- 本 ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267019661
感想・レビュー・書評
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これを読んでけっこううなずけることも多く、メモを取りながら読ませてもらった。ためになることが書いてある一方、著者の自慢らしきことも散見されるが気にせず読めばいいかも。
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第57回「しあわせについて考える20冊」
三葛館一般 159||UM
心療内科医、海原純子さんによる「幸福な人」になるためのアドバイスと実践方法をまとめた一冊。
著者が考える幸福とは?また、ストレスや困難と上手に向き合い、「幸福力」を身につけるためのコツなど、長年の経験と最新の医学的知見を交えながら分かりやすく解説してくれています。
最近幸福感を感じられない人、もっと幸福になりたい人・・・是非読んでみてください。読むだけでも発想の転換ができて、より幸福感を得られるはずです。
(かき)
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=79341 -
新聞の人生相談欄で見る人だなーと手にしてみました。…これは、タレント本?幸福になるには人を羨まないと言いつつ、隙あらばご自身の例を出し、まーそれが「一流の料亭に通いつめて料理を覚える、一見お断りの店ですよ」とか「フランスでアロマを習い、パリで買った精油をバッグに入れてます」とか。…自慢ですか。他人を羨むなと言いつつ、ひけらかす。これはもしかしたら、ご自身が満足されるために、幸福力(自身の)上げるために書かれた本。納得です。なんか今後の相談欄の見方変わっちゃうよ。ついでに私は、一流レストランのシェフの味より、母の手料理のほうが大好きです。
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アメリカで注目されている「well-being」
経済的にある程度満たされて、ある程度健康で、社会のなかに自分の居場所があり、交友関係もほどほどのネットワークがある。さらに自分が一生懸命やりたいと思うものもあるといった、いろいろな要素によって成り立つ幸福な状態を示す。
経済的な豊かさとコミュニケーションがどう関係するかというもの。
女性の場合、経済的ゆとりがなくなると、まわりとのコミュニケーションが悪くなる。とくに若い女性では友人関係が疎遠になり、中年女性の場合は、親戚や近所の人との関係が悪くなるという傾向があった。
幸福な人の条件の1つは、
「嫌なことを乗り越えていく力」を持っている人。
「幸福力」を高めるためには、どうしたらよいか?
「幸せになろう」というビジョンを持つこと
行動に心をこめること
アメリカでは「体と一緒に心も動く」という言葉がある
憂鬱だったり、億劫だなと感じるときは、少しでも体を動かしてみると心も軽くなる。
怒りの感情や攻撃性は体を動かすと減退するともいわれている
ストレスをためやすい思考
「拡大視と縮小視思考」
1、いやなことばかりを大きく捉え、良いことを見ようとしない。失敗したことにとらわれてよかったことはすぐにわすれる。
2、「すべてか無かの完ぺき主義」
3、先の先のことまで思い悩む「先読み思考」
4、一般化思考
一度失敗したらすべてがダメだと思ってしまう。
一人に嫌われたら全員に嫌われていると思ってしまうような思考。
自分のことを客観視するために、「書くこと」をする
ノートの上半分に起こった出来事、下半分に自分が感じた気持ちを書く。自分カウンセリング
ストレスの対処法
「身体面」「自己表現」「サポート」「物事の捉え方の転換」の4つのアプローチがある。
「身体面」体を動かす。アロマテラピー、睡眠
「自己表現」
人は年を取ると、だんだん人間関係が狭くなる傾向にある
日本人は、人に迷惑をかけないことが美徳と考える傾向にあるが、アメリカ人は、迷惑をかけ合いながらともに生きるという発想をもつ。
表現力を身に付けるのは、しっかりと本を読むこと、文章を書くこと。書く訓練、話す訓練を学校教育はしてきていない。
参考にしたいのが、アメリカの大学などで教わるエッセイを書く際の基本トレーニング
全体像 → タイトル → 事例 →それに関するデータやエビデンス → 最後に結論
他人の幸せを願うこと、自分を犠牲にしたとしても他人の利益のために行動すること
「聞く」ことは、聞き出すのではなく分け合うこと
ひとりで何とかしようと思わず、チームを組むことも必要。
つらいときに、話を聴いてもらっただけで心が楽になったという経験は、誰しもあるのではないでしょうか。話す場がある、自己表現する場があるというだけで、人は救われるもの。
人と人をつなぐユーモアの力
人と人とが距離を縮め、心通わせていく過程にあって、「ユーモア」は非常に大きな役割を果たします。
評論家・エッセイストの外山滋比古氏は、『日本大百科全書』を引用して、「自分と他者を同じ高さに置き、しかも相手に思いやりをかけて笑うとき」に真のユーモアが生まれてくるとしています。(『ユーモアのレッスン』中央公論新社)。このようにユーモアには、よりよい人間関係を築くための要素が含まれているのです。
どうしたら自分に秘められた能力を知ることができるのか?
