ジキル博士とハイド氏 (フォア文庫)

  • 岩崎書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265010776

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  • 悪と善の完全な分離は不可能なのか。ジキル博士は普通の人間よろしく善悪の両面を兼ね備えていた。ただ、その両端への振れ幅が人より激しかったこと、そして善の面が悪を凌駕、抑制していたため、悪の発奮欲が常人より強かったことは特筆すべき点だろう。しかしこれは特異なことでも何でもなく、至って平々凡々な一般人の葛藤となんら相違ない。ジキル博士の特異な点は、それを分離できる術と知識を備えていたことであろう。そうして悪への憧憬もあいまって、ハイドへと変身したジキル博士だが、完全で純粋な悪であるハイドにも、ジキル博士、つまり善悪半々の人格へ戻ろうとするだけの分別があった。これは、完全なる悪が考えることとしては違和感がある。ハイド氏の身長が表すように、少しずつ増幅しつつあった悪の部分だが、最後の最後までそれに徹しきることができなかったという点で、この作品は正義の多面性をも描写しているように感じた。完全なる悪も、善も、この世には存在しないということ。ジキルとハイドの自殺という形での消滅がそれを暗示している。

  • 読みやすく訳してあるので、小学生でも読めるが、内容は重い。人物の紳士的側面と、その裏に隠れる悪性が非常に面白い。愛読書。

  • 再読
    児童書だけど、今読んでも充分面白い。
    挿絵が版画なんだけど、これがまた不気味で超怖い。
    他のジキルハイドを読んだことは無いけど、
    多分これが一番だと勝手に思ってる

  • すごく衝撃的で、ぞくぞくした。
    インパクトがすごくあった印象に残る本。

  • 「ジキル博士とハイド氏」は二重人格の代名詞のように語られるが、
    私の受け止め方では二重人格ではない。
    薬によって姿を変えたジキル博士の一番悪いところを煎じ詰めたような人格、ハイド氏の行動をジキル博士は楽しんでいた。

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