ありがとう、フォルカーせんせい (海外秀作絵本 6)

  • 岩崎書店
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265068067

作品紹介・あらすじ

本をよむことを、とってもたのしみにしていたトリシャ。でも、トリシャにとって、字もすうじも、くねくねしたかたちにしかみえません。クラスのともだちが、よめないことをわらうので、トリシャのくるしみはますばかり。5ねんせいになったとき、あたらしいせんせいがきました。せんせいは、トリシャの絵がすばらしいのにきづきました。そして、トリシャのひみつ-字がよめないことをしったとき、せんせいは、とくべつなれんしゅうをはじめたのです…。作者の自伝的なおはなしです。

感想・レビュー・書評

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  • 学習障害の子が理解ある先生に出会って人生が変わったお話。実話かな?
    先生に出会うまでの自己肯定感の低さといったら、側に行って寄り添ってあげたいくらいで。
    子どもの頃に出会う先生ってやっぱり大きな影響を与えるよなと改めて思った。

  • 作者自身の話。
    LDで、読み書きが難しい。
    5年生になった時、フォルカー先生に出会う。
    先生は個性を認め、工夫してその個性にあった指導をしてくれる。
    先生の言葉、「君は自分をだめな子だと思っているんだね?可哀想に。ひとりぼっちで悩んでいたなんて」
    「君は必ず読めるようになる。約束するよ」に、どれほど安心したことだろうか。
    こんな心強い味方がいるなんて!
    フォルカー先生のような人に出会えて良かった。
    子どもの困難なことに寄り添える人間でありたいと思った。
    動きのある絵も良かった。

    (その他)
    読み書きで困っているのは、学校に通う子どもだけではない。
    家庭や職場など、私達の周りにもいると思う。
    このような本をきっかけに、理解が深まればいいなと思った。

  • 『ありがとう、フォルカーせんせい』【今日の絵本だより 第172回】 | kodomoe(コドモエ)—「親子時間」を楽しむ子育て情報が満載!(2020年11月25日)
    https://kodomoe.net/serial/ehon_dayori/38105/

    Patricia Polacco | Official Publisher Page | Simon & Schuster
    https://www.simonandschuster.com/authors/Patricia-Polacco/707080

    ありがとう、フォルカーせんせい - 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。
    https://www.iwasakishoten.co.jp/smp/book/b191973.html

  • 高学年向けの読み聞かせに、よく選ばれる本。
    いわゆる「学習障害」の子の自伝である。
    絵は得意なのに文字が全く読めずに劣等感の固まりだった主人公・トリシャ。
    同級生の中には、執拗にからかい、苛める男子もいる。
    しかし、新しい担任がフォルカー先生になってから、トリシャの学校生活は一変する。
    子どもの記憶で描写しているので分かりにくいが、おそらくは視覚に訴える方法で教えたのではないかな。
    この本の挿絵まで、LDだったトリシャのものによると後で分かると、もう一度眺めずにいられない。
    リアルで、とても生き生きとした豊かな色彩の絵だ。
    出会うひとによって運命が変わるのは、特に子ども時代に顕著だ。
    最近ようやく認知度が高まりつつあるLDだが、さまざまな方向性があって理解されにくい。
    この作品で、勇気を持ってくれる子ども、あるいは大人がひとりでも増えてくれますように。

    • jyunko6822さん
      nejidonさん、ぼたもちマークのjyunko6822です。
      「一年一組せんせいあのね」にコメント、ありがとうございました。そちらにも返...
      nejidonさん、ぼたもちマークのjyunko6822です。
      「一年一組せんせいあのね」にコメント、ありがとうございました。そちらにも返信いたしました。

      私も今日おはなし会で『先生の本』をテーマに絵本紹介をしました。ちょうど前のプログラム、「びゅんびゅんごまをつくろう」だったので、「びゅんびゅんごまがまわったら」を紹介したのですが、みんな手にしたびゅんびゅんゴマの方に気が散ってしまって、あえなく紹介は失敗。反省点です。
      nejidonさんも読み聞かせなどされていらっしゃるそうでレビューなど参考にさせていただいてますm(__)m
      私もこの、「フォルカー先生」も大好きです。

      「一年一組せんせいあのね」は読み込むだけ読み込んで、本紹介には使いませんでした。

      今日もおはなし会に小学校の先生、いらっしゃいましたが、本当は大人にこそ読んでいただきたい本ですね。
      2013/07/13
    • nejidonさん
      jyunko6822さん、ようこそいらっしゃいました!
      お気に入りに入れてくださってありがとうございます!

      『先生の本』をテーマにするとい...
      jyunko6822さん、ようこそいらっしゃいました!
      お気に入りに入れてくださってありがとうございます!

