星野富弘 ことばの雫 (Forest books)

著者 :
  • いのちのことば社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784264026815

感想・レビュー・書評

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  • 生や愛、自然、喜び、幸せ…いろいろなことを考えさせられた。当たり前に日常を送っている上で「生かされている」という認識を得るのは難しいと思う
    。病気などが自分に起こることで、そういう認識や実感が生まれてきやすくなるのかもしれない。

    作者の創作に込める想いが伝わってきて感動した。
    一日に2時間ほどしか出しきれない体力、精神力を使って、作品を描きあげる。その情熱がすごいと思った。また書くことを一日一日楽しんでやっている姿勢にとても尊敬の念を覚える。

  • 「星野富弘 ことばの雫」(写真 星野昌子)、2008.7発行です。星野富弘・星野昌子夫妻の祈りと愛が込められた作品です。どんなに無理をしても一日二時間ぐらいしか筆はくわえられないそうです。そして筆につける絵の具は、指示を受けた昌子さんが何度も別の紙にぬり色を作るといったまことに気の長いやり方で描いているそうです。「下手な字と絵なのに、みんながすごくほめてくれて、うれしかったなあ。ますますやる気になってどんどん描いた。」
     1946年生まれ、学生時代は器械体操部(すごい!)。中学校の体育教師に。指導中、頚髄を損傷し、首から下の運動機能を失う。母の、結婚後は妻のサポートのもと、筆を口にくわえて、絵を描き、字を書く。星野富弘「ことばの雫」、写真・星野昌子、2008.7発行、再読。①その事故をきっかけに、腕が思い通りに動き、2本の脚で自由に歩けることがどんなにすごいことか気がついた。②畑も田んぼも山も一つの美術館で、村の人たちがつくる作物が村の人たちの作品だと思う。

  • 私の心に染みた星野さんの言葉
    まさしくザ・星野ワールドです。。


    幸せっていうのは、過ぎてから気づくことが多いようです。

    過去の苦しみが後になって楽しく思い出せるように、
    人の心には仕掛けがしてあるようです。

    人間に生き甲斐を与えてくれるのは、自分のためだけではなく、他人の幸福を祈れるようになることではないでしょうか。

    いのちというのは、自分だけのものじゃなくて、だれかの
    ために使えてこそ、ほんとうのいのちではないかと思いました。

    何か人の役に立てた時、いのちがいちばん躍動していると思うと同時に、自分自身の中にも感謝の気持ちが出てきます。

    病気とか怪我っていうものに、最初から「不幸」っていう肩書きはついてないんじゃないかと思うんですね。
    それをつけるのは、まず人々の先入観、それから、その人のそれまでの生き方の問題というか。

    幸せってなんだろう。
    喜びってなんだろう。
    ほんの少しだけれどわかったような気がした。
    それはどんな境遇の中にも、どんな悲惨な状態の中にも
    あるということが。

    苦しみによって苦しみから救われ、
    悲しみの穴をほじくっていたら
    喜びが出てきた。
    生きているって、おもしろいと思う。

    苦しい毎日だけれど、
    生きているって案外よいものだなと思いました。
    人間も弱く淋しい生き物だけれど、
    でも、どんなに弱くても、
    生きていてよいのだと思いました。
    生きなければいけないのだと知りました。

    もしかしたら、本当に美しいものは、
    自分の生命と引き換えにしなければ
    得られない程のものではないだろうか。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】914.6||H【資料ID】10802010

  • 詩と写真が美しい。
    一度読み終わり、もう一度読んでみたら、星野さんの言葉がグンと深く心にしみ込んできました。
    とても爽やかな読み心地でした。

    http://glorytogod.blog136.fc2.com/blog-entry-1112.html

    怪我をして全く動けないままに、将来のこと、過ぎた日のことを思い、悩んでいた時、ふと、激流に流されながら、元いた岸に泳ぎつこうともがいている自分の姿を見たような気がした。そして思った。
    「何もあそこに戻らなくてもいいんじゃないか……流されている私に、今できるいちばんよいことをすればいいんだ」 (P52)

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著者プロフィール

詩人・画家。群馬県勢多郡東村に生まれる。群馬大学教育学部体育科卒業。中学校の教諭になるがクラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失う。入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始める。1979年、前橋で最初の作品展を開く。1981年から雑誌や新聞に詩画作品や、エッセイの連載をはじめ、1982年、高崎で「花の詩画展」開催以後、全国各地で大きな感動を呼ぶ。1991年、村立富弘美術館開館。ニューヨーク(97年)、ホノルル(00年)、サンフランシスコ、ロサンジェルス(01年)、ワルシャワ国立博物館(04年)で「花の詩画展」を開催。05年、(新)富弘美術館新館開館。群馬県名誉県民。

「2019年 『女声合唱組曲 神様ありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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