言葉を旅する

著者 :
  • 潮出版社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267020063

作品紹介・あらすじ

出会い頭の本、酒が進む本、人生最後の読書…「本」がなければ、きっと人生は味気なかった。ノンフィクション界の泰斗が、"人と本"への愛を綴った自選エッセイ86本を一挙収録。

感想・レビュー・書評

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  •  王「江夏とは12年間闘ったけれど、確かデッドボールはひとつもなかったと思いますよ」。2011.3.11、河北新報のいちばん長い日。かつて、中国新聞が原爆を、沖縄タイムスが沖縄を、熊本日日新聞が水俣を、神戸新聞が阪神・淡路大震災を。梅棹忠夫「知的生産の技術」、初版は1969年、136万部。後藤正治「言葉を旅する」、2015.3発行。「言葉と本」にかかわるエッセイをまとめたもの。5部構成:ひと言の余韻、書の解題、読書日記、書を評す、散歩道。一息に読了しました。

  • 東2法経図・6F開架:019.9A/G72k//K

  • 昨今、読書というと、第一に、ビジネス書やノウハウものなど、所謂ハウツー的な書物がもてはやされているようにも感じています。
    次に、著名な作家や受賞作家のフィクションでしょうか。

    どちらも良いものであるのだと思いますが、個人的には「読書」とする対象としてはとても違和感があり、その違和感がなんなのかを、分からずにいました。
    本書は、私が感じていた違和感を理解するきっかけを、与えてくれました。

    ハウツーや合理的なだけのものに強い興味を持てない、それにも関わらずノンフェクションを愛する私が認識する「読書」とは、言葉を旅することと同義なのかも知れません。

    【本書抜粋 著者】
    翻ってみれば、我々の世代も、別段、本を読む層はそんなに厚くはなかった。このことは、かってそうであり、いまそうであり、これからもそうなのだろうと思う。
    読書を取り巻く環境は移り変わっていくが、人が<言葉>を不要とすることはありえない。人生のなかでだれでも、切実に<言葉>を求める時がある。
    (中略)読み手の内的な求めがあって書物はある。普遍的な名著というものはなく、その人の、その時々における名著なのだと思う。

  • 出会い頭の本、酒が進む本、人生最後の読書、著名人のひと言の余韻。人生のなかでだれも、切実に「言葉」を求める時がある…。ノンフィクション界の泰斗が、“人と本”への愛を綴った自選エッセイ全86本を収録する。

    次の本へ繋がる本でした。

  • 第Ⅰ章「ひと言の余韻」に取り上げられている人々のひと事が、心にズンと響いた。この本の素晴らしさは、第Ⅰ章に凝縮されているというべきか、後半部は少し心に響くものが少なかった。

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著者プロフィール

1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。

2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。

他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)、『拗ね者たらん 本田靖春 人と作品』(講談社.2018)などがある。

「2021年 『拠るべなき時代に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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