- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267020063
作品紹介・あらすじ
出会い頭の本、酒が進む本、人生最後の読書…「本」がなければ、きっと人生は味気なかった。ノンフィクション界の泰斗が、"人と本"への愛を綴った自選エッセイ86本を一挙収録。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:019.9A/G72k//K
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昨今、読書というと、第一に、ビジネス書やノウハウものなど、所謂ハウツー的な書物がもてはやされているようにも感じています。
次に、著名な作家や受賞作家のフィクションでしょうか。
どちらも良いものであるのだと思いますが、個人的には「読書」とする対象としてはとても違和感があり、その違和感がなんなのかを、分からずにいました。
本書は、私が感じていた違和感を理解するきっかけを、与えてくれました。
ハウツーや合理的なだけのものに強い興味を持てない、それにも関わらずノンフェクションを愛する私が認識する「読書」とは、言葉を旅することと同義なのかも知れません。
【本書抜粋 著者】
翻ってみれば、我々の世代も、別段、本を読む層はそんなに厚くはなかった。このことは、かってそうであり、いまそうであり、これからもそうなのだろうと思う。
読書を取り巻く環境は移り変わっていくが、人が<言葉>を不要とすることはありえない。人生のなかでだれでも、切実に<言葉>を求める時がある。
(中略)読み手の内的な求めがあって書物はある。普遍的な名著というものはなく、その人の、その時々における名著なのだと思う。 -
第Ⅰ章「ひと言の余韻」に取り上げられている人々のひと事が、心にズンと響いた。この本の素晴らしさは、第Ⅰ章に凝縮されているというべきか、後半部は少し心に響くものが少なかった。