怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 岩崎書店
4.00
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本棚登録 : 1379
レビュー : 330
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265079537

作品紹介・あらすじ

おばあさんの住む古い家でしばらく暮らすことになった。家の暗がりが気になって気になってしかたない。-京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」をひきずりだす。

感想・レビュー・書評

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  • 色々な方の書評を読むと「怖い」「怖い」と書いてあるので、おおいに期待して「さあ!怖がるぞ!」と読んでみたのだが・・・不発だった。
    どこをどう怖がれば良いのか、もしや自分が鈍感なのかと何度も読み返したが、あまり変わらない。

    ただ、絵がとても良く、「気配」で感じさせる日本独特の盛り上げ方が巧い。
    丁寧に描かれた田舎の古い家屋と、細かな所帯道具の数々。
    古い日本家屋だけが持つ、空間の暗がり。
    そこに、異次元が広がっていても不思議ではないと感じさせる。
    主人公の男の子が、なぜおばあさんの家で暮らすことになったのか、その背景が一切明かされないところ。
    そしてそのおばあさんは、何故か決して正面を向かない。
    大勢いる猫たちの目が、部屋の暗さのせいか妙に光っているし。

    江戸時代のような家で生まれ育ったせいか、怖さよりも懐かしさの方が先行してしまう(笑)。
    そうそう、そう言えば柱や天井の木の節目が、色々なものの姿に見えたりしたっけ。
    想像することで膨れ上がる怖さというものを、小さな頃にたっぷり味わってしまったからか、後年は生身の人間ほど怖いものはないと思うようになったのだ。
    それにこの本、京極さんは怖がらせることだけを目的にしているため、「オチ」のその先が見えてこない。
    で、それからどうなったの?という私のように「怖さに擦れた」タイプには、物足りないこと夥しい。
    ということで、どなたか私を怖がらせてください。

  • とても雰囲気のある絵と話しにページをめくる度にゾクっときた。
    絵の構成も良く、視点を上から見たり、下から見たり、引いた絵の次には、アップがきたりと、映像のような画面構成で、薄暗い部屋の怖い雰囲気が随所に出ていた。
    また、おばあさんの家にいる沢山の猫たちの内1匹は、必ず読者と視線が合うようになっていて、そういった細かい部分の怖さの演出も面白い構成だと思った。
    話はまさしく、いつもの京極さんの話しという感じで、曖昧さの中にある怖さが、読んでいる内にジワジワっときた。

  • 京極さんと東氏が組んで怖くないはずがない!
    怪談えほんなんてオツだと思う♪

    子供と二人で読んだけど、じわじわと静かにこわい。
    そして無性になつかしい!!
    昔の田舎のおばあちゃんちって、本当にこんな感じでした。

    一昔前は暮らしの中に人の手が届かない、
    どうしようもない暗闇があって
    人間と妖怪?や妖や魔が境界線をはさんで、共存していた。

    でも今は近代化し過ぎて、妖怪も幽霊もいるけど
    絶滅危惧種みたいな存在になっているように思う。

    絵本の端々からこぼれてくるような静寂とこわさ。

    10歳の子が「見たいけどこわい。こわいけど見たい」と言って
    「一緒に見よう?」と言うので一緒に見ました。
    じわじわして、いい絵本だと思います。

    町田尚子さんの絵が素敵です。

  • 古い家というのは、なぜ怖いのだろうか。

    子どもの頃、祖父母の家は父方も母方も三和土の土間がある家だった。
    何が怖いって夜の用足しである。
    もちろん、お手洗いは土間を通って裏にしかないのだ。
    途中にぶら下がるのは裸電球。
    でも行かないわけにはいかない。粗相をしたら大変だ。
    びくびくしているいたいけな妹に、ここで兄がいたずらをしかけるわけだ。
    階段の下に隠れて、用を足した帰りに「わっ」と脅かす。
    あろうことか、頼みの綱の電球をパチンと消してしまう。
    いたずらされるたびに泣いて皆がいる部屋に飛び込む。
    ああ、飛んで帰れる明るい場所があるというのは何という幸せなことだろうか。

