ・生活環境のストレス要因、特に自閉症特性に注目したストレス要因を取り除く。ex. 音に敏感なら静かな環境を準備
    ・こだわりが強く、注意の移行が難しいため、視覚的スケジュールが必要
    ・終わりの概念がわかりにくいので、終わりの概念をつくってあげる(タイマー、視覚的スケジュール、声かけ等)
    ▶︎うつの治療
    ・「少し休みましょう」ではなく、スケジュールを具体的に作ってあげる。「この日は家でこれをやる」「この日は学校へ行く」とか。そうしないと、だらだら過ごして昼夜逆転みたいになり悪化する。
    ・単純に、具体的に、生活の枠組みに関する提案をする。
    ・定型発達のうつ病の人は元気になれば自分でプランを立てられるが、アスペは自分で適切なプランが立てられない。具体的な指示がかなり必要。ex.「今の会社のこの仕事は向いてないからこっちにしよう」
    ▶︎発達障害の治療の基本
    ・本人にとってより快適な環境を用意する。
    ・患者本人ができないということを家族は案外知らない。患者がいかに「できない」かを親(周囲)に認識してもらうことから始める。親に子どもの状態を理解してもらうことは、親という環境調整でもある。
    ・本人の問題点をまず見つけてあげる
    ・具体的でわかりやすい言葉で問題点を指摘し、直すように心がける。
    ・患者一人にやらせるよう親に働きかけ、我が子の生活スキルを評価させる(洗濯とか)。できないことを理解すれば、教えなければならないと自覚する。
    ・問題行動への対応=叱ってもうまくいかないことが多く、本人がますます混乱する。患者の混乱が激しい場合は、家族が他の場所に避難する。視覚駆動なのでその場にいると刺激になるため、視界の外に避難し、本人が鎮まるのを待つ。/環境に馴らそうとすると、問題が深刻化することが多い。

    《第5章 ADHDと学習障害》
    《おわりにーー一般の精神科医の先生方に望むこと》

  • 大人の発達障害について詳しく書かれている本はあまりなく、大人の精神科医と児童精神医との対談でとても面白かった。
    子供も大人も共通するが、発達障害の人を見つけるには、何気ない会話の中から、社会性、イマジネーション、コミュニケーションのいずれかの能力が低いことを認知することから始まりで、まずは気づくことが非常に大事。
    精神科にかかっている病気は統合失調症やうつ病、強迫性障害など様々あるが発達障害を誤診されていたり、合併することもあり見逃されているケースは少なくないそう。
    発達障害の人は非常に社会で生きづらいことも多く、まずはそれに気づき、治療ではなく、その性格に合わせた生き方をアドバイスしてくれる人の存在が重要だと感じた。

  • WM320

    『近年の精神医学における最大の関心事である「大人の発達障害とは何なのか?」をテーマとした一般精神科医と児童精神科医の対談録。自閉症スペクトラムの特性から診断、統合失調症やうつ病など他の精神疾患との鑑別・合併、薬物療法の注意点、そして告知まで、臨床現場で一般精神科医が困っていること、疑問に思うことについて徹底討論。立場の違う2人の臨床家が交わったからこそ見出せた臨床知が存分に盛り込まれた至極の1冊。』

    第1章 なぜ大人の発達障害なのか
     [はじめに]
     [大人の発達障害が急激に増えた理由(1)]
     [大人の発達障害が急激に増えた理由(2)]
     [疫学、病因]

    第2章 知っておきたい発達障害の基礎知識
     [定義と分類]
     [歴史]
     [概念の整理]
     [ASDの典型症例]
     [これだけは知っておきたい知識]
     [症状(概論)]
     [疾患と捉える範囲]

    第3章 診断の話
     [基本となる症状]
     [年齢による変遷]
     [とりあえずこれだけは聞いておこう]
     [主な症状-感覚過敏(1)]
     [主な症状-感覚過敏(2)]
     [主な症状-社会機能、社会性の欠如]
     [合併と鑑別-統合失調症]
     [合併と鑑別-緊張型統合失調症]
     [合併と鑑別-妄想型統合失調症]
     [合併と鑑別-統合失調症と自傷他害]
     [合併と鑑別-統合失調症か発達障害かの診断]
     [合併と鑑別-うつ病(1)]
     [合併と鑑別-うつ病(2)]
     [合併と鑑別-うつ病(3)]
     [合併と鑑別-双極性障害]
     [合併と鑑別-境界性パーソナリティ障害]
     [合併と鑑別-強迫性障害]
     [合併と鑑別-拒食症]
     [合併と鑑別-身体表現性障害]
     [合併と鑑別-知的障害と認知症]
     [診断-問診のしかた(1)]
     [診断-診断基準(1)]
     [診断-診断基準(2)]
     [診断-問診のしかた(2)]
     [診断-テストや評価尺度]
     [診断-診断のテクニック]
     [男女差をどう考えるか]
     [プライマリケア医、産業医の対応]
     [学校の先生やカウンセラーの対応]
     [明確な診断はつけられるのか]

