怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 岩崎書店
3.99
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本棚登録 : 1548
感想 : 348
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265079537

作品紹介・あらすじ

おばあさんの住む古い家でしばらく暮らすことになった。家の暗がりが気になって気になってしかたない。-京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」をひきずりだす。

感想・レビュー・書評

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  • 色々な方の書評を読むと「怖い」「怖い」と書いてあるので、おおいに期待して「さあ!怖がるぞ!」と読んでみたのだが・・・不発だった。
    どこをどう怖がれば良いのか、もしや自分が鈍感なのかと何度も読み返したが、あまり変わらない。

    ただ、絵がとても良く、「気配」で感じさせる日本独特の盛り上げ方が巧い。
    丁寧に描かれた田舎の古い家屋と、細かな所帯道具の数々。
    古い日本家屋だけが持つ、空間の暗がり。
    そこに、異次元が広がっていても不思議ではないと感じさせる。
    主人公の男の子が、なぜおばあさんの家で暮らすことになったのか、その背景が一切明かされないところ。
    そしてそのおばあさんは、何故か決して正面を向かない。
    大勢いる猫たちの目が、部屋の暗さのせいか妙に光っているし。

    江戸時代のような家で生まれ育ったせいか、怖さよりも懐かしさの方が先行してしまう(笑)。
    そうそう、そう言えば柱や天井の木の節目が、色々なものの姿に見えたりしたっけ。
    想像することで膨れ上がる怖さというものを、小さな頃にたっぷり味わってしまったからか、後年は生身の人間ほど怖いものはないと思うようになったのだ。
    それにこの本、京極さんは怖がらせることだけを目的にしているため、「オチ」のその先が見えてこない。
    で、それからどうなったの?という私のように「怖さに擦れた」タイプには、物足りないこと夥しい。
    ということで、どなたか私を怖がらせてください。

  • とても雰囲気のある絵と話しにページをめくる度にゾクっときた。
    絵の構成も良く、視点を上から見たり、下から見たり、引いた絵の次には、アップがきたりと、映像のような画面構成で、薄暗い部屋の怖い雰囲気が随所に出ていた。
    また、おばあさんの家にいる沢山の猫たちの内1匹は、必ず読者と視線が合うようになっていて、そういった細かい部分の怖さの演出も面白い構成だと思った。
    話はまさしく、いつもの京極さんの話しという感じで、曖昧さの中にある怖さが、読んでいる内にジワジワっときた。

  • 京極さんと東氏が組んで怖くないはずがない!
    怪談えほんなんてオツだと思う♪

    子供と二人で読んだけど、じわじわと静かにこわい。
    そして無性になつかしい!!
    昔の田舎のおばあちゃんちって、本当にこんな感じでした。

    一昔前は暮らしの中に人の手が届かない、
    どうしようもない暗闇があって
    人間と妖怪?や妖や魔が境界線をはさんで、共存していた。

    でも今は近代化し過ぎて、妖怪も幽霊もいるけど
    絶滅危惧種みたいな存在になっているように思う。

    絵本の端々からこぼれてくるような静寂とこわさ。

    10歳の子が「見たいけどこわい。こわいけど見たい」と言って
    「一緒に見よう?」と言うので一緒に見ました。
    じわじわして、いい絵本だと思います。

    町田尚子さんの絵が素敵です。

  • おばあちゃんの田舎の古い家で暮らすことになった少年が、高い天井の暗闇のなかで、怒った顔の男の顔がじっと下を覗き込んでいるのに気づきます。少年はおばあちゃんに「天井のはりのところに誰かいるよ!あれは誰?」おばあちゃんは首をかしげ「さあ 知らないよ。上を見なければ 怖くないよ」「いるか いないか わからないよ」・・・おばあちゃんの家には、猫がうよううよ(14匹?)、大きなイモリが壁を這う、言い知れぬ不気味さのただよう 怪談えほんです。 猫を抱いたおばあちゃんが、いちばん不気味かな。

