いのちより大切なもの

  • いのちのことば社卸部 (2012年12月1日発売)
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感想 : 9
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784264030539

感想・レビュー・書評

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  •  今月中になんとか読んでレビューを作って、私なりに星野富弘さんを追悼したいと思い、手にしました。先月星野富弘さんが78歳で永眠されました。頚椎損傷による下半身不随のため、詩画はすべて口に筆を咥えて制作されていました。

     この詩画集が発売されたのが東日本大震災の翌年です。それ以前に、この本の表紙のオダマキを描いた『いのち』という作品…。

     『いのちが一番大切だと 思っていたころ
      生きるのが 苦しかった
      いのちより 大切なものが
      あると知った日
      生きているのが 嬉しかった』

     東日本大震災のあとは「いのちより大事なものは何ですか?」と質問されることがなくなり、“いのち”について思いを巡らせ、“いのちは与えられたもの”だから、しまい込まず良い味が出るまで思いっきり使い込んでいきたい…”というものでした。

     星野富弘さんの描かれる草花のみずみずしさと優しさ、添えられている言葉はどれも元気になるような、勇気づけてもらえるような作品ばかりで、本当に好きでした。が、与えられたいのちを全うされ、素敵な詩画を残してくれたことに感謝します。心から御冥福をお祈りします。 

    • かなさん
      チーニャさん、忙しくなると聞いてはいましたが、
      急な展開に驚いちゃいました…。
      チーニャさんのプロフィール読んで、
      どうしてもさみしい...
      チーニャさん、忙しくなると聞いてはいましたが、
      急な展開に驚いちゃいました…。
      チーニャさんのプロフィール読んで、
      どうしてもさみしい気持ちが募ります(涙)。
      ブクログはできなくとも、
      すき間時間で本を読むことはできるかもしれません。
      体調第一で、忙しい時期を乗り切って
      またブクログ再開できるようになったら
      戻ってきてくれたら嬉しいです。
      今まで、チーニャさんと交わしたコメントのやりとりも
      チーニャさんが紹介してくださった作品も
      大事にしていきたいと思ってます。
      2024/05/31
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、こんばんは〜!

      急に、驚かせてしまってごめんなさい…!

      かなさん、ブクログやり始めて、すぐから
      たくさんコメントのやり取りして...
      かなさん、こんばんは〜!

      急に、驚かせてしまってごめんなさい…!

      かなさん、ブクログやり始めて、すぐから
      たくさんコメントのやり取りしていただき
      楽しかったし、いろんな思い出あったりしてお世話になりました。
      もう、今めちゃくちゃ寂しくなってます
      ……(⸝⸝o̴̶̷᷄ ·̭ o̴̶̷̥᷅⸝⸝)❤︎

      …でもまた、忙しいの落ち着いたら戻りたいと思ってますので、その時はまた、よろしくお願いします♡

      このお返事も遅くなってしまってごめんなさい!
      ちょうどスマホをAndroidからiPhoneに機種変していろいろ初期設定などに手間取ってしまってたのですよね……(^_^;)

      コメント…すごく嬉しかったです〜♡
      本当にありがとうございました (❀ᴗ͈ˬᴗ͈)"
      遅い時間に、ごめんなさい!
      ではまた……♡
      2024/06/02
    • かなさん
      チーニャさん、こんにちは!
      お返事いただけるとは…忙しい思いを
      更にさせてしまって、ゴメンナサイm(_ _)m

      でも、ホントにね…...
      チーニャさん、こんにちは!
      お返事いただけるとは…忙しい思いを
      更にさせてしまって、ゴメンナサイm(_ _)m

      でも、ホントにね…私もブクログ初めて間もなく
      チーニャさんとの交流を始められて、
      いろんなことを話せて、楽しかったです♡
      バタフライビーとか…チーニャさんから教えてもらって
      カルディで買い求めたりもしたし( ^^) _旦~~

      チーニャさんがまた戻ってくるとお返事くれたので
      安心して、ブクログ続けながら待ってますね!!
      無理せずに、体調を崩さないようにしてくださいね(о´∀`о)

      はい、では、また…♡
      (お返事は不要ですよ、こちらこそありがとうございました!)
      2024/06/02
  • 父が好きで、子どもの頃の実家のカレンダーは結構な頻度で富弘さんのものだった気がする(そうじゃないときは相田みつをさん)。
    そんなこんなで、美術、絵画の方面にはからっきしな自分の割には、美術館にも行ったことがある(結婚前に嫁さんと二人で行ったはずなのだけれど、嫁さんはそんな気もするという程度。思い出とは儚いものですね)。

    ブグログのレビューで見かけ、すっごく懐かしくなり、図書館にあったので借りてきた。
    今年(2024年)4月に他界されたとのこと。ご冥福をお祈り致します。

    久々にじんわりとその世界に浸らせてもらいましたが、存じ上げなかったのは、入院中にキリスト教の洗礼を受けられていたということ。
    なるほど、あの含蓄ある言葉はその教えの影響も受けているのでしょうね。

    富弘さんの、口にくわえた筆で書いたとは到底信じられない程の滋味深い花の絵と、温かみのある筆跡で綴られる、人の世の真理を突く言葉の数々に目頭が熱くなる。

    様々な金品奉納、寄付、洗脳のようなマイナスイメージな話題が多くあるので、「宗教」というとどうしても何となくうさん臭い感じがしてしまうのですが、本来こういった人生と向き合うための言葉を生み出し、姿勢を正すためのものと思う。
    自分は無宗教かつ無知のため、それぞれの宗教の教義の差を認識できていないが、基本的には受容し、赦し、感謝する心を説くものなのではないのかと思っている。
    何を信じても良いと思うが、正しく広まれば世の争いごとはなくなると思うのだが、何故にうまくいかないものなのか。

