怪談えほん (1) 悪い本

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 岩崎書店
3.55
  • (91)
  • (139)
  • (153)
  • (47)
  • (15)
本棚登録 : 1294
レビュー : 239
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265079513

作品紹介・あらすじ

この世の中のどこかに存在する悪い本。そんな本いらない?でもきっとほしくなる。宮部みゆきと吉田尚令が贈るこの世でいちばん悪い本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2011年発表。


    悪い本のささやきが聞こえる。

    誰もが蓋をする暗い感情を
    呼び覚ます声。


    『いつか あなたは
    わたしが ほしくなる』



    不気味なクマのぬいぐるみと
    呪いの声が
    頭に棲みついて離れなくなる、
    この世で一番悪い本の話。



    宮部みゆき、皆川博子、京極夏彦など
    当代の人気作家5人が
    子ども向けの「怖い」絵本に挑戦する画期的な企画
    『怪談えほん』シリーズの第1弾。




    いやぁ〜怖いっっ!!(≧∇≦)

    人形が動き出し
    喋り出すことを信じてた
    (またそれが見えた)

    子供時代に読んでいたら、
    間違いなく
    トラウマになってたやろうなぁ〜(汗)



    自分は、ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリによる
    フランスの古典映画
    『アンダルシアの犬』の
    あのショッキングなシーンを
    なぜか思い出してしまい、
    芯から身震いしました。



    誰もの内側に
    悪は身を潜め、
    這い出る機会を
    いまかいまかと狙ってる。

    何かの拍子で
    人は簡単に悪に変わるし、

    どんなに爽やかで
    笑顔を振り撒いてる人であっても

    誰もが無意識下では
    『悪いヤツ予備軍』なんだろう。


    だからこそ、
    子供時代に
    ありのままの汚い部分をさらけ出したり、
    恐怖や
    悪の意味を感覚として知ることは、

    「悪い本」に手を伸ばしてしまう状況がいつか来た時に
    (必ず来るのです)

    強い抑止力となり
    意味をなすんじゃないだろうか。



    最近、子どもの本から
    怖い話が消えつつあるらしい。

    こんな本、子供になんか見せられないと言う、
    親たちの顔が目に浮かぶ。

    ではあなたは
    自分の子供を
    無菌ルームに閉じ込めたままで
    一生を過ごせると
    本気で思ってるんだろうか。


    恐怖という感情こそが
    想像力を広げ、
    他人の痛みを理解し、
    考える頭を作っていく。


    本当に大事なのは
    悪いことから
    目を逸らして避けていく人生ではなく、

    目を見開いて
    正しい知識を知って、
    怒りを持って
    『NO!』と言える生き方を
    教えていくことじゃないんだろうか。



    それにしてもあの国民的作家の
    宮部みゆきが
    こういうダークなものを
    あえて絵本として
    発表したというところに
    充分に価値がある作品だと思います。




    最後に一番怖かった言葉を。


    『あなたがわたしをわすれても

    わたしはあなたをわすれない…』






    (夢見るわ!)

  • 中古購入
    シリーズもの

    大人向けであろう怪談えほんシリーズ
    当時だいぶ話題になっていたが
    発売してすぐの時はまだ知らなくて
    たまたま店頭で見かけた
    クマのぬいぐるみが好きなのと
    絵柄が好みなのと
    題名のインパクトで手に取ってパラパラ…
    これ給料日になったら買お!!って思ってたのに
    売り切れてしまったらしく見る影もなし
    それから何年たったのか
    やっとこさ買ってきた

    下の子にはまだ早いかな〜とまずは1人で読んでみる
    大人が読んでも十分怖い
    人間誰しも
    「やってはいけないことをやってしまったら」
    そんな想像をしてゾッとしたことがあるだろう
    なんでそんな想像をしてしまうのか
    その想像のせいでそのことに不安になったり恐怖を感じたりする
    そこを突いてくる
    自分にも可能性があるという不安
    それが恐怖

    これが怖くないという人も勿論いるだろう
    でもそれってどうなのかな?
    私はそういう人にはあまり魅力を感じないかなぁ

    忘れた頃に私の手元にやってきた『悪い本』
    もしかしてこの本が私を…

  • 意外だったのがコレ。

    コワイというか…不気味。
    呼びかけ形式でドキッとします。
    ゾゾゾゾ~…とじわじわ、心理的に追いかけられているような
    こわさがあります。

    このシリーズ面白い。
    大人も楽しめる。

    子供に読み聞かせる前に、大人が見て内容を確認した
    方がいいと思います。
    特にこの本と、京極さんの手がけたのは要注意です!


