ゲーテ全集 3 戯曲

  • 潮出版社 (2003年5月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784267016639

感想・レビュー・書評

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  • 原文は韻文です。池内紀訳は散文で、韻文の山下肇を選択しました。気品があっていい訳でした。20代の頃は手塚富雄訳を読みました。

    翻訳というより年齢のせいだとおもいますが、45才の今読むと新しい発見がいろいろありました。昔は百鬼夜行的な魔女の祭りにワクワクしたものですが、今回は悲劇が胸をつきました。しかし不可解に不幸になると悲劇度が高くていいなと思うのに不可解に救われると落ち着かないのはなぜでしょう。

    いきなり薬害の話が出てきたことにも驚きました。ペストより怖いペストの薬で患者が死んでいったのに村人は助けてもらったと思って喜んでいるというシーンです。ゲーテの侍医がモデルのようです。今となっては風刺がきいています。

  • あの有名な戯曲『ファウスト』の第一部・第二部、そして初稿である『ウルファウスト』が完訳で収録されています。
    『ファウスト』の翻訳は、日本人でも分かりやすいようにされているらしく、それが面白みを出しています。突然『おかめ』や『ゲゲゲの鬼太郎』が出てきてびっくりしました。『ウルファウスト』は初稿らしく、完成品と比べて欠けている箇所が多いです。また第二部に当たる部分がありません。『ファウスト』と読み比べることによって、『ウルファウスト』から完成に至るまでのゲーテの労苦を窺い知る事が出来ると思います。
    また本編も面白かったです。途中で詩的な部分が続き、ダルかったりもしたのですが、それがストーリーを彩っています。ファウストが遂にメフィストフェレスとの契約を完遂した時、メフィストと天使達との間で戦いが繰り広げられ、嘗てファウストと恋に落ちたグレートヒェンの祈りによって天使達が勝利したことが分かる場面は、ゲーテの美しい詩的な文章が重要な役割を果たし、ストーリーを盛り上げていたと考えます。更に、ところどころで見られる警句的な言葉には、ゲーテの本音が滲み出ているようです。
    「およそ生活も自由も、日々それをかちとってやまない人間だけが、それをわがものとし、その実をあげるのだ。
    こうして、ここで、子供も大人も老人も、
    危険にとりまかれながら、健気な歳月をすごす。
    こういう人群れをまのあたりにしながら、
    私は自由な土地に自由な民とともに立ちたい。」
    ドイツ理想主義と新人文主義、古典主義に立脚した、非常にゲーテらしい作品のゲーテらしい文章だと思います。

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著者プロフィール

1749年ドイツ・フランクフルトに生まれる。小説「若きウェルテルの悩み」などにより疾風怒濤(文学革新運動)期の代表的存在となる。政治、美術研究、自然科学研究の分野でも活躍。他作品に戯曲「ファウスト」「エグモント」小説「ウィルヘルム=マイスター」「親和力」自伝「詩と真実」「イタリア紀行」詩集「西東詩篇」などがある。1832年没。

「2021年 『ゲーテショートセレクション 魔法つかいの弟子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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