死を前にした人に あなたは何ができますか?

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  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260032087

作品紹介・あらすじ

看取りの現場では、答えることのできない問いを突き付けられる。「下の世話になるくらいなら、いっそ死にたい」「どうしてこんな目に合うの?」。そこでは説明も励ましも通用しない。私たちにできるのは、相手の話を聴き、支えを見つけること。言葉を反復し、次の言葉を待つこと。それは誠実に看取りと向き合ってきた在宅医がたどりついた、穏やかに看取るための方法。死を前にした人に、私たちにはできることがある!

感想・レビュー・書評

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  • 人は、苦しみを抱えながらも穏やかになることができる。
    そのために、周りにいる人たちができることが示されています。

    すっきりとして読みやすい、わかりやすい本でした。
    そうでありながら、支援者としても多くの、苦しい場面を経験してこられたことが伝わってくる内容の本でした。

    終末期の場面が多く描かれていますが、苦しみを抱えたすべての人に役立つ内容です。
    誰かの役に立ちたいと願っている人におすすめです。

  • 仕事柄、在宅での看取りにたずさわる。
    100人いたら100人性格が違うように、亡くなりかたも違うし家族の捉え方も違う。亡くなっていく過程の中でその人が自分らしく旅立てるように、自分は役立てているのかと無力感にさいなまれることが本当に多い。この本には援助的コミュニケーションから支えを強める問いかけ、援助者側の支えの必要性など、逃げずに向き合うための手法が書いてある。エンドオブライフケアについてさらに学びを深めていきたい。

  • 寄り添うって大切だけど、具体的にどうやるのか、言葉にすることは難しいと思う。事例と一緒に考えることができるけど、実際は、覚えたことをやるというよりやってみて、トライアンドエラーでより良いカタチにしていくのだろう。

  • こういう本があるんだな、と。今すぐになっちゃったら読めないよね。医療職、介護職は大変だと思う。

  • プロ向けだけど、介護している家族にも参考になる。

    理不尽な局面で苦しんでいる人の援助は難しい。

    良かれと思って手を差し伸べようとしても、手を払われたり、返り討ちにあったりすることもある。

    この本は、看取りに関わる看護師や介護士向けに、患者の苦しみや希望をいかにキャッチして支えていくかが書かれている。

    私が認知症の親の介護を通じて苦しみながら身につけたノウハウに共通するところがあって、私のノウハウも「それで良いんですよ。」と認めて頂けたように感じてほっとした。

    看護師や介護士には、プロなのだからと甘えてぶつかってくる患者も多いのだろう。どうしても役立てない無力さを感じたら、過去に関わった方から「それで良い」と認めて頂けた経験が自分自身の支えとなることを思い出すように、ということも書かれていた。

    この本を介護倒れしかけていた頃に読んだら、もっとましな介護ができて、親も私ももう少し心が安定していたかもしれないと思う。

  • それは誠実に看取りと向き合ってきた在宅医がたどりついた、穏やかに看取るための方法です。 死を前にした人に、私たちにはできることがあります‼️【目次】
    序章 苦しむ人への援助と5つの課題
    第1章 援助的コミュニケーション
    第2章 相手の苦しみをキャッチする
    第3章 相手の支えをキャッチする3つ:将来の夢、支えとなる関係、選ぶことができる自由。強める
    第4章 自らの支えを知る
    第5章 援助を言葉にする―事例で学ぶ援助の実際

  • 在宅看護を実施するにあたり、緩和ケアや在宅看取りの勉強として読んでみました。

    相手の苦しみを全て分かることはできないが、相手から分かってもらえる人と思われるようになればその相手の苦しみを少しでも和らげるということが分かりました。
    ただ、その苦しみを取り除くためには援助的コミュニケーションが欠かせないこと、相手の表情や言葉から苦しみをキャッチすることが大切ということも分かりました。
    さらに、援助する私たちにも支えがないと相手を支えることができないということに救われました。
    こうして人々は支え合って生きているのだなと…

    これからは小澤先生の講義を受け、さらに緩和ケアや看取りについてもっと深く学びたくなりました。

  • 人生の最終段階の苦しみには、答えられる(解決できる)ものも答えられない(解決できない)ものがある。
    解決できない苦しみを持っていたとしても、支えを強くすることで穏やかに過ごせるようにできる可能性はある。

    内容は、約3000名もの死と向き合ってきた著者だからこその考察であり、本を読んだだけで一朝一夕にできることではない。

    さらに学びを深めつつ、一つずつ実践と考察を重ね、誰もが幸せに暮らしましたとさ、と旅立てるようにしたい。

  • 490

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:492.9014||O
    資料ID: 51700383

    患者さんはそれぞれの人生を歩んでいます。
    臨床実習では多くの患者さんと向き合うことになると思います。
    経験を積んだ先生が書かれた本です。事例を示しながら、配慮すべき点のポイントが示されています。
    (臨床薬剤学研究室 岩﨑綾乃先生推薦 )
    死を前にした人とどのように向き合えばよいのかの示唆が得られるとともに、改めてケアの本質について考えさせられる本です。
    〈成人看護学(慢性)領域推薦〉2018年度推薦図書

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著者プロフィール

小澤竹俊
1963年東京生まれ。87年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
91年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。救命救急センター、農村医療に従事した後、94年より横浜甦生病院ホスピス病棟に務め、病棟長となる。
2006年めぐみ在宅クリニックを開院。これまでに3800人以上の患者さんを看取ってきた。
医療者や介護士の人材育成のために、2015年に一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立。一人でも多くの人が、生きてきてよかったと思える最期を迎えられるよう、力を尽くしている。著書『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』、『もしあと1年で人生が終わるとたら?』(アスコム)がベストセラーとなる。

「2022年 『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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