ALS 不動の身体と息する機械

著者 :
  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260333771

作品紹介・あらすじ

ALS当事者の語りを渉猟し、「既に書かれていること」をまとめた本。人工呼吸器と人がいれば生きることができる、と言う本。だから感動の少ない本。しかし「生命倫理」という名の議論は、せめてここから始めるべきだとわかる本。

感想・レビュー・書評

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  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB00105002

  • 緩和ケアの先生から教えてもらった。「診断されたとき」「呼吸器つけたとき」等の患者さんの気持ちが羅列されている本。

  • ここからしか始まらない、始められない。

    「生きろ」と言うことが無責任だというのはその通りだ。(…)周囲の発言はどこかでは無責任でしかありえず、ならば、そんなことを言ってよいのだろうかと思いながら、言えばよいのではないか。責任はとれなくても言った方がよいのではないだろうか。そして言うとき、命令の言葉と、契約の言葉と、説明の言葉しかないのだろうか。そんなことはないはずだ。その人に対して呼びかけることはできる。(148)

    これまである規則や価値に乗ってやってきたのだが、考えてみるとそちらの方が間違っていたとなれば、それに乗りつづける必要はない。(…)その動機はなんであれ、乗り換えればよい。(409)

    どうせ暮らすのであれば質がよい方がよい。(…)そしてこの自明のことが気にされてこなかったとしたら、それには驚いてよい。ただ間違いは、質のわるい生よりも死の方がよいと言ったことである。よくない生・生活よりよいのは、よい生・生活である。(410)

    ごく素朴に、これが「人の話を聞く」ということだ、と思う。

  • 極めて当たり前なことを言った、だからこそ読むもののバイアスを見事に浮き彫りにする、素晴らしい本。

  • N049

  • [ 内容 ]
    ALS当事者の語りを渉猟し、「既に書かれていること」をまとめた本。
    人工呼吸器と人がいれば生きることができる、と言う本。
    だから感動の少ない本。
    しかし「生命倫理」という名の議論は、せめてここから始めるべきだとわかる本。

    [ 目次 ]
    間違い
    まだなおらないこと
    わかること
    わかることについて
    呼吸器のこと
    既にあったものの出現
    川口武久のこと
    その先を生きること
    死の位置の変容
    さらにその先を生きること

    [ POP ]


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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • まだ読んでません。ハードカバーの本を想像して本屋さんで探し続けてましたがソフトカバーです。コロコロコミックみたいな感じです。中身はもちろん字ばかりです。著者自身の紹介文によると、引用が全体の半分以上をしめているんだそうです。恐らく不可欠な引用なのだろうと思います。

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著者プロフィール

立岩 真也(たていわ・しんや):1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻。著書に『私的所有論 第2版』(生活書院)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』『造反有理――精神医療現代史へ』『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(以上、青土社)、『介助の仕事――街で暮らす/を支える』(筑摩書房)、『自由の平等』(岩波書店)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房)、『人間の条件――そんなものない』(新曜社)など。共著に『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』『税を直す』『差異と平等――障害とケア/有償と無償』『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』(以上、青土社)、『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(生活書院)ほか多数。

「2022年 『人命の特別を言わず/言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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