- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260036160
作品紹介・あらすじ
好評書『大人の発達障害ってそういうことだったのか』の続編企画。今回も一般精神科医と児童精神科医が、大人の発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD・)をテーマに忌憚のない意見をぶつけ合った。過剰診断や過少診断、安易な薬物投与、支援を巡る混乱など、疾患概念が浸透してきたからこそ浮き彫りになってきた新たな問題点についても深く斬り込んだ。
感想・レビュー・書評
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入院中に家族から暇つぶしに読んだら…とわたされた。
本著は2013年に発行された前著の続編だ。「発達障害」が世の中に認知されるとともに、「発達障害者支援法」も改正されるなど学校や会社、医療現場などで避けて通れない状況になっている。しかし、精神科医による診断の不一致など専門医による取扱い基準は一定せず治療もバラバラ、復職支援や就労支援もサービスの質が担保されないまま金儲けで参入してくる事業者も少なからず、またスクールカウンセラーや公認心理士による支援も海外ほど充実していない。それらの問題点を赤裸々に話すことにより現場への警鐘を鳴らしている。本著をわざわざ世に出すということはよっぽど現場が酷いことになっているのだろう。さらに第3巻も期待したくなる一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
対談形式なので読みやすい。なかなか講演とかでは聞けない本音まで触れられている。
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ADHDとASDはDSM5で同一疾患として分類されているが、臨床としては分けて考えた方が現実的な対応策を練りやすいこと、診断が社会的要請によって変化することなど、発達障害を"社会のなかで捉えていく”という視点で他に類をみない良書と思う。
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医局で先輩方の話を聞き耳立てて聞いているような感覚に浸れる書籍。対談形式なので読みやすい。
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N700
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前書から引き続いての対談。
より詳しく、より具体的でした。
「リアル REAL」が使いやすそう!と思いました。
reliable 信頼
empathic 障害特性を理解し、悩みを共感する
anticipatory 予想外のことはしない
logical 論理的に。感情的な対応や場当たり的な対応はしない -
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前著の発行から5年。前著も興味深く読ませていただいたが、5年の経過で発達障害を取り巻く環境も変わったことを印象付けられた。帯にもあるが、診断が過剰となっているのか、過少となっているのか、著者は「不適切診断」が増えていると喝破する。当たり前のことであるが、診断が社会に与える影響も考慮した上で行わなければ、精神科への信頼が揺らぐ。英米国では臨床心理士が診断も行い、治療にも関与しているが、日本では心理士が診断は行わないという問題もある。法律も変わり、色々な分野から、発達障害に関わる人たちが増えているが、それをコーディネートする人がおらず、かえって混乱している部分もあるとのこと。その上でも精神科医の役割が更に大きくなることが実感された。