まばたき (えほんのぼうけん67)

著者 :
  • 岩崎書店
3.67
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本棚登録 : 647
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265081370

作品紹介・あらすじ

ちょうちょが飛ぶとき、鳩時計が12時を告げるとき、猫が動き出すとき、角砂糖が紅茶に溶けるとき、そして少女に呼びかけるとき。
時が止まる瞬間を描く。
穂村弘と酒井駒子、息をのむほど美しい絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 花のみつを吸って飛んでいく白いモンシロチョウ。

    時計の針が12時をさし、鳩時計から鳩が飛び出してくる瞬間。

    猫がネズミをみつめてとらえる瞬間。

    そして、女の子が紅茶に角砂糖をひとついれますが…。



    これ、びっくりしました。
    ホラーかと思いました。
    超怖かったです。
    まばたきをしている間に起こる、いくつかのできごと。
    最後にゾッとしました。

    文が穂村弘さんで、絵が酒井駒子さん。
    ブックデザインは名久井直子さんです。
    こういう本を作るときの打ち合わせってどんな風にするのかと思いました。

    酒井駒子さんの絵本は購入することがありますが、これは図書館で十分でした。

  • 歌人の穂村弘さんと、酒井駒子さんの絵の、夢のコラボ絵本は、大きめのサイズ感もあって、酒井さんの美しい絵を、細かいところまで、思いきり堪能できる作品です。

    まばたきって、普段は無意識にしていて、今、まばたきするぞと意識しないと、したかどうかも分からない、『その一瞬の出来事』の中で、いったい、何が起きているのか?

    また、それに加えて、『一瞬という時間の感覚』について、実は何も分かっていなかったのではないか、といった思いに囚われてしまいそうな(こういう場合でないと、おそらく、一生考えることのないまま、終わるのかもしれない)、壮大な世界を、ただ密やかに、静謐に、見せてくれます。

    仮に、一瞬というものを、ものすごく細かく切り刻んだとする。

    そして、その切り裂かれたものたち、一枚一枚を見てみると、全く同じようで、ほぼ同一化しているかのような感覚が続いた後に、突然、大きく変わった、その瞬間が現れる。

    そんなことを想像してみると、改めて、時間というものが、とても神秘的に思えてくる。
    まるで、一瞬の中に、たくさんの永遠が詰まっているみたいだ。


    《余談というか、気になったこと》
    ネタバレなのかどうか、分からないし、私の気のせい、あるいは、勘違いなのかもしれませんが、内容に思いきり触れているので、以下、ご注意を。















    本書は、それぞれの出来事の一枚目と二枚目が、ほぼ同じ瞬間(時が止まった感じ)の絵なのですが、それでも、よくよく見てみると、酒井さんがそれぞれ個別に描いていることが、明らかに分かるのですが、「みつあみちゃん」のそれらだけ、何度見ても、全く同じ絵に見えて・・これには何か意味があるのだろうか?

    ちなみに、「みつあみちゃん」だけ、メッセージが異なるように感じ、まばたきする間なんて、人生ではあっという間に感じられるから、後悔の無いように、一瞬一瞬を大切に生きていこうということを、教えてくれたのか、それとも?

  • 酒井さん絵本を探していたら穂村さんとコラボ本発見☆彡

    まばたきしたら見逃してしまうよ
    ほとんど文字はなく効果音のように差し込む
    大きな三コマ漫画のように最後に急展開
    美しくて少し怖くて切ない
    時間の流れの残酷さも感じる

    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん 

      そうなんですね~ え?穂村さんの本でありましたっけ?
      ありゃ情報不足でした
      『こりゃ まてまて』図書館にありました☆
      ...
      111108さん 

      そうなんですね~ え?穂村さんの本でありましたっけ?
      ありゃ情報不足でした
      『こりゃ まてまて』図書館にありました☆
      次の絵本候補にしちゃいます、ありがとうございます♪
      2022/09/14
    • 111108さん
      ベルガモットさん