    「あなたが わたしを わすれても 
     わたしは あなたを わすれない」


    わたしは何かを忘れていないか、思わず胸に手をあててしまいそうになります。

  • インパクトが強い。
    この本が脳裏をよぎって悪いことできなくなる。そんな抑止力ありそうな絵本。

  • この絵本を子供が読んだ時の感想を聞きたい〜。
    かなり邪悪です。笑

    大人は黒い心があるから邪悪な…いや悪い本と思うのかも。
    子供にとっては、「そういうことに」なった時のよりどころの本なのかもしれませんね。
    夢に出てきそうな。
    ねっとりしたこわさを感じる絵本です。
    これを絵本にしたこと自体、すごいなぁ〜。
    内容が気になるのなら、是非!!

  • これは邪悪。
    「いるのいないの」とはまた種類の違う、どろりとした怖さ。
    悪意を自覚させられる怖さじゃなくて、悪意を向けられる怖さ。

    「悪い本」というタイトルだけど、ぬいぐるみが主役に見える。
    だけど「この本」が語り手で、絵は本が見ている(もしくは思い浮かべている)もののようにも思える。

    文章から絵を、絵から文章を思いつけない。
    だけど一体になっている。
    相乗効果で不気味さが増す、良い膨らませ方。

  • 絵本ではあるが、子供には少し難しいかもしれない。だが視覚と同時に心に訴えかけてくる文と絵なので、インパクトは十分。

  • 恐い。とにかく恐い。

    物語性があるわけではないし
    起承転結があるわけでもない。

    人間の奥深くにぐるぐる根付いて離れない感情に
    遠慮なく、揺さぶりをかけてくる。


    子どもはきっと訳も分からず、ただ恐くて。

    大人はきっと自分の裏側を引き摺り出されて、見せ付けられて、
    そんな黒い因縁を絵本で子どもに問いかけているということ自体に
    恐ろしさを感じるのではないだろうか。

    本棚の隅にそっと忍ばせておきたい一冊。

  • 宮部みゆき先生による怪談絵本。一体何が「悪い」本なのか、そして読後レビューでたびたび見かける「怖い」とはどういうことなのか。読んでみて理解しました

    本来かわいく描かれるはずのぬいぐるみが、静かにひたひたと少女に語りかける。
    ” いつか あなたは わたしが ほしくなる わたしと なかよくなりたくなる”

    子どもにとっては、意味のわからない言葉と不気味な絵が怖い。大人にとっては、まだ幼い子ども達が知ることの無い、しかしいつか確実に芽生えるであろう人間の暗い部分を暗示させる内容が怖い。ラストの絵と言葉にゾクっと背筋が寒くなりました。

  • ページをめくる度に、不気味で何とも嫌だなという物語の後で
    あなたが私を忘れても、私はあなたを忘れない。。。
    これには、ゾッとした。
    自分の心の中にあるものは、善にも悪にも染まることが可能であり
    そのバランスが崩れてしまう危険を絶えずはらんでもいて・・・。
    とても危うい物を持っているのだと、改めて考えてしまった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      吉田尚令のイラストって可愛い系で好きなのですが(と言いつつ一番のお気に入りは「パパのしごとはわるものです」だったりする)。こんな怖そうなのも...
      吉田尚令のイラストって可愛い系で好きなのですが(と言いつつ一番のお気に入りは「パパのしごとはわるものです」だったりする)。こんな怖そうなのも描かれているんですねぇ~
      近々「雨ふる本屋」の続編が出るそうなので愉しみです。。。
      2012/10/17
    • 紅茶さん
      nyancomaruさん、コメントを有難うございます。

      吉田尚令のイラストは、この作品が初めてだったので、他の絵本を検索してみました。...
      nyancomaruさん、コメントを有難うございます。

      吉田尚令のイラストは、この作品が初めてだったので、他の絵本を検索してみました。
      結果は同じ人が描いたの?!というくらい、絵が違うのと、コミカルな調子の絵柄に、なんだかホッとしました。

      こちらの絵本は、嫌な感じの絵しかなかったので(話も話しなので)、絵柄のギャップに驚かされました。
      2012/10/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絵柄のギャップに」
      やっぱり読めません!
      「結果は同じ人が描いたの?!」
      吉田尚令ってホンワカして良いでしょ!
      「絵柄のギャップに」
      やっぱり読めません!
      「結果は同じ人が描いたの?!」
      吉田尚令ってホンワカして良いでしょ!
      2012/11/13
全239件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

宮部みゆきの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
伊坂 幸太郎
有川 浩
宮部みゆき
三浦 しをん
高野 和明
宮部 みゆき
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

怪談えほん (1) 悪い本を本棚に登録しているひと

ツイートする
×