- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265079605
作品紹介・あらすじ
このはこ、なんだっけ? あかない はこ。ふると、コソコソ おとがする。「はこ」と「女の子」をめぐる 静かな恐怖の物語。あなたを恐怖の世界へとじこめる。
感想・レビュー・書評
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いろんな箱が出てきて、ひょっと開き、ひょっと中に骨がある。つぎつぎとメダカ、ハムスター、犬がいなくなる。つぎはお母さん!?不安が募る感じが凄い。さすが小野不由美。
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2015年発表。
少女がふと見つけた開かない小さな箱。
ふると、コソコソと音がする。
雨の降る日、箱が開いていた。
だけど中身はからっぽ。
中身はどこにいったのかな?
メダカのためのえさの箱。
ふると、カラカラと音がする。
からっぽだったはずなのに。
風の吹く日、箱が開いていた。
中にはほこりしか入っていない。
中身はどこにいったのかな?
逃げたハムスターをさがしていたら、
タンスの引き出しが開かない。
ノックすると、カサコソ音がする。
曇りの日、開かない引き出しが開いていた。
中には小さな骨のかけら。
そして犬がいなくなり、
少女はまたもや箱のしわざかと探し回る。
やがて、開かないクローゼットを見つけた少女がノックすると、
中からベチャベチャ音がする。
誕生日、なぜか開いていたクローゼットで少女が見たものとは…。
いやぁ~、コレは怖い!
『なんか怖い』っていう、
恐怖心の根元がどこにあるのかが分からない構成だからこそ、
読む者の不安を煽るし、想像力が働く。
それも、嫌でも、悪い方へ悪い方へと想像力が働くので、
見終わったあとも、
じわじわ恐怖がこみ上げてくるあの嫌な感じ。
箱が開くとき、何かが消える。
そして箱はだんだんと大きくなっていく。
次は誰がいなくなるのかという少女の不安。
開かなくなる箱や引き出しの不思議。
不安感を煽る、
黒、群青、紫、赤のえんぴつ(クレヨン)で描かれたイラストが
トラウマになるほど不気味だ。
中でも、真っ暗な教室の中、ひとりぼっちで机に座り、
ロウソクに火が灯ったバースデーケーキを
呆然と見つめる少女の絵の怖いこと怖いこと!
絵から醸し出される圧倒的な孤独には震えが走った。
次は母親が消えるんじゃないかと怖くなり、
必死で家へ帰る少女の絵の切迫感もスゴい。
息を切らし帰ってきた四角い箱のような家で
少女は何を見るのか?
衝撃のラストシーンにも
ゾワゾワーっと鳥肌が立った。
子供の頃、いつか自分は捨てられるんじゃないか、
眠ったら、それっきり死んじゃうじゃないか、
ひとりぼっちになってしまうのではないかと、
常にビクビクしていた。
子供なら誰しもが一度は考えたことのある
そんなわけの分からない不安を
見事に思い出させてくれた絵本。
(余談だが、僕がいちばん怖かった箱で思い出すのは、ブラピ主演、デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』のラストに出てくるアレと、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の密室サスペンスの傑作『CUBE』の謎の立方体部屋だ) -
〝この箱、何だったけ?開かない箱。 振ると”コソコソ”と音がする...雨の降る日、箱が開いてた。空っぽの箱。中味は何処へいったのかな?...風の吹く日、箱が開いていた。中には埃しか入っていない。中味は何処へいったのかな?...曇りの日、開かない抽斗が開いていた。中には小さな骨の欠片...犬がいなくなった。今度はどの箱が閉まったの?...誕生日、クロ-ゼットが開いていた。また誰かいなくなるの?お母さん消えたりしないかな・・・〟<小野不由美>作、<nakaban>絵による、不気味な恐怖が充満する物語。
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小さい頃に読んだら意味が分からないか、意味を知って眠れなくなるのかどっちかだろう
気付く境界線の年齢はどこか -
【あらすじ】
このはこ、なんだっけ? あかない はこ。ふると、コソコソ おとがする。「はこ」と「女の子」をめぐる 静かな恐怖の物語。あなたを恐怖の世界へとじこめる。
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迫りくる恐怖と妙な閉塞感を感じる絵本です。今までいろいろなものを箱にしまったのは誰なのか。 -
恐怖は想像力の賜物らしい。
何かを入れたり隠したり。
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箱が怖くなる
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文字だけでも想像するととても怖い
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最後はやっぱり…だけど、不気味さが際立つ。
カサコソ、開かずの箱の中。空いた時には…。