  • 古い家というのは、なぜ怖いのだろうか。

    子どもの頃、祖父母の家は父方も母方も三和土の土間がある家だった。
    何が怖いって夜の用足しである。
    もちろん、お手洗いは土間を通って裏にしかないのだ。
    途中にぶら下がるのは裸電球。
    でも行かないわけにはいかない。粗相をしたら大変だ。
    びくびくしているいたいけな妹に、ここで兄がいたずらをしかけるわけだ。
    階段の下に隠れて、用を足した帰りに「わっ」と脅かす。
    あろうことか、頼みの綱の電球をパチンと消してしまう。
    いたずらされるたびに泣いて皆がいる部屋に飛び込む。
    ああ、飛んで帰れる明るい場所があるというのは何という幸せなことだろうか。

    古い家が怖いのは、外と隔絶されていないからかもしれない。
    高い天井。風が通り抜ける床下。そして土間。
    家の中はどこか、外と地続きで、湿った土の匂いがする。
    広い空間のそこかしこに闇が潜む。その闇の中に、ぼんやりと浮かぶ顔があってもまったく不思議ではない。
    一人きりの夕暮れ。しんと静まりかえった家。異様に大きく感じる柱時計の音。
    逢魔が時の心細さもまた格別だった。

    本書は怪談えほんと称するシリーズの1冊である。
    少年がおばあさんの住む古家で暮らすことになる。
    事情はまったくわからない。また元の暮らしに戻るのか、それともずぅっとおばあさんと2人で暮らすのか、それもわからない。
    おばあさんは夥しい数の猫を飼っている。そう、もちろん猫だ。ここは犬ではいけない。かわいらしさと怪しさを備え、現世と魔界を行ったり来たりできる生きものでなければならないから。
    少年はこの家に巣くう「何者か」の気配を感じる。
    いるの? いないの?

    怖い本である。怖い絵である。
    怖いのはまた、描かれていない部分である。
    おばあさんは「見ないものはいない」という。だがそう語るおばあさんの顔は描かれない。

    少年が泣いて逃げ込める明るい部屋はここにあるのだろうか。
    それとも少年は闇に呑まれてしまうのだろうか。

    いるの いないの
    そう思ってしまったら、もう最後まで見届けるしかない。

  • 静かな語り口調、穏やかな絵、たんたんと込み上げてくる恐怖…

    家の中の暗い場所…

    ちらっと見えた怖い顔…

    もう一度確かめたいけど、勇気がないの…

    怖いからこそ気になるの…

    ねぇ、そこには、いるの?いないの?

    • 円軌道の外さん

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      シリーズで何冊も出てるけど
      この作品が一...

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      シリーズで何冊も出てるけど
      この作品が一番怖いですよね(汗)

      『怖い』ものを
      子供のうちから
      当たり前に怖く伝えていくことは
      本当に大事なことだと思うし、

      猫好きの自分から見ても
      普段見せない猫たちの表情に
      背筋の凍る思いでした(滝汗)(>_<)

      2012/05/30
    • hinasayoさん
      本屋さんで友達と読みました!
      怖かった・・・
      絵が、穏やかな感じなのにどこか不気味で、恐ろしげでした。
      最後の絵は、決定的・・・
      言...
      本屋さんで友達と読みました!
      怖かった・・・
      絵が、穏やかな感じなのにどこか不気味で、恐ろしげでした。
      最後の絵は、決定的・・・
      言われてみると、語り口調も関係しているのかもしれません。
      2012/07/03
  • 怖さに震えて‥画が浮かびます‥
    他に読むつもりの2冊は止めました‥コワ‥

  • 夏にはもってこいの本ですね。とりあえず最後のページが小さい子がきゃーって言ってました。怪談えほんシリーズなので他もいっぱいあります。

  • 娘に頼まれ図書館から借りては来て再読。
    やはり怖い!
    家全体に漂う不穏な気配といい、「いる」ことを否定しないおばあちゃんといい。
    でも再読したら初回よりは怖さが薄れていた。最後のページが自分の記憶の中ではもっと怖いものになっていたので。

  • 最初の「おばあさんの いえで くらすことになった。」からもう不穏。読み終わってみると、割と基本に忠実な怖いお話だった。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビューする。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『幽談』『冥談』『眩談』『鬼談』『ルー=ガルー』『南極(人)』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』 『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『遠野物語拾遺retold』 ほか。

「2021年 『虚談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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