      『先生の本』をテーマにするというのが、面白い視点ですね。
      「びゅんびゅんごま」のお話しは人気がありますが、子供たちがすでに手に持った状態では難しかったことでしょう。
      まして子供たちはつられますからね。お察しします・・

      『フォルカー先生』が書かれた頃は、まだLDに対する先生方の認識も理解もほとんどなかったと思うので、その分よけいに感動しますね。
      今は先生方が全体でLDについて研修すると言います。
      しかしそれがより良い指導法に結びついているかどうかは謎です。
      そこから先は、教師個人の裁量ですものね。
      ひと口にLDと言っても子供によって現れ方は違うし、まことに難しいことだろうと思います。
      それに、教師の中にもLDは存在するようですしね。

      「一年一組せんせいあのね」のレビューを読ませていただき、久々に再読したくなりました。
      お話し会では、絵本の読み聞かせの間に、好きな詩をひとつ挟むという進め方もありかなと思います。
      今度チャレンジしてみますね。その前に再読です!
      2013/07/14
  • これ知らなかった........ !
    アメリカの絵本らしい絵本
    初等教育の母語(英語)学習においても、いわゆる検定教科書というものがなく 州なり学区なりのガイドラインに沿って 各担任が 教材をそろえる。
    絵本やeazy reading本は 重要なアイテムで 日本の国語教科書の一単元ごとをふんだんな絵・写真・挿絵とともに一冊づつに分けられていると捉えることもできよう。

    さて この作品は 学習障害のひとつである文字認識が困難な子供についてのお話。字が読めなくてずーっといじめられていた子が 良い先生に出会い 字が読めるようになる。
    その過程を 平易な文で綴ってある。

    1944年ミシガン生まれの作家の経験談であり 1998年に出版され 日本語版は 2001年。
    https://books.google.co.jp/books?vid=ISBN0399231668&redir_esc=y

    ディスクレシアは早期発見と適切なサポートによって大きく改善することができる、ということを 少人数学級で そういうお子さんと一緒に学習する機会を持った子供は 一般知識として体得している。
    「○○ちゃんは 歌やダンスがすごく上手なんだけれど 字を読むのは苦手だから 先生と一緒に@@@@@(※8ページほどの幼児向け絵本)を勉強しているんだよ」と 子供が言い出したときには目から鱗だった。
    なぜ 教科書がないの? 毎週 先生の本棚から別の本を持って帰ってそれが教材になるの?? という疑問が氷解し 学校リソースの真の豊かさに感謝した瞬間であった。

    ディスクレシアは改善できるという知識があれば 大人になったときに、身近な子供が 学習障害を抱えている場合に 早い発見へのきっかけになるし 不必要な感情を抱かずに済む。

    ただ そのような環境整備に資金を投入することができる集団は残念ながら多くはないのだろう。
    それだけ こういう作品の存在価値は大きい。


    オリジナルの 読み聞かせ動画 
    日本語版は かなり かいつまんで構成してあるようですね
    https://www.youtube.com/watch?v=abN2aP_Dzd0

  • 〝本を読むことを、とっても楽しみにしていたトリシャ。でも、トリシャにとって、字も数字も、くねくねした形にしか見えません。クラスのみんなが、読めないことを笑うので、トリシャの苦しみは増すばかり...5年生になった時、新しい先生がきました。先生は、トリシャの絵が素晴らしいのに気づきました。そして、トリシャが字を読めないことを知った先生は、特別な練習を始めたのでした…〟LD(学習障害)児の心の叫びと感動の出会いを描いた、絵本作家<パトリシア・ポラッコ>の自伝的なお話し絵本です。

  • 苦手を克服したい。
    そんな時、どうしたらいいと思いますか?
    私は、良い先生に出逢うことができるかだと思います。

    これは文字の読み書きが苦手な子が、克服した本当のお話。
    人一倍辛い思いをしても、乗り越えれば誰よりもそれを好きになれるのだと思います。

    自分自身、人に教える立場であるため、
    先生とは、人の人生を変える存在であることを忘れないようにしようと思いました。

  • 4.質の高い教育をみんなに

  • 背が高くておしゃれなフォルカー先生。得意なことはうんと褒めて、苦手なことは、子どもと一緒になってとことん向き合うー。そういう大人になりたい。2019.4.1 元号発表の日

  • 読み書きだけ苦手な子どもがクラスメイトからバカにされていた所から絵本は始まりました。

    フォルカー先生は主人公のいいところを見抜き、読み書きのコツも的確に指導することで、主人公は自信を取り戻して行く様子が絵本で描かれていました。

    知り合いから勧められて読みましたが、大人なのに最後は涙ぐんでしまいました。

    良き先生に出会うことで努力が報われて行き、人生が変わった主人公を見るにつけ、その子にあった適切な教育、子育ての大切さを改めて思い知らされました。

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著者プロフィール

Patoricia Polacco(パトリシア・ポラッコ)
作家、イラストレーターとして活躍し、日常の問題をテーマにした作品を多く手がけ、これまでに45冊もの児童書を出版している。 全国の学校を訪問して講演活動も行っている。本書『ふたりママの家で』は、講演活動を通じて、レズビアンマザーの親を持つ何人もの子供たちと出会い、こういった伝統的な形ではないかもしれないが素晴らしい家族を持つ子供たちのために、さまざまな家族の形を讃える本を書く必要を感じて誕生した。日本で翻訳出版されている絵本には『ありがとう、フォルカーせんせい』(岩崎書店)、『彼の手は語りつぐ』(あすなろ書房)などがある。

「2018年 『ふたりママの家で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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