レ・ミゼラブル〈1〉- ヴィクトル・ユゴー文学館〈第2巻〉

  • 潮出版社 (2000年7月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267015625

作品紹介・あらすじ

わずか一片のパンを盗んだために十九年間投獄されたジャン・ヴァルジャン。主人公の名とともに馴染み深い不巧の名作がユゴー研究第一人者によって名訳で蘇る。

レ・ミゼラブル〈1〉- ヴィクトル・ユゴー文学館〈第2巻〉の感想・レビュー・書評

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  •  無知と貧困がいかに人を貶め、過剰な刑罰と軽蔑がいかに罪人を追い詰め、絶望と怒りがいかに窮人を苛むか。

    「悲惨な人々」というタイトルの通り、作中には不仕合せな巡り合わせによって社会からつまはじきにされ、虐げられる人が何人もでてくる。
    それはジャン・ヴァルジャンでありファンチーヌでありコゼットであり(おそらくジャヴェールも)…みな本来なら幸せを掴んでしかるべき善い人間のはずなのに、少しの過ちが、彼らをいつまでも束縛し続ける。

     当時の社会情勢を交えつつ語るユゴーの口ぶりは軽快でも、描き出さんとするものは余りに重い。

     地位と名誉を手に入れたジャンヴァルジャンが、自分の身代わりに罪を被せられようとしている男の存在を知り、全てを捨ててその男を助けるべきか否かに葛藤する場面の心理描写は、特に凄まじいと思った。
     
     自首することで失われるものの大きさ。それはこれまでの全ての善行を台無しにすることであり、彼が養っている全ての弱者を放り出すことであり、やっと手に入れたまっとうな人生を手放して地獄に舞い戻るということ。
     しかし、もし自首しないとすれば、きっと彼はこの後ずっと良心の呵責から逃れることはできないのだ。
     ここの二つの選択肢のせめぎ合いは息をつけないほどの緊張感に満ちていた。私なら自首できない。

     いや、でもやはり、ジャンヴァルジャンの選択は「正し」くはあっても、間違いだったのではないかと思ってしまう。もしここで彼が自首しなかったのなら、作中の悲劇のいくつかは止められたに違いない。もちろん、それによってジャンヴァルジャンはまた新たな罪を背負うことになる。それも、理不尽に「背負わされた」ものではなく、自らあえて「背負った」形としてだから、その良心の痛みは計り知れない。
     この一点の傷が、その後の彼の全ての善行に染みをつけるのだとしても、それでも…ファンチーヌを子供に会わせてほしかった。

  • ミュージカルを観たことがあるので、大体の話を知った上で読んだが、
    ミュージカルは「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンのエピソードを取り上げたにすぎなかった。
    レ・ミゼラブルはその名の通りles miserablesだった。
    ここまで読んで映画を観たけど、省かれてしまった背景のことを思いながら観てたら最初の方から泣いてしまった。。。
    フランスの時代背景や偉人の名前(?)が結構出てくるので、すべてきちんと読むのは大変だけど、ミュージカルや映画で「レ・ミゼラブル」に興味を持った人は本も読んでおくべきではないかと思う。

  • 3巻全て読んだ上で。以前、ドラマでレ・ミゼラブルが放映されていて、それ以降ずっと読んでみたかった作品だったが、さすがに文学界最高峰の作品の一つだけあって非常に読み応えがあり、社会全体のシステムについて深く考えさせられた。ユゴーは進歩主義を本気で信じていて、このような小説を書いたわけだが、相変わらず戦争もなくならず貧困もなくなっていない今の世の中を彼がみたら一体何と言うだろうか・・・色々と考えさせられる作品だった。読む際の心構えとしては、ところどころ話が脱線し、しかもそれが酷く退屈な話の場合があるので、そこを我慢して読まなくてはいけないところ。そこさえ耐えれば、本当に様々な示唆を与えてくれる作品だと思います。

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