怪談えほん (2) マイマイとナイナイ

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 岩崎書店
3.21
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本棚登録 : 490
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265079520

作品紹介・あらすじ

マイマイは、弟のナイナイを右目にいれて、そっとまぶたをあけた。皆川博子と宇野亜喜良による美しく、怖い物語。

感想・レビュー・書評

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  • 白馬に蹴られていきなり右目が潰れ、そこにクルミをはめ込む。そこに住む小さなナイナイ。うわあ、シュールだ。絵も不可思議な感じ。

  • マイマイという女の子にだけ、小さいおとうとが見える。
    小さいのでおとうとのナイナイをくるみのからにいれた。
    白い馬にけられたマイマイは、片方の目がこわれて代わりにくるみを入れた。
    マイマイが眠っているときにナイナイはくるみから出て、夜の夢を引きずりこむ。
    ナイナイは、くるみをとびだして、空っぽになったくるみにマイマイのこころをおしこむ。

    心はくるみのなか、外に出られない。

    これは声に出せない閉じ込められた欲望なのか…。
    ほんとうの自分はどこへ行ったのか…。
    ナイナイはどうしたかったのだろう。
    怪談というこわさはなくて、つかみきれない気持ちにこわさを感じる。

  • 〝<マイマイ>は、小さい小さい弟<ナイナイ>を見つけた。あんまり小さくて、父さんにも、母さんにも見えなかった...マイマイはナイナイを壊れた自分の右目に入れて、そっと右目を開けてみた...そこには、不思議な世界 —「魔界」に彷徨う、逃れられないマイマイがいた!「誰か助けて!」・・・〟皆川博子さんと宇野亜喜良さんのコンビによる、妖しくも美しい、心胆寒からしめる大人の絵本。

  • 【あらすじ】
    マイマイは、弟のナイナイを右目にいれて、そっとまぶたをあけた。皆川博子と宇野亜喜良による美しく、怖い物語。

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    怖い夢から抜け出せなくなったらどうしよう。そんな恐怖を体現した絵本です。怖い中に美しさがある不思議な絵本。

  • 怪談というよりサイコホラーみたいな。
    で、どうなんだと聞かれれば「怖い」と答える。

    読んでいるときの気味悪さや怖さだけじゃなく、
    読んでから時間が経って思い出してもぞっとする。
    持続性のある怖さが特徴的だと個人的には思う。

    子ども向けでは決してない(笑)。

  • 弟なんて最初からいなかったのかも。

  • ぼんやりとした不穏な言葉の羅列に、宇野亜喜良の艶やかな絵が解釈を添える。
    不思議で不気味な大人の絵本。

  • 不思議な不思議な本

  • 東雅夫編集による「怪談えほん」その2。
    児童書のつもりで手に取ってしまった方には
    ご愁傷様とでも申し上げておきましょうか(笑)
    他の4冊は未読なので何とも言えませんが、
    『マイマイとナイナイ』は、
    怖いというより不条理感たっぷりな悪夢の世界。
    個人的には、
    アリス・イン・ワンダーランドならぬ無間地獄って印象。
    物語にピッタリな、ちょっと艶めかしい魅惑的な絵――だけど、
    今後はロリポップ(棒付きグルグル渦巻きキャンディ)を
    食べたくなくなる予感……。

  •  怪談えほんの2番目になります。
     個性的な絵で、可愛らしい少女と不思議な夢の世界が 美しく表現されています。
     
     子供には見えて、大人には見えない物。
     それに囚われてしまった少女の姿。

     読み終えてからじわじわと恐ろしくなる、ダークファンタジーでした。
     この絵本の世界には、出口が無いように感じます。
     そして最後のページを読み終えたとき 難しい世界に尻込みしていました。
     でも、この感覚が子供達を想像の世界にかりだすのでしょうか。
     あと3冊は未読ですが、今のところ この怪談えほんを読みきかせるには、対象年齢をかなり絞ってしまいそうです。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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