- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265079520
作品紹介・あらすじ
マイマイは、弟のナイナイを右目にいれて、そっとまぶたをあけた。皆川博子と宇野亜喜良による美しく、怖い物語。
感想・レビュー・書評
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白馬に蹴られていきなり右目が潰れ、そこにクルミをはめ込む。そこに住む小さなナイナイ。うわあ、シュールだ。絵も不可思議な感じ。
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マイマイという女の子にだけ、小さいおとうとが見える。
小さいのでおとうとのナイナイをくるみのからにいれた。
白い馬にけられたマイマイは、片方の目がこわれて代わりにくるみを入れた。
マイマイが眠っているときにナイナイはくるみから出て、夜の夢を引きずりこむ。
ナイナイは、くるみをとびだして、空っぽになったくるみにマイマイのこころをおしこむ。
心はくるみのなか、外に出られない。
これは声に出せない閉じ込められた欲望なのか…。
ほんとうの自分はどこへ行ったのか…。
ナイナイはどうしたかったのだろう。
怪談というこわさはなくて、つかみきれない気持ちにこわさを感じる。
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〝<マイマイ>は、小さい小さい弟<ナイナイ>を見つけた。あんまり小さくて、父さんにも、母さんにも見えなかった...マイマイはナイナイを壊れた自分の右目に入れて、そっと右目を開けてみた...そこには、不思議な世界 —「魔界」に彷徨う、逃れられないマイマイがいた!「誰か助けて!」・・・〟皆川博子さんと宇野亜喜良さんのコンビによる、妖しくも美しい、心胆寒からしめる大人の絵本。
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【あらすじ】
マイマイは、弟のナイナイを右目にいれて、そっとまぶたをあけた。皆川博子と宇野亜喜良による美しく、怖い物語。
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怖い夢から抜け出せなくなったらどうしよう。そんな恐怖を体現した絵本です。怖い中に美しさがある不思議な絵本。 -
怪談というよりサイコホラーみたいな。
で、どうなんだと聞かれれば「怖い」と答える。
読んでいるときの気味悪さや怖さだけじゃなく、
読んでから時間が経って思い出してもぞっとする。
持続性のある怖さが特徴的だと個人的には思う。
子ども向けでは決してない(笑)。 -
弟なんて最初からいなかったのかも。
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ぼんやりとした不穏な言葉の羅列に、宇野亜喜良の艶やかな絵が解釈を添える。
不思議で不気味な大人の絵本。 -
不思議な不思議な本
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東雅夫編集による「怪談えほん」その2。
児童書のつもりで手に取ってしまった方には
ご愁傷様とでも申し上げておきましょうか(笑)
他の4冊は未読なので何とも言えませんが、
『マイマイとナイナイ』は、
怖いというより不条理感たっぷりな悪夢の世界。
個人的には、
アリス・イン・ワンダーランドならぬ無間地獄って印象。
物語にピッタリな、ちょっと艶めかしい魅惑的な絵――だけど、
今後はロリポップ(棒付きグルグル渦巻きキャンディ)を
食べたくなくなる予感……。 -
怪談えほんの2番目になります。
個性的な絵で、可愛らしい少女と不思議な夢の世界が 美しく表現されています。
子供には見えて、大人には見えない物。
それに囚われてしまった少女の姿。
読み終えてからじわじわと恐ろしくなる、ダークファンタジーでした。
この絵本の世界には、出口が無いように感じます。
そして最後のページを読み終えたとき 難しい世界に尻込みしていました。
でも、この感覚が子供達を想像の世界にかりだすのでしょうか。
あと3冊は未読ですが、今のところ この怪談えほんを読みきかせるには、対象年齢をかなり絞ってしまいそうです。