- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265057887
感想・レビュー・書評
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戦後日本、満州から日本に命からがら引き上げて来た人たち。赤ちゃんの泣き声がうるさいとロシア人に殺されるので母親自らの手で赤ちゃんの口を押さえる。戦後の混乱を生き抜いて来た人たちが、こうして平和な世の中で勉強する喜びをみると泣けてくる。自分の人生を呪うのではなく、やり直して輝かせるのが素敵。
和真も昼間の学校で傷つき、そこから動かないのではなくきちんと夜間中学で先生や多様性のある同級生に出会えて、少しでも辛さが癒され社会に出ていけるよう願う。
私も教員免許持ってるけど、こういうところで活かせればいいなぁ。 -
家の事情で学校に行けなかったおばあちゃんが通い始めた夜間中学。学生達はみんな何かを抱えているけど、勉強ができる喜びで心満たされている。彼らは決して惨めじゃないし不幸じゃない。
息子や孫の名前を漢字で書けた時、自分の名前に込められた親の思いを知った時おばあちゃんは涙を流す。そんな事が嬉しくて幸せを感じるおばあちゃんが愛おしくてたまらない。
おばあちゃんの「戦争でじゃなくて、栄養失調で死んだ子どもの方が多かったかもしれない…」の言葉が頭から離れない。
戦争の生々しさと戦争を知らない孫の優菜のバランスがよくて児童書としてすごくいい本だと思った。 -
「夜間中学」を現役中学生の視点で描く。
心があったかくなる青春小説。
夜間中学っていいなあ、と思える本。
作者は元小中学校の教員だそうです。 -
しらない、きめつけだけでは世界が広がらない。
言葉だけでなく、本当の多様性は体験を通して身についていくものなのかもしれない。 -
もう、読み始めからずっと、泣きながら読みました。
おばあちゃんの気持ちや戦争中のことを思うと…
日本語学習が必要な児童生徒の人数が日本一の愛知県。こういうテーマで書いてくれるのは、山本悦子さんが愛知県在住だということもあるのかな、と思います。
学ぶのに遅すぎることはない。
この本を読んで、いやいやでなく、学べる状況にあることに感謝して、自ら進んで学ぼうと思える子が増えるといいなあと思います。 -
都市部の夜間中学は、外国人がいて日本語学校の役割もしているとわかる。地方都市で自主夜間中学にかかわっているが、確かに生徒の学ぼうという意欲には敬服する。その意欲にこたえ、何か来ただけの知恵のお土産を持たせねばと考えて、昼間の生徒には申し訳ないが、教材研究に時間をかけてしまう。夜間中学の実態を買いかぶりもせずよくとらえて、孫の視点から書いている。