→できないこと、苦手なことに挑戦すること。
『生涯学習』という言葉がある、若いうちよりも歳をとってからのほうが、ある意味では勉強に適している。
人の悪口を言ったり、うわさ話に興じている暇があったら、自分のもつさまざまな能力に磨きをかけたほうがいい。
アメリカでは「サクセスフル・エイジング(successful aging)」という考えが注目されている。
これは、「老いて受け容れて、健康で幸福な老後を送る」ということ。
一般に、歳をとると記憶力が失われ、脳の働きが衰えるといわれている。しかし、語彙を豊かにし、物事を論理的に考える訓練を続けていると、思考能力は衰えるどころか逆に向上する、という研究成果もある。
自分で考える習慣をつけるもう一つのメリットは、「感情をコントロールできるようになる」ということ。
人間関係での失敗は、多くの場合、「事実と想像を混同してしまう」ところからきている。
「あの人は私の陰口を言っている」「きっと私のことが嫌いなんだ」と、あれこれ想像を膨らませ、何の根拠ものない妄想を事実と信じ込んで怒りや恨みをかきたててしまう。物事を論理的に考える訓練ができえtいないために、キレてしまう。
なぜ中高年サラリーマンに過労死が多いのか?
→一つの仕事や役割に没頭し過ぎて、物事を客観的に見ることができなくなり、心身が疲れてしまうためではないかと思う。
メンタルヘルスの世界では、「喪の仕事(グリーフワーク grief work)」という言葉がある。
これは大切な人の死に直面して喪に服し、哀しみを受け容れていく過程を意味する。
愛する人の死を克服するために有効な方法
故人が元気だったころのことを思い出す
「表現すること」例えば、亡くなった人に手紙を書き、自分の個人に対する気持ちを言葉で表現してみる。
こうしたことが喪失感を癒す効果がある。
著者の好きな格言
「少にして学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず」(佐藤 一斎)
歳をとっても学ぶことをやめず、思考を深めていく人は、死んだ後も朽ちることなく、人々の心のなかで生き続ける。その生き方が人の心を打ち、「自分もしっかり生きなければ」という気持ちにさせてくれるからです。
ボストン大学の「トラウマセンター」に勤めているヨガのインストラクターから、「意識が外に向いているときは、『自分の足の裏がどこにあるか』を意識するといい」と聞いたことがある。
もう一つの方法は、「声を出す」こと。
いざというときに人のためにに動ける人は、普段から自分に何ができるのか、自分の役割は何かを考えて生きるように思う。
疲れた時にはストレッチ!
医療分野で使われている「メディカル・アロマテラピー」
アロマテラピーとは植物から抽出した精油を使う芳香療法で、なかでもフランスのメディカル・アロマテラピーは、医師の処方箋にもとづいた本格的なもの。
天然の精油を使うこと。(無農薬栽培)
「天然の植物を水蒸気蒸留したもの」
「自分の体のことをよく理解する」
休むことに罪悪感をもたない
「リラックスするための時間を積極的に作ること」
不眠の解消に意外と効果があるのが「単調な行為を繰り返すこと」
夜中にどうしてもお腹が空いてしまったら、ホットミルクやハーブティーを飲むのがお勧め。
ヨーロッパではラベンダーはマザー・テレサのイメージとされ、「疲れたものを包み込む癒しの香り」
元気がない時に使うと効果があるのが、「活発な若い青年の香り」といわれるローズマリー。
イランイランは、インドネシアでは新婚夫婦の寝室に置かれる花で、緊張をほぐし、官能を呼び覚ます効果がある。
「老年」には2つのタイプがある
1つは、年齢相応に中身も老け込んだタイプ
これは「オールド・オールド」
2つ目は、暦年齢は高齢でも心が若々しいタイプ
こちらは「オールド・ヤング」
若くても心がすでに若さを失っているのは「ヤング・オールド」 -
心療内科医とあるが、アドバイスが軽い。専門書の記述をかみ砕いて表現している部分もあり、全面的に悪書だとは思わないが、こうもぽんぽんと「こうした方がいい」と矢継ぎ早に言われても、頭にも心にもなにも届かないし、残らない。この手の自己啓発本ならば当たり前なのかもしれないが、参考文献リストが全くないのも気になる。
特にP89の過労死をめぐる記述で、「実際、いろいろな役割を兼ねることが、過労死を防ぐコツだという研究成果もある」と書かれているが、原論文を読んでみたい。必ず被験者に関する制約(性別や世代、地域、調査時など)があるはずなのだが、地域・性別・時代共通なのだろうか。私はこの説に疑問を感じる。男性の過労死が多い理由は、ジェンダーの視点も踏まえ、もっと深刻な構造があるはずだ。また、ここでいう「役割」の意味もあいまいだ。同じ組織で多くの役割を引き受けすぎて、深刻なジレンマを抱え、過労しているケースもあるからだ。
一点批判を加えたが、興味深い点も二つあった。
1.「思う」という行為は、それ自体、大きな力をもっていることがわかってきました。(P44)
2.アメリカの調査で、収入格差の多い州ほど不幸度が高かった。(P19)
どちらも著者の研究成果ではないのだろうが。 -
5月新着
著者プロフィール
海原純子の作品





