- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265911134
感想・レビュー・書評
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「モチモチの木」のコンビによる作品。
拙本棚では、現在二段目あたりにある「猫山」と同じ。
でもこちらは、作者の斎藤隆介さん亡き後に、滝平さんが版画を添えて世に出したもの。
そう知ってから読むと、何だかとびきり優しいお話なのも分かるような気がしてくる。
ちなみに、これが二人のお名前で出た本の一番最後の作品らしい。
主人公はかみなりの娘であるおシカ・7歳。
下界の子どもたちが「セッセッセ」と遊ぶのが楽しそうで羨ましくて。
何とかして自分もあの中に入って遊びたいけれど、かみなりの子は下界の子と遊べないらしい。
それは、頭のてっぺんに生えている小さな角のせい。
そこでおシカの考えたことは。。。
この、角を隠す方法が本当にいじらしい。
もう可愛くて可愛くて、表紙絵にはぴったり。
うまく角を隠したおシカは、とうとう両親の目を盗んでいざ下界へ!
そして、人間の男の子との淡い淡い初恋を経験する。
ああ、これは特に女の子が好きそうだわ。
ふたりっきりで「セッセッセ」をしながら手が触れ合う場面なんて、胸がキュンとするかも。
おシカが思わずうれし泣きするところなんて、あまりのピュアな描写に大人の私もキュン!
好きな子のヒーローになりたい男の子にとっても、魅力のある話。
心に染みる人間の子とかみなりの娘との交流に、何だか憧れさえ抱いてしまう。
雲の上と下界という話の舞台も、「八郎」に次ぐスケールの大きさかも。
ゆっくり読むと約15分。低学年から。
梅雨もあける頃、夏が来る前に読みたい。
「セッセッセ」は、ごく簡単なメロディを付けると良いと思う。
ところで、今のお子たちもこの手遊びをするのかしら?
地域性もあるだろうけれど、ブク友の皆さんの「セッセッセ」の次の歌を聞きたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かみなりむすめのおシカは、雲の上から村の女の子たちが遊んでいるのを見て、まねて覚えたセッセッセをして遊んでいた。
いつもひとりぼっちで。相手は雲の柱だけ。
「おら、村の子たちと、セッセッセをしてあそびたァーい!」
とうとうおシカは短い髪を上へかきあげ、頭に生えた小さいツノを赤い紐で包んで縛ると、おっかあに内緒で下界に下りてしまった。
ところが、村の女の子たちは、見慣れないおシカを仲間に入れてくれない。
でも、その中にたったひとり混じっていた男の子の茂助が、セッセッセをして遊んでくれた――。
一人の少年がかみなりの娘に寄せる好意を通して人間の心のやさしさを描いた、斎藤隆介先生没後、その作品の絵画化に力を尽くした滝平二郎先生によって刊行された絵本です。
セッセッセ…と歌いながら、チョンチョンと手を打ち合わせるうちに、茂助のやさしさがおシカの体に染みとおっていく。
かなしいのではない。たのしいだけでもない。
胸があまくなって、ポロポロ涙がこぼれてくる。
そんな描写、優しいまなざしが印象に残ります。 -
2012.5.4.fri 読了
【入手経路】
図書館。
「ふき」に続いて読みたくなった。
【すき】
・めんこいツラこしてるからとひやかされても遊んであげる茂吉。
・「なんかしてもらいたいことあるか?」「セッセッセ!」
・むねがあまァくなって
・茂助のやさしさが、手をうちあわせるごとにからだにしみとおってくるのだ
【感想】
茂吉がいい男‥!
じぶんに男の子ができたら読んであげたい。
【メモ】
・かみなりむすめのおシカ
・セッセッセ
・茂助
・雷雨
・がけの岩屋
・火柱
・七色のにじの橋
・かみなりおやじ -
甘酸っぱい初恋のお話。
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おーーこれはいい><
斎藤さんと滝平さんのコンビはすばらしいなあ
なんてピッタリなんだろう!
かみなりむすめのおシカちゃんは、角があるから下界のこと遊べない
けどちょんちょこりんにしてこっそり出かけてって
茂助っていうやさしい男の子に遊んでもらう話
茂助くんやさしいなあ・・
ちょーすきです -
これはすっごく欲しくなった本。
この方の切り絵、とても大好きなのですが、話も可愛らしかった。
人間の子どもたちと手を打って遊ぶ数え遊びをしたがった雷の娘が両親に内緒でこっそり地上に降りてくる話。
みんないやがって遊んでくれないのですが、ひとりだけ、遊んでくれる男の子がいるのです。
しかも、その子、周りのみんなから女の子が可愛いからでしょーとか責められている。あーありそう…
それでも、遊んでくれる男の子。
かみなりむすめを探す為に、彼女の両親が土砂降りの雨を降らせたり、雷を鳴らしたりと大捜索を開始します。
で、彼はかみなりむすめをつれて洞窟に避難するのです。
「何かしてほしいことがあるか?」のようなことを聞く彼に対して、娘が答えたのが「遊んでほしい」ということで、彼女の答えに対する苦笑と、その後の手を打ちあって遊んでいる様子がとても優しくてあったかったです。かみなりむすめの涙もとてもやわらかなものでした。
文と絵のマッチが本当によくて、だからじんときたのだろうなと思えました。優しい物語です。
色遣いもとてもきれいでした! -
かみなりむすめの「おシカ」は、雲の上から、下界の村の子たちの遊んでいるのを見ていました。
人間の子と遊びたい、一緒に「せっせっせ」がしたいのです。 -
「村の子どもたちとあそびたくて、親にないしょで下界におりたかみなりむすめの物語。やさしさにあふれた美しいきりえの珠玉絵本。」
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心の優しい少年がでてくる温かい話。
かみなりむすめがひもで髪を縛る描写は、まさに自分の娘もやりそうな様相で、微笑ましい。
子供に読み聞かせるのに良いオーソドックスな絵本と思う。