慶応わっふる日記

  • 潮出版社 (1992年1月1日発売)
3.80
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784267012815

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幕末、将軍家の御殿医だった蘭方医の娘・今泉みねが口述で著した『名ごりの夢』を元にしており、村田さんの昔からの愛読書の一冊だったことが巻末に記されている。
    小説は慶応三年の冬の訪れまでの数年間の少女の姿を描き、維新前夜の日増しに混迷の色を深めゆく時世にあって、聡明な少女が捉えた世情や時代に対する感慨と、瑞々しい感性の眼差しに映る日々の喜び愉しみとが語られていく。
    終盤は邸に暮らしてきた人々が次々と去っていき、幸せだった時代に終わりを告げるかのようで、それでも変わりゆく時代を臆せず見つめていこうとする主人公の凛とした姿が印象に残る。

  • あの時代を女の子の目線で丁寧にささやかに。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村田喜代子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×