      『ぼくの宝物絵本』穂村さんの絵本の思い出集みたいなのが、確か酒井駒子さんの表紙絵のような。ずっと前に読んでブクログ登録も...
      ベルガモットさん

      『ぼくの宝物絵本』穂村さんの絵本の思い出集みたいなのが、確か酒井駒子さんの表紙絵のような。ずっと前に読んでブクログ登録もしてなくてうろ覚えです‥
      2022/09/14
    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん

      『ぼくの宝物絵本』表紙は酒井駒子さんだったんですね!
      教えてくれてありがとうございます☆
      こちらも読みたい本登録にしまー...
      111108さん

      『ぼくの宝物絵本』表紙は酒井駒子さんだったんですね!
      教えてくれてありがとうございます☆
      こちらも読みたい本登録にしまーす
      2022/09/15
  • 再読。「しーん」「カチッ」「はっ」「ちゃぽん」「みつあみちゃん」 言葉はこの五つしかないが、1ページ1ページの酒井駒子さんの絵が瞬きの一瞬を美しく描いている。最後のページをめくった時にドキッとさせられた。人生も何もかもすべてが、「まばたき」する間の一瞬の出来事なのかもしれない。

  • すごく素敵な絵。
    文字はすくない。
    一言。
    一瞬のじかん。
    瞬間を切り取り、描かれている。
    見逃したくない瞬間を。

    最後はびっくり!
    大事な瞬間ひとつひとつを
    大切に過ごしたってことなのかな・・・。
    人生あっというまだよってことなのかな。
    他の人の見解も聞いてみたい。

  • プレゼントで頂いた絵本。
    酒井駒子さんの絵が好きなので、開けた瞬間テンションが上がったのだけど、読んでみてとても静かな気持ちに。
    ほとんど文がない絵本で、深くて少し怖くて、とても味わい深い。

    まばたきしている瞬間を切り取ってつなげたら、果たしてどんな映像が出来上がるのだろうと考えた。
    一瞬のまばたきの間に「あれ?見逃した?」ということは実際たまにあって、取るに足らないように思えるほんの一瞬の隙に何かが動くこともあるのだと思う。

    光陰矢のごとし。
    ではないけれど、年月も振り返ってみたらほんの一瞬のことなのかもしれない。
    折に触れて開きたい絵本。

  • 一生分の長さをヨウカンに見立てたとして。

    (一日分だけ切り分けて。)
    と、言われたら
    一体どれくらい切ればいいのだろう。

    時間の尺度の無いこの世界で
    ヨウカン一本渡され
    途方に暮れてしまいそうな絵本だ。

  • すごい絵本だった。

    絵本というか、画集のような美しい絵なんだけど、画集ではなくて、まるで映画。

    大事に持ち帰って、自分だけのソファーで静かに読みたい。。

    逸る思いで読んでしまってはいけない。まばたきしてる間に、物語がどんどん進んで行ってしまう。ラストの絵を見て、ドキドキしてしまった。

  • 酒井駒子と穂村弘、楽しみ!

    絵本「まばたき」 一瞬の時間 - 絵本の森
    https://kaoruehon.com/picture-book-mabataki/

    絵本「まばたき」 作:穂村弘 絵:酒井駒子 | 神戸のデザイン事務所bow's Design(ボウズデザイン)
    https://www.bows-design.com/?p=3608

    まばたき - 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。
    https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b192335.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      <BOOK>まばたき (穂村弘/作 酒井駒子/絵) | 暮らし・文化 | 佐賀新聞ニュース | 佐賀新聞
      https://www.saga...
      <BOOK>まばたき (穂村弘/作 酒井駒子/絵) | 暮らし・文化 | 佐賀新聞ニュース | 佐賀新聞
      https://www.saga-s.co.jp/articles/-/870555
      2022/06/16
  • ほんとうにせつなくて、まばたきなんかしてるばあいじゃない。

    だけど、みつづけるつらさもよくわかる。みなくていいことだって、じんせいには、あるんだから。であわなければ、よかったひとだって、いるものだから。であいたく、なかった。そんなこともある。せつなの瞬間を、大切にしよう。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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