本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784267019715
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
西郷隆盛から石原莞爾まで幅広く論じているが、大川周明のアジア主義者としての要件とイスラームの宗教的可能性についてが最も考えさせられる部分だった。
全体的にはまとまりがないのだが、情報量は豊富で読む価値はあり。ただし、著者が恣意的に文献引用している点や、著者のリベラル保守という思想的スタンスを留意して読む必要はあるだろう。 -
戦後70年を迎えた2015年。フランスで風刺週刊誌の編集部がイスラム過激派に襲われた。
本書を読み終えた後に、フランスの事件があって、やはり戦前から延々と続く西洋が世界の基準である「西洋の覇道」は、破綻していると感じる。
70年以上前に日本は、西洋に植民地化されたアジアを解放して、アジアの連帯を目指そうとした。だが、結果的に侵略の一途をたどった。中島岳志氏が指摘するように、アジアは仏教徒、神道、儒教、ヒンドゥー、イスラムが「一つの世界」として構成されてきたのである。「この観念に回帰して、ここからアジア連帯の背骨を構築し、近代西洋世界に対する価値の巻き返しを進めるべき」という意見には同意である。
その上で、日本は自分たちが侵略の歴史を修正して解釈するのでなく、なぜそうなったのかを反省しなくてはいけないという。まさにそうだろう。
過去の過ちを直視するのは、気持ちの良いものではない。だが、アジア主義を掲げた志士たちの当初は、侵略ではなく、連帯を目指した熱い想いがあった。そこをしっかり理解すれば、なぜ過ちが起きたのかは、むしろ知りたくなる。
つまり、イスラム過激派のテロが生まれたのは、アメリカを中心とした西洋に虐げられた戦後の話。欧米が過ちを認めることができれば、まだ世界はやり直せる。そう思わせてくれるのが、本書である。
と書いた後に、安倍首相がイスラエルで声明を発表し、イスラム国によって日本人2人が殺害された。日本は西洋との有志連合で生きるのが正論とは思えない。中東を含めたアジアとの連帯をもう一度考える平和的なスタンスを考えなくてはいけない。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:311.21//N34
-
14/07/16。
著者プロフィール
中島岳志の作品
本棚登録 :
感想 :