    絵の作品集だけに留まらず、星野さんのエッセイもしたためられており、その考えがよく分かり良かった。
    本書の刊行年は2012年。
    東日本大震災直後、無力感に襲われしばらく何にも手につけられなくなってしまったそう。
    それでも、テレビのどこかの町の映像で、瓦礫の間で枝が折れて倒れそうになっている木の枝先に咲く花を見て「もう一度やってみよう」と思い直したそう。

    いのちが一番大切だと
    思っていたころ
    生きるのが
    苦しかった

    いのちより
    大切なものが
    あると知った日
    生きているのが
    嬉しかった

    この詩に込められた真意は「健康で長く生きることだけが価値ある人生なのだとしたら、生きるのは、あまりにも悲しくて苦しい連続ではないでしょうか。」とのこと。
    また、震災を受け、「津波が迫る中、(省略)「津波が来るぞ」と知らせて回っていた人。その人たちは皆、自分のいのちよりも大切なものに向かっていた人ではないかと思います。」との考えも示されている。
    自分のいのちを賭してでも、耐えきれそうにない苦しみに耐えてでも守りたい生き様、信条があってこその人生ということでしょう。

    絵を添えられた作品は収められてなかったが、自分が大好きなぺんぺん草の詩に対する背景も記されていて、また近く実家に帰らなきゃとも思う。

    神様がたった一度だけ
    この腕を動かして下さるとしたら
    母の肩をたたかせてもらおう
    風に揺れるぺんぺん草の
    実を見ていたら
    そんな日が本当に
    来るような気がした

    富弘美術館、また無性に行きたくなってきた。

    • ☆ベルガモット☆さん
      fukayanegiさん、こんにちは!
      美術に明るくて素敵なお父様との思い出に心が温まり、奥様とのエピソードはfukayanegiさんの奥...
      fukayanegiさん、こんにちは!
      美術に明るくて素敵なお父様との思い出に心が温まり、奥様とのエピソードはfukayanegiさんの奥様愛溢れる間柄を感じました♪
      言葉足らずですが詠ってみました。

      行ったはず結婚前に嫁さんと富弘美術館の想い出

      私も群馬在住の友人と美術館まで行った覚えがあります。また著書を読んでみようと思いました。熊本県内にも姉妹館があると最近知ったのでいつか行ってみたいなとも思ってます。
      2024/08/31
    • fukayanegiさん
      ベルガモットさん

      コメントありがとうございます!
      台風の影響、大丈夫だったようで良かったです。

      またしても歌まで詠んで頂きほんと光栄です...
      ベルガモットさん

      コメントありがとうございます!
      台風の影響、大丈夫だったようで良かったです。

      またしても歌まで詠んで頂きほんと光栄です!
      自分の感じた中年の片思いの寂しさ的なものが滲み出てます。
      嫁さんとは何しろ高校生の頃からの付き合いなので、お互い色々な思い出を忘れてきておりますw
      この話を機にまた行ってみようという話も出ているので、ひとつ復元できるといいなぁと思っています。

      ベルガモットさんも富弘美術館行ったことあるのですね!
      そうそう、熊本にもあるって自分もこの本で知りました。
      熊本はいっとき出張でよく行っていたのですが、馬刺しばかり食べてないで足を伸ばして見れば良かったなぁと反省です。
      2024/08/31
  •  星野富弘「いのちより大切なもの」、2012.12発行。絵がとてもきれいで素晴らしいです。字も味わい深いです。詩には心がこもっています。 ~暗いより明るい方を、遅いより速い方を、静けさよりにぎわいを、いつから片方ばかりを求めるようになってしまったのか、どちらも同じ 大切~

  • 絵も詩も素晴らしい。「冬があり夏があり 昼と夜があり 晴れた日と 雨の日があって ひとつの花が咲くように 悲しみも 苦しみもあって 私が私になってゆく」

  • 息子に薦められて読みました。自分自身、相当な疲労蓄積の今、どうすれば良いか、よくわかりました。
    「暗いより明るい方を
    遅いより速い方を
    静けさよりにぎわいを
    いつから片方ばかり
    求めるようになってしまったのか
    どちらも同じ大切」
    これが真実です。
    みんな効率の良さばかり求めますが、どちらもあっていいと思います。

  • 2017年7月9日に紹介されました!

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著者プロフィール

詩人・画家。群馬県勢多郡東村に生まれる。群馬大学教育学部体育科卒業。中学校の教諭になるがクラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失う。入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始める。1979年、前橋で最初の作品展を開く。1981年から雑誌や新聞に詩画作品や、エッセイの連載をはじめ、1982年、高崎で「花の詩画展」開催以後、全国各地で大きな感動を呼ぶ。1991年、村立富弘美術館開館。ニューヨーク(97年)、ホノルル(00年)、サンフランシスコ、ロサンジェルス(01年)、ワルシャワ国立博物館(04年)で「花の詩画展」を開催。05年、(新)富弘美術館新館開館。群馬県名誉県民。

「2019年 『女声合唱組曲 神様ありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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