うさぎ屋のひみつ (現代の創作児童文学4)

著者 :
  • 岩崎書店
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本棚登録 : 86
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265928361

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  • 著者の描写する物語の町の情景や風景は異国情緒が漂うのにそれでいて懐かしいような、古いけれど新しい外国のようですぐ隣の町のような不思議な世界観に満ちている。

    登場人物、登場するもの言う動物たちが大人でも子供でも不思議な背徳のような好奇心のような攻撃心のようなスリルに満ちている。
    「~してはならない」とハッキリさせるのでもない。善悪の区別も曖昧だけれど、胸の真ん中にキュッとした痛みを感じさせる作品ばかり。
    「きつねの窓」以外、読んだことはなかったけれど、因果応報的に物語が収束するわけではない不思議な安堵がもたらされる。
    こんな作品にたくさん出会えた子どもは幸いなり。もの言う猫やウサギに会いたい。

  • 児童小説。一話目の奥様。

    夫が会社に行った後、
    掃除も片付けもめんどくさい、
    本を読んだり、手芸をしたりしています。

    そして、毎日、夕方にああ、晩御飯作らなきゃ、と思うのです。

    この奥様、私かと思ったよ。

    アクセサリー月に一つで毎夕食事を配達する、
    といううさぎの営業にのったのは奥様。

    なのに、アクセサリーを巻き上げられてる!って思い、
    うさぎから指輪を取り返そうとする。

    ええええっ、逆切れ?

    結末は思ってたようなブラックではなかったけど、
    なかなかシュールな短編集。

  • 不思議な話の短編集。
    最初の「うさぎ屋のひみつ」で雰囲気が民話っぽいなと思った。
    ラプンツェルとかその辺り。
    「サフランの物語」は雪の女王の花園っぽい。

    最初は不思議な力を持った人外がずるい人のわがままによって割を食う話なのかなと思った。
    それから、ああこれは弱い人が荷物を少し肩代わりしてもらう話なんだなと思った。
    荷物を受け取る側が好むと好まざるにかかわらず。押し付けか自発的手助けかもかかわらず。

    みんななんとなく物悲しくて、言葉もストーリーも美しい。
    ロールキャベツやらプリンやら、食べ物がおいしそう。

  • どの話も、幸せを感じる一方で悲しさや寂しさも感じる。
    誰かの願いが叶うころ他の誰かは泣いているよ…って宇多田ヒカルも言ってたよ。

  • 小学校の頃読んだ不思議な児童文学。うさぎと奥さんの悲しいような奇妙な駆け引き。画家の寂しさ。そういう断片的な記憶ですがすごく印象深い本でした。食事の配達サービスというものが現実にあると知ったのはこの本を忘れた頃のことです。

  • この本に出てくる料理が美味しそうで美味しそうで。
    ロールキャベツといったら真っ先に思い出すのがこの本です。
    魔法の調味料で作った料理、一回食べてみたいなあ。

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>リスト外の、「読書感想文を書きやすい本」として紹介された一冊。

  • これ、好きだったな。
    小学校の図書館から、母の好きだった安房直子の本をとにかく漁った。その中でも一二を争うくらい好きなお話。
    ウサギの狡猾さ、人間の狡猾さ、欲深さ。最後はスッとするようなお話で、今ならなんともないんだろうけど、なんというか、小学生だった私には、ちょっとホラーだったんだな。

  • 「星のおはじき」が最も心に残った。辛い環境なのに一生懸命明るく生きようとしている「わたし」。あやちゃんのひどい言葉に「心の中がすうっと青く」なり「指先が凍ってゆく」…。「わたし」がしたことはいけないことかもしれない。だけど正直に謝ってすっきり仲良しなんて結末は彼女にはない。常に正しくあれ。子供はそう厳しく教えられるけど、こういう結末もあっていいんだよね。逃げてもいいんだよ、もう十分頑張ってる、苦しみを手放しなさい。なんて救いのある結末なんだろう。

  • 教訓じみたような童話がつまっています。

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著者プロフィール

安房 直子(あわ なおこ)
1943年1月5日 - 1993年2月25日
東京生まれの児童文学作家。、本名:峰岸直子(みねぎし なおこ)。
日本女子大国文科卒業。大学在学中より山室静氏に師事する。作品に『まほうをかけられた舌』『花のにおう町』絵本『青い花』(いずれも岩崎書店)、『白いおうむの森』(筑摩書房)『やさしいたんぽぽ』(小峰書店)などがある。『さんしょっ子』で日本児童文学者協会新人賞を、『風と木の歌』(実業之日本社)で小学館文学賞を、『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞を、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞を受賞する。ほか、『きつねの窓』が教科書採用されており、よく知られている。
1993年、肺炎により逝去。

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