- Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265043637
感想・レビュー・書評
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『色には季節がある』、という言葉で始まる大西暢雄さんによる写真集。
被写体は、新潟県十日町市に住む染織家・岩田重信さんの手仕事だ。
色には季節があるというのが、岩田さんの言葉。
??と思わずページをめくる手が止まるひと言だ。
「季節には色がある」という分には何の違和感もない。
無駄のない大西さんの文体と、岩田さんの仕事ぶりを実に自然に写し取る画像とで、この言葉の意味を探っていく。
『自分の育った町の植物で染めたい。十日町の色を出したい』
という思いで植物を採集し煮出して染色液を作る。
どれもがその季節だけの植物から出た色であり、すべての色は季節そのものなのだ。
う~ん、こんな見方はしたこともなかった。
複雑にして素朴な草木染の魅力は、それはそれは手間暇かけて完成に近づいていくもの。
春の色は春、夏の色は夏にしか染められない。
まさに、「衣・食・住」と同じで季節の流れに沿った当たり前の暮らしが、とても尊いものに見えてくる。
かつては、誰もがそんな暮らしをしていたはずなのに。
子どもたちにもぜひ見せたい一冊だ。
分からずとも、何かを感じ取ってくれることを願って。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6分くらい。
「色には季節がある」
染色家岩田重信さんを取材。 -
「新潟県十日町市の草木染の染織家のくらしを追った写真絵本。近所で集めた変哲もない草木から、その土地のその季節にしか染められない色が生まれる。それぞれの地域が深い雪に備え、春から秋に色を保存し、分業でつながっていきます。手間ひまのかかる作業の向こうに、昔はどの家でも手作りするしかなかった「布」を作る技術・文化を伝えます。」
「カレーやブドウの汁を服にこぼしてしまい、洗ってもなかなか色がとれなかったことはありませんか。カレーの黄色はウコンという植物の色です。このように私たちの周りにある植物には色を出すものがあり、員とや布を染める事に使われてるのです。 -
大西さんの本をー冊ずつ読んでいくんだ。自然と一体化するって四季を常に感じていないとできないことだ。感覚を研ぎ澄まして。天井に吊された察数の糸束に見とれた。
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1-1 2016/02/03
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「職業紹介」に。 -
自然から貰った奥ゆかしい色の美しさ。
これからも大切に続いてほしい手仕事。 -
再読記録に。
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その土地の植物を採集して
その土地にしかない色で染め上げる
科学的な説明はなくて
たんたんと染色の過程の写真が続く
寒い時期の立ち上る湯気が印象的 -
新潟県十日町市の染色家の紹介。
一年を通じての染色作業の様子が描かれている。
写真絵本なので、非常に分かりやすい。 -
興味深く読みました。
写真がいい。
新潟県十日町市の染織家の暮らしを追う。
かいこのまゆから紡いだ糸を染める仕事、
十日町の色を出したいから、十日町で育った植物を使って。
その土地にあった季節の流れに沿った暮らしは、
素朴で知恵のある暮らしだ。
東日本大震災で被災されていませんように。