ふしぎなかぎばあさん (フォア文庫)

著者 :
  • 岩崎書店
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本棚登録 : 103
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265010028

感想・レビュー・書評

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  • 昔読んだ絵本や児童書についてよくお話をする友人から、クリスマスに頂いた本。
    児童文学だけど、大人が読んでも面白かった。
    かぎばあさんシリーズは私が小学生のときに読んでいた本の代表格なのだけど、かぎばあさんのキャラクターってこんな感じだったんだ!(意外と、ちょっと意地悪っぽいところがある…笑)と思ったり、遠い過去に読んだ本を再読してみて、気づく点も多くあった。

    「ふしぎな道のり」「手紙になったリンゴ」「ふしぎなかぎばあさん」という3つの短編。
    全てに共通しているのは、ちょっとファンタジックというか、ちょっと現実離れした不思議さがあるというか。
    でも、魔法とかまではいかない不思議さだから、自分の身にももしかしたら起こるかも?と思える感じがあって、そういうところが子どもにほんの少しの夢を与えるのだろうと思った。

    「手紙になったリンゴ」は、青森で生まれたリンゴのドラマチックな旅。
    東京に出稼ぎに行っている父を持つ少女の小さな仕掛けが、大きなドラマを生む。
    わらしべ長者とか、前にもらった絵本で「ぶどう酒びんのふしぎな旅」という作品があるのだけど、それらとも共通するような印象。
    子どもの頃、瓶に手紙を入れて海や川に流してみたり、風船に手紙をつけて飛ばしてみたりしたことがあったけれど、それらはどこに行き着くんだろう?と想像するのが楽しかった。そういうわくわくするような気持ちと、リンゴ頑張れ!という気持ちと、少しの切なさが含まれた素敵な物語。

    そしてかぎばあさんは、たぶん子どもの頃、かぎをもしも失くしたらかぎばあさんが来てくれるかな?と考えていた気がする。
    ちょっと怖い気もするけど、会ってみたい気もする。そういう存在として。
    かぎばあさんは一体何者なのか?シリーズを読み進めていくと分かるのかな。

    児童文学侮れない、と思った。普通に読み物として、大人でも楽しめる。
    今の子どもにもぜひ読んで欲しい本。

  • 家のカギをなくした小学生とちょっと不思議なおばあさん、二人で過ごす雪の日のお話し。
    誰もが持っていた「こうなったらいいな」の気持ちをゆり起こす秀作。
    同時収録の『手紙になったリンゴ』も必読です。

  • 30年以上前に読んだ本。
    りんごに書いた、ちこの字体が懐かしくて感動!
    必死に働く親世代、お留守番をする小さな子どもたち。その両方に向けられた、著者のエールのような物語。無力で健気な子ども時代を、改めてそっとなぐさめてくれる良書だと思います。

  • 小4に誰もいない教室で読んだよ…
    やっぱこういう文庫はいいですね
    子供のころに読む児童本は
    わくわくでいっぱいにしてくれますね

  • ブクログの談話室でこの本を見つけ、すごく懐かしくなったので、20年ぶりぐらいに読んだ。

    今読んでも面白く、かぎばあさんの魅力は絶大。

    ほっぺが垂れていて、小太りで、黒いコートを着て、白い長靴を履いている絵を見ただけで、子どものときのワクワク感がよみがえる。
    白い長靴が似合うのは、魚屋さんかかぎばあさんぐらいだ。笑

    特に、かぎばあさんが料理を作ってくれるシーンが好き。
    「ポークソテー」という言葉を初めて知って、すごくおしゃれだなと思ったのを覚えている。

    子どもができたら絶対読ませたい。

  • 小さい頃かぎばあさんに本当に会いたくてたまらなかった。

  • この本は、大きく分けて3つのお話しが入っている本です。どのお話しも、不思議なことがあってワクワクドキドキします。
    『ふしぎな道のり』という話しでふしぎに思ったところは、正ちゃんとタケシが自転車で野崎みさきを目指して遠乗りをしたはずなのに夢だったのか、現実だったのか分からなくなったというところです。
    『手紙になったリンゴ』という話しの感想は、最後手紙としては役目を終えられなかったけど、チコちゃんの気持ちは伝えられたからリンゴは、根性のあるリンゴだと思いました。
    『ふしぎなかぎばあさん』という話しでふしぎに思ったところは、かぎばあさんが持っている何百もあるかぎの中から広一(こういち)の家の物を一発で当てたところです。

  • かぎばあさんのすることがたしかにふしぎだった。だから、おはなしをすることが上手だった。そのところが、よかった。

  • (2010-05-06)

  • 小学生の頃、私はかぎっ子ではなかったけれど、このかぎばあさんシリーズが大好きでした。大人になって、久々に読み返してみたけれど、今読んでもやっぱり面白い。心にじんわりしみいる作品です。[2005.10.1]

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著者プロフィール

著者/手島悠介(てしまゆうすけ)
1935年、台湾市高雄市に生まれる。戦争末期、台湾各地を転々と疎開し、10歳のとき引き揚げる。学習院大学文学部哲学科中退。雑誌のライターを経て、児童文学を執筆する。主な作品に『かべにきえる少年』『がんばれ! 盲導犬サーブ』『天国へいったサーブ』『日本のみなさんやさしさをありがとう』(以上、講談社)『大地震が学校をおそった』『裁判とふしぎなねこ』(以上、学研)、「かぎばあさん」シリーズ(岩崎書店)などがある。

「2016年 『星になった子ねずみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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