- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267017353
感想・レビュー・書評
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とにかく旅の本が好きで、ついつい手に取ってしまう。川本三郎氏もあちこち行けて羨ましいなと思うが、まあこれが仕事なのだから。
旅は「ひとりで行くに限る」というコラムがあるとおり、ほぼ全編一人旅。
百閒と荷風の岡山とか、車内読書の楽しみとか、古本屋で見かけたら買ってしまうわな。
行きたくなったのは室蘭、鎌倉。鎌倉の項にはきちんと『天国の地獄』のエピソードも書かれている。
引用したいと付箋を貼ったのは次の文章。
「暮らしやすい町の条件は、豆腐屋、古本屋、そして銭湯があることだとかねがね思っている」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「旅」と言うと大げさに考えてしまうけれど、
川本さんはふらりと出掛けて、
身近過ぎて見逃してしまうその場所の
諸々を発見。
その日で終わらなければ、突然お泊まりとなる。
この自由でのんびり、
寅さん的時間、うらやましい。
ところどころ、
ちょっとお勉強押し付けに思うところがあったりするけれど、
ごくごく普通の「お散歩」が
素敵だな、と。
自分もこんな感じを心がけて、
出かけたくなる。 -
旅好きなので楽しく読めました。
ひとり旅の達人にいろんな穴場スポット教えてもらってる感じ。
旅先での図書館、文学館を探す目利きはさすが。
川本先生オススメの気兼ねなく呑める居酒屋、行きたすぎる -
1944年生まれ、川本三郎さん、還暦時のエッセイ「旅先でビール」、2005.11発行。次の5つの章立てです。それぞれの章、読みやすく、わくわくします。①ご近所の緑:生垣が町をきれいにする、コブシで知る春など ②日本の町を歩く:社内読書、そばと温泉、列車に住みたい、住んでみたい町など ③駅物語:尾久駅、深谷駅、遠軽駅、生田原駅など ④旅の友は映画と文学:映画文学を追ってひとり旅、歩く楽しみなど ⑤居酒屋の片隅:駅前食堂、そば屋で燗酒、コの字型のカウンターなど。
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2015/10/15
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弥太郎氏お勧めで手に取る。
最初はよくある旅エッセイだなと思っていたが、何か染々深みを感じる文章。
そういう風景は素敵だなと思うが10年前では、今は見れないかなと少し寂しい気持ちもに。共感できる部分も、よくわからない部分も。
旅先でビールを飲むのが好きだが、残念ながら読んだだけでは飲みたくならなかったな。 -
昔在りし日の姿、今の姿。
移ろいゆく時の流れを噛みしめながら今後数十年、旅を楽しもう。
たまには列車の旅も良いかもしれない。
やっぱり旅の醍醐味はビール。
日差しが暖かく、屋外であればなおのこと良い。
完全にタイトルに惹かれ手に取った1冊。 -
タイトルがツボったので手にとってみた。平たく言えば作者の旅先日記的なもんかなぁ。暖かい話しがほんのりとさせてくれる。
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本のサイズはコンパクトだけれど、読んでいるとその厚さ(351ページ)ゆえに持ちづらく、手が疲れてしまう。しかしそれを覚悟のうえでも、外に持ち出して読みたくなってしまうぐらい、夢中になれる本だった。
著者が様々な雑誌に寄稿したコラムが集められており、話一つの長さは平均して2~3ページほどとそこまで長くない。電車の中で読んで、目的の駅で降りるまでの時間を吟味しつつちょうど良いところまで読み進められる。かつそれらは元々単体で読まれることを想定して書かれた文章なので、わかりやすく、またどのお話も冒頭部分が素晴らしいと感じた。グッと惹きつけられる最初の一文。小さい頃から、作文の冒頭部分を書くのがとても苦手だった私。このテクを上手に盗んでしまいたい。
そして内容。「旅先でビール」というタイトルにビビっと来た私の勘は正しかった。旅、鉄道、まちあるきが好きな人、丁寧でゆっくりとした生活に憧れる人におすすめ。私は、ときどき出てくる著者の奥さん(と、著者との関係)が好き。 -
川本三郎さんの小説(特に永井荷風)と古い街並みを繋ぐ文章を読むとどんな街でも、ゆっくり歩くことで楽しい旅行になり得ることを教えてもらえる。歩き疲れて、一日の最後にありふれた居酒屋で飲むビールを自分も飲みたくなる。
誰もが読んで面白いと感じる本じゃないかもしれないけれど、この本を読んで、同じような電車と徒歩の旅行がしたくなるような人とは、いい友達になれそうな気がする。