なきすぎてはいけない (えほんのぼうけん3) (えほんのぼうけん 3)

著者 :
  • 岩崎書店
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265070237

作品紹介・あらすじ

人はだれでもいつかは亡くなります。おじいちゃん子だった孫にとって祖父の死は最初の試練かもしれません。愛しい孫へ、勇気づけ希望になるメッセージを残したい。そんな思いが全篇からにじみ出てきます。

感想・レビュー・書評

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  • ないてもいい
    さびしいのだもの


    でも なきすぎてはいけない
    わたしがすきな おまえは
    わらっていた おまえだから


    わすれていい わたしのことは
    わすれたくても わすれられないのだから

    でも ときは わすれさせてくれる
    それは やさしい いのちのしくみ


    なくなったものは だれも
    いきているもののしあわせをいのっている
    ただそれだけを


    内田麟太郎・作
    たかすかずみ・絵

    優しい、温かく、思いやりのこもった、絵と文章です。なくなったひとから、こんな言葉をもらったら、泣いてしまうでしょう。前へ進む一歩になる、素敵な絵本です。



    なきすぎては いけない



  • おじいちゃんから孫へ送るメッセージ。
    亡くなったことを知らない孫へ。
    知れば泣くだろうと…
    だけど弱虫は好きだ。人の悲しみを思いやれるから。

    泣いてもいい でも泣きすぎてはいけない

    わたしがすきだったのは
    わらっている おまえだったのだから

    最後の言葉が心に沁みる

  • 大切な大好きな人が亡くなった時に、またこの本を読み返したい。

  • これも内田麟太郎さんの本。
    うちでは長男がおじいちゃんにだいぶかわいがってもらっているので、おじいちゃんが登場する絵本がないかなぁと探していて、出会いました。よくある絵本はおじいちゃんはしわしわでヨボヨボに描かれている(笑)。でも元気でひょうきんだったりする。
    この本ではおじいちゃんは顔ははっきりとせず、心象風景的に描かれているが、少年にいろんなことを教えくれ、一緒にたくさんの経験をする頼もしいおじいちゃん。
    でも最後死んじゃうので、あんまり子ども向けの本ではないかも。おじいちゃんから、たくさんのことを受け継いでいくという素敵な物語です。

  • 亡くなってしまったおじいちゃんが孫である男の子に語りかける形の絵本。
    泣いてもいいけど泣きすぎてはいけない・・・なんて優しくて悲しいメッセージなんでしょう。

    >なくなったものは だれも
     いきているものの しあわせをいのっている
     ただそれだけを

    人は亡くなってもきっと私達を見守っていると思わせてくれる言葉にじんわり温かい気持ちになりました。

    人はいつか死んでしまう、それは誰も逃れられないけれど・・・
    だからこそ今生きている私達は命を大切にして日々暮らしていかなくてはいけないですね。
    淡い色合いの絵もとても美しくて素敵でした。

  • 自分も5歳で親父を亡くしているので
    親父もこういう気持ちだったのかなって胸にくるものがあったし、

    その頃の自分に
    読ませてやりたいと思いました。



    物語の中、
    おじいちゃんが孫である男の子に言う、

    「おじいちゃんのために、泣いてもいいけれど、
    泣きすぎてはいけない。
    おじいちゃんの好きなのは、お前の笑った顔だから」
    には
    切なさで胸がいっぱいになります(≧∇≦)

    泣くことを否定するのではなく、
    泣き過ぎてはいけないというニュアンスが大事だし、
    素晴らしいです。


    命はやがて死に絶えるけど、
    命のバトンは
    若い世代にまた
    受け継がれていく。


    人は
    亡き人をふと思いだす。

    青い空に
    遠い雲に
    風に
    街角に。


    そんな日を重ねて
    人は大人になっていく。


    親しい人を亡くして
    戸惑っている人もいるだろうけど、
    必ず時間が解決してくれます。


    だから生き続ける。

    そうすれば
    亡くなった人の
    笑顔を見る時が必ず来る。


    哀しみにも
    終わりはあるんです。


    祖父に限らず
    亡くなった人からのメッセージとして読めば、
    子供も大人も
    悲しみを乗り越え、

    前へ進む勇気となったり、
    後押しとなるんじゃないかな。


    たかす かずみさんによる
    夢を見ているかのような
    やわらかであたたかい絵にも
    癒やされます。


    死を扱いながらも
    悲しみではなく
    あたたかな希望をくれる、

    いつか来るその日の為に
    1人でも多くの人に読んで欲しい絵本です。

  • 祖父から孫へ。

    読んでてほろりと泣けてきます。

    おじいちゃんの語りかけるような言葉と、

    たかすかずみさんの優しい絵が素敵です。

    「ないてもいいけど なきすげてはいけない

    私が好きだったのは わらっているおまえだったのだから」

    この言葉を聞くと、

    泣いてもいい、でも、泣きすぎず、笑っていこう

    という気持ちになれます。

    個人的に一番好きな場面は

    「あかとんぼがとんでいる

    おまえがはじめてぼうしでおさえたのものだ

    じまんそうにふりかえった

    おまえのしろいは」

    独特の文体ですが、

    絵とあっていて、しっくりきます。

  • 孫と仲良く歩いている表紙の絵から引き込まれた。

    亡くなったものは生きているものの幸せだけを願っている。だから、泣いてもいいけれど、泣きすぎてはいけない。

    亡くなった父が私の子ども達に望んだのは、自分がいなくなった後も、
    いつも通り元気で笑って毎日を過ごしてほしいという事だけだった。

    本屋で立ち読みして涙が止まらなくなった。
    子ども達にも読んで欲しくて、購入。「大丈夫!子ども達は元気に笑って
    毎日暮らしていますよ」と亡父に語りかけたくなる一冊

  • これはいい。最初のページでもうグッとつかまれる。
    おじいさん版「ちいさなあなたへ」という趣。

  • 7歳からおすすめ。
    親子での読み聞かせでゆっくりと読みたい。
    読後は、自分と父母とも語りあいたくなった。
    作者の理想は、そこにあるように思う。

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著者プロフィール

《ありえる》
父は桃太郎。母はかぐや姫。妻は白雪姫。
エッセイ『絵本のことば 詩のことば』
詩集『ことばの遊園地』『たちつてと』
《ありえない》
1941年、福岡県大牟田市生まれ。
絵本『ともだちや』。

「2024年 『ありえない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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