    第4章 治療とケア-どう捉え、どうするべきか
     [大人の発達障害は誰が診るべきか]
     [治療上の注意&アドバイス(1)]
     [治療上の注意&アドバイス(2)]
     [強迫性障害を合併したASDの治療]
     [入退院にまつわる問題]
     [うつの治療に関する注意点]
     [抗うつ薬処方上の注意]
     [発達障害の治療の基本]
     [告知]
     [大人の発達障害の理想と現実]
     [臨床現場でできること]

    第5章 ADHDと学習障害
     [ADHDの概念・歴史]
     [ADHDの診断]
     [ADHDの治療]
     [学習障害の概念]
     [ADHD・学習障害のまとめ]

    おわりに-一般の精神科医の先生方に望むこと

  • 専門医の対談形式で、読みやすい。
    わかりやすいけれど、何度か読まないと
    理解できないかも。

  • ボーダーに発達障害が多い。
    ボーダーは、相手を金縛り状態にして、操作
    サイコパスに近い

    知的障害と認知症
    知的障害があっても、治すのではなく困らないように支援

    男女差について
    女性はノーマルに振る舞うのが上手、潜在例は多いが、症状をなかなか訴えない
    ノンバーバル・コミュニケーションに乏しい、打てば響く感じがない

    発達障害の原因は、出生時低体重や、親の高齢化。

    臨床上、いちばん問題が多いのは、ASD

    発達障害の歴史
    自閉症は、1943のカナーの論文
    1936アスペルガーの論文
    カナーとアスペルガーの確執
    カナーは、ユダヤ系ドイツ人、アスペルガーは、オーストリア人

    ウィングの三つ組→社会性(人より物、指さしの遅れ、要求の指さしは遅れない)・コミュニケーション・イマジネーション

    ボーダーも人を巻き込むが、ボーダーの場合はわかっててわざとやるのに対し、アスは悪気なく巻き込む。

    相手の立場に立ち、想像して行動できるかがポイント
    ・仲の良い友達は?
    ・恋人は?
    ・ノンバーバルの異常は?(表情、モノトーン、しぐさが乏しい)

    PARS
    広範性発達障害尺度
    ①対人②コミュニケーション③こだわり④常同行動⑤困難性⑥過敏性

    知的能力にそぐわない社会生活力の乏しさに着目
    大学生の例
    ・ゴミ出しや洗濯ができない
    ・下着と一緒に歯ブラシを置く
    ・先輩と後輩のどちらに敬語を使うか分からない
    ・書留の出し方を知らない
    ・驚くような理由で診療や大学の試験を休む

    口調、受け答え、表情
    口調がペンダンティック、視線が合わない、会話が一方的、自分の気持ちを上手に表現できない、言葉どおらに受け取ってユーモアや冗談が通じない、医師の説明を十分に理解できない、空気が読めない、細部にこだわる、スケジュール管理ができない、段取りが悪い

    相手を困らせる行動をとるボーダー
    困らせるとわからずにやってしまうアス
    境界性パーソナリティー障がい、いわゆるボーダーと言われている人のなかに発達障がいはかなり多い。

    3〜4歳までの親子関係がきちんとしている人に境界性パーソナリティー障がいはほとんどいない。
    ストーリーがうまくつくれないのが発達障がい。境界性パーソナリティー障がいはストーリーが見える

    アスは言語表現が下手。的確な訴えができない。体内感覚が偏っているため、回答も適切でない。

    治すのではなく、困らないようにする

    発達障がいはアイテム診断に頼るとうまくいかない
    操作的な診断基準より「こだわり」という言葉でくくったほうがずっと本質をつかんでいる

    意識、知能、知覚、思考過程、思考内容、気分、意欲、その他の不安・強迫などの神経症。100-7で気質性疾患や身体疾患を見る。

    自閉症は刺激してその反応をみることが大切
    普通の人と目のつけどころが違うこともある

    横断面の症状をしっかり聞く。例えば、公園でいろいろな人がいろいろな状況にあるという絵を見せる。絵の一部分にしか反応しない人は自閉症の確率が高い。
    ADOSで対人認知の問題を浮き彫りにする。

    PFスタディ
    風景構成法
    SCT
    ロールシャッハテスト

    5W1Hで聞く
    第三者的メタ認知が苦手

    善悪よりも損得

    LD
    文科省
    読み書き計算プラス話す聞く推論する
    医学 読み書き計算
    2学年以上の遅れ

    読み書き計算に絞ったほうが良い
    なぜなら、話す聞く 推論する はアスにもあるから。

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