    古い家が怖いのは、外と隔絶されていないからかもしれない。
    高い天井。風が通り抜ける床下。そして土間。
    家の中はどこか、外と地続きで、湿った土の匂いがする。
    広い空間のそこかしこに闇が潜む。その闇の中に、ぼんやりと浮かぶ顔があってもまったく不思議ではない。
    一人きりの夕暮れ。しんと静まりかえった家。異様に大きく感じる柱時計の音。
    逢魔が時の心細さもまた格別だった。

    本書は怪談えほんと称するシリーズの1冊である。
    少年がおばあさんの住む古家で暮らすことになる。
    事情はまったくわからない。また元の暮らしに戻るのか、それともずぅっとおばあさんと2人で暮らすのか、それもわからない。
    おばあさんは夥しい数の猫を飼っている。そう、もちろん猫だ。ここは犬ではいけない。かわいらしさと怪しさを備え、現世と魔界を行ったり来たりできる生きものでなければならないから。
    少年はこの家に巣くう「何者か」の気配を感じる。
    いるの? いないの?

    怖い本である。怖い絵である。
    怖いのはまた、描かれていない部分である。
    おばあさんは「見ないものはいない」という。だがそう語るおばあさんの顔は描かれない。

    少年が泣いて逃げ込める明るい部屋はここにあるのだろうか。
    それとも少年は闇に呑まれてしまうのだろうか。

    いるの いないの
    そう思ってしまったら、もう最後まで見届けるしかない。

  • 静かな語り口調、穏やかな絵、たんたんと込み上げてくる恐怖…

    家の中の暗い場所…

    ちらっと見えた怖い顔…

    もう一度確かめたいけど、勇気がないの…

    怖いからこそ気になるの…

    ねぇ、そこには、いるの?いないの?

    • 円軌道の外さん

      お気に入りポチ
      ありがとうございました!

      コレ、自分も持ってます(^O^)


      シリーズで何冊も出てるけど
      この作品が一...

      お気に入りポチ
      ありがとうございました!

      コレ、自分も持ってます(^O^)


      シリーズで何冊も出てるけど
      この作品が一番怖いですよね(汗)

      『怖い』ものを
      子供のうちから
      当たり前に怖く伝えていくことは
      本当に大事なことだと思うし、

      猫好きの自分から見ても
      普段見せない猫たちの表情に
      背筋の凍る思いでした(滝汗)(>_<)

      2012/05/30
    • hinasayoさん
      本屋さんで友達と読みました!
      怖かった・・・
      絵が、穏やかな感じなのにどこか不気味で、恐ろしげでした。
      最後の絵は、決定的・・・
      言...
      本屋さんで友達と読みました!
      怖かった・・・
      絵が、穏やかな感じなのにどこか不気味で、恐ろしげでした。
      最後の絵は、決定的・・・
      言われてみると、語り口調も関係しているのかもしれません。
      2012/07/03
  • シンプルだけどゾッとする絵本。
    絵も良い。
    こどもが見たら怖くなって眠れなくなるんじゃないかな。

  • (艸゚Д゚;)ギャー

    居るやんけーーーーーーーー!

    なのである。

  • 2012年発表。

    宮部みゆき、皆川博子など
    当代の人気作家5人が
    子ども向けの「怖い」絵本に挑戦する画期的な企画
    『怪談えほん』シリーズ第3弾。




    いやぁ〜
    怖い!!(≧∇≦)

    おばあちゃんのいる
    田舎の家に
    しばらく住むことになった少年。


    家は昔ながらの
    大きな日本家屋で
    部屋のいたるところに猫たちがいて、

    天井は見たこともないほど高くて暗くて、
    屋根を支える横木である
    巨大な梁(はり)がかかっている。


    少年は天井の真っ暗闇にかかる
    この梁が気になって仕方ない。


    そしてある日、
    梁を見上げた少年が目にしたものとは…





    知らないもの
    解らないものに対する恐れ。

    暗闇、獣の鳴き声、
    すべてを分かってるに違いない
    おばあちゃんの含み笑い。



    恐怖の根源は
    どこにあるのかを突き詰め、
    恐怖の定義を知らない子供でも
    一目で分かる作りにしたとのことやけど、

    大人でもゾワゾワっと
    さぶいぼ立つのに、

    コレ小学生以下の子が読んだら
    間違いなくトラウマになりそう(笑)



