夜間中学へようこそ (物語の王国 2-8)

著者 :
  • 岩崎書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265057887

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  • 山本悦子のひとりごと 夜間中学へようこそ・感想
    http://honinu.blog.fc2.com/blog-entry-1136.html

    夜間中学へようこそ - 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。
    https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b222078.html

  • 戦後日本、満州から日本に命からがら引き上げて来た人たち。赤ちゃんの泣き声がうるさいとロシア人に殺されるので母親自らの手で赤ちゃんの口を押さえる。戦後の混乱を生き抜いて来た人たちが、こうして平和な世の中で勉強する喜びをみると泣けてくる。自分の人生を呪うのではなく、やり直して輝かせるのが素敵。
    和真も昼間の学校で傷つき、そこから動かないのではなくきちんと夜間中学で先生や多様性のある同級生に出会えて、少しでも辛さが癒され社会に出ていけるよう願う。
    私も教員免許持ってるけど、こういうところで活かせればいいなぁ。

  • 中学校の入学式を待つ優菜と彼女の両親は、同じ4月に祖母が夜間中学に入学することを聞いて驚いた。積極的に賛成する優菜と母に対し、父親は戸惑いを隠せない様子。祖母は嬉々として通い始めるが、間もなくケガをして付き添いなしでは通えなくなってしまう。落胆する祖母のために、優菜は自分が送り迎え担当を申し出るが、結局祖母と一緒に夜間学校へ通うことになるのだった。

    夜間学校へ祖母とともに通ううちに垣間見る世界と、それによって人の心を慮ることを知った少女の成長を描く。

    夜間学校の生徒たちがあまりにもフレンドリーでいい人で、本当かな?と思わせる部分はあります(本当なら、夜間学校のほうに通いたい生徒が多いかも知れませんね)が、いろんな人たちがいろんな人生を歩む中で勉強しているというところは、漫然と進学し勉強を強いられている子どもたちには新鮮でしょう。

    日本の今の基礎を作った人たちのご苦労や、在日外国人さんたちの奮闘も描かれていて、視野を広げる本になると思います。

  • 家の事情で学校に行けなかったおばあちゃんが通い始めた夜間中学。学生達はみんな何かを抱えているけど、勉強ができる喜びで心満たされている。彼らは決して惨めじゃないし不幸じゃない。

    息子や孫の名前を漢字で書けた時、自分の名前に込められた親の思いを知った時おばあちゃんは涙を流す。そんな事が嬉しくて幸せを感じるおばあちゃんが愛おしくてたまらない。

    おばあちゃんの「戦争でじゃなくて、栄養失調で死んだ子どもの方が多かったかもしれない…」の言葉が頭から離れない。
    戦争の生々しさと戦争を知らない孫の優菜のバランスがよくて児童書としてすごくいい本だと思った。

  • 何歳からでも勉強はできる。やり直せる。
    勉強って人に言われてやるよりも、自分で意義を見出したときに初めて、深く理解できるし面白いものになるんだろうな。
    おばあちゃんの勇気とやる気に、こっちが刺激を受けた。
    昼間の中学と夜間中学を同時に経験した優菜には、勉強できる環境があるありがたさがわかったと思う。
    孫の名前の漢字を書くことができて喜ぶおばあちゃんに、じーんとした。

  • 「夜間中学」を現役中学生の視点で描く。
    心があったかくなる青春小説。
    夜間中学っていいなあ、と思える本。
    作者は元小中学校の教員だそうです。

  • 勉強できるって幸せなんだなと改めて実感。

    何歳から勉強、学校言っても恥ずかしくない

  • しらない、きめつけだけでは世界が広がらない。
    言葉だけでなく、本当の多様性は体験を通して身についていくものなのかもしれない。

  • もう、読み始めからずっと、泣きながら読みました。

    おばあちゃんの気持ちや戦争中のことを思うと…

    日本語学習が必要な児童生徒の人数が日本一の愛知県。こういうテーマで書いてくれるのは、山本悦子さんが愛知県在住だということもあるのかな、と思います。

    学ぶのに遅すぎることはない。
    この本を読んで、いやいやでなく、学べる状況にあることに感謝して、自ら進んで学ぼうと思える子が増えるといいなあと思います。

  • 都市部の夜間中学は、外国人がいて日本語学校の役割もしているとわかる。地方都市で自主夜間中学にかかわっているが、確かに生徒の学ぼうという意欲には敬服する。その意欲にこたえ、何か来ただけの知恵のお土産を持たせねばと考えて、昼間の生徒には申し訳ないが、教材研究に時間をかけてしまう。夜間中学の実態を買いかぶりもせずよくとらえて、孫の視点から書いている。

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著者プロフィール

山本悦子(やまもとえつこ)愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『先生、しゅくだいわすれました』『先生、感想文、書けません!』『がっこうかっぱのおひっこし』(共に童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『はっぴょう会への道』(PHP研究所)『神様のパッチワーク』(ポプラ社)など多数ある。日本児童文学者協会会員。

「2023年 『がっこうかっぱの生まれた日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本悦子の作品

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