    だけど実は
    それが狙いなんですよね。



    今の子たちは
    過激な映像を
    ゲームやテレビで見慣れているけど、
    垂れ流されて麻痺して
    『怖い』という感情には
    もはや結びつかない。



    もし『怖い』という感情がなければ、
    危険と遭遇しても
    防御反応が働かないし、

    極端な話、感情が麻痺すれば、
    人を傷つけても
    それが悪いことだと認識できなくなる。


    今の若い人たちによくあるように
    『怖い』ことが
    楽しいになっちゃうと、
    どこかに歪みが生じてくるんですよね。

    だから『怖い』ものを
    子供のうちから
    当たり前に怖く伝えていくことは
    本当に大事なことなんだと思います。



    それにしても
    あるページからガラリと変わる
    猫たちの
    悪意に満ちた目の光りが怖いっ(汗)(°□°;)

    • 円軌道の外さん

      riepさん、
      こちらこそコメントありがとうございます(^O^)


      自分もコレ、本屋で手にとって
      たまたま読んだんやけど、...

      riepさん、
      こちらこそコメントありがとうございます(^O^)


      自分もコレ、本屋で手にとって
      たまたま読んだんやけど、
      うわぁーっっ!!って声に出して
      本屋中走り回りたいくらい(笑)
      ゾワゾワって
      サブイボ立ったんですよね〜(汗)(≧ε≦)


      今の時代
      なんでも規制があって
      ソフトにされてからしか、
      子供たちに伝わらないし、

      残酷な表現はネット上でいくらでも見れるけど、

      ホンマの怖さって
      それとはまた違うと思うんで、

      子供たちに
      怖い本を読んで欲しいっていう
      この企画は応援したいなぁって思ってます♪

      自分も怖がりやけど(汗)


      2012/05/31
    • Tommyさん
      円軌道の外さん、リフォローどうもありがとうございます。

      表紙を見て思い出しただけでも心がざわざわします。(>_<) 怖かったですね。

      ほ...
      円軌道の外さん、リフォローどうもありがとうございます。

      表紙を見て思い出しただけでも心がざわざわします。(>_<) 怖かったですね。

      ほかのたくさんのレビューを参考にさせてください♪
      2013/05/25
    • 円軌道の外さん

      keiさん、こちらこそ
      わざわざコメントありがとうございます!

      コレはホンマに
      怖い絵本でしたよね(>_<)

      でも自...

      keiさん、こちらこそ
      わざわざコメントありがとうございます!

      コレはホンマに
      怖い絵本でしたよね(>_<)

      でも自分の子供時代を振り返ってみると
      まだまだ昭和の時代は
      怖い映画や怖いドラマや怖い昔話があふれていたし、
      (テレビの世界も過激でした笑)

      この世界はどうしようもない怖さで溢れてるって
      子供ながらに無意識のうちに理解してたんだと思います。


      仮面ライダーの真似をして
      二階の屋根から飛んで
      足を折ったり(笑)

      ゴレンジャーの真似をして
      山から自転車でダイブしたり(笑)
      アホみたいなことばっかしてたけど、

      自分で経験して初めて
      人は痛みや恐怖を認識していくんやと思うんです。

      そう考えると
      今の怖いものは見せない、
      怪我をさせない、
      喧嘩もしたことのない
      過剰に守られた社会で育った子供って
      ちゃんと人の痛みが分かるのかなって
      自分を大切にできるのかなって
      逆にスゴく不安になるんですよね…(>_<)

      あっ、こちらこそ
      末永くよろしくお願いします(^_^)v

      2013/05/28
  • 怖さに震えて‥画が浮かびます‥
    他に読むつもりの2冊は止めました‥コワ‥

  • 最後のページをめくって、
    小2の娘といっしょに「怖すぎ!!」と叫びました…。

    流行りのホラーより断然こわい、
    いるかもしれない、想像すればするほど怖い、
    をこんな見事に絵本にされるとは、、、。


    大人が読んだほうがきっと怖い。
    でも今度小学生に読み聞かせしてみます。どうなるかな。

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著者プロフィール

’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞、’19年埼玉文化賞受賞。

「2020年 『文庫版 今昔百鬼拾遺 月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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