潮新書 目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか

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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267020599

作品紹介・あらすじ

あなたは目をつぶって一〇〇メートルを走れますか?リオ戦士たちの「目で見ない」世界はおもしろい。

感想・レビュー・書評

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  • ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。

    http://sommelierofbooks.com/politics/blindathletes/

    2020年に東京で
    オリンピック・パラリンピックが
    行われます。
     
    でも『パラリンピック』は
    ルールも分からないし、
    どこをどう楽しんだらいいのやら・・・
    というのが正直なところでしょう。
     
    しかし、ルールさえ分かれば
    パラリンピック競技を楽しめる
    可能性は十分にあるのです。
     
    今回は『目の見えない人』の競技に絞った
    本を紹介します。

  • スポーツに限らず日常においても視覚からの情報というのは非常に大きい。

    そんな視覚情報を使わないスポーツ競技のアスリートは一体どのように身体を使いこなしているのか。

    未知の世界の身体論は非常に興味深かったです。

  • 前著「目の見えない人は世界をどう見ているのか」の一流アスリート編。興味深い世界が開かれていく。視覚障害に対して、かわいそうではない、平等な地平がスポーツを通して見えてくる。

  • 対談形式でのパラスポーツのあれこれ。
    考え方、捉え方が分かって面白かった。

  • パラスポーツは、クリエイティブだ。

    人の動きに制限を課すことでスポーツが成立する。視覚を使わないことも、こうした制限の一つと言える。「手を使ってはいけない」や「線をはみ出してはいけない」と同じように、「視覚を使ってはいけない」という条件が加わることで、独特の運動が生まれ、特有の仕方でゲームが活性化する。

    だから、本田圭佑が陸上部員に走り方を教えてくれと請うたように、王貞治が剣道家に素振りを学んだように、強くなるために、特別な技術を持つパラアスリートと切磋琢磨することも全然不自然じゃないんですよね。この理解はもっと広まってほしいな。

    東京五輪たのしみですね!

  • 当然ながら今の巷が大好きなお涙頂戴的感動話ではなく、パラアスリートの身体や脳の動きを科学的に分析するのが主題。たとえば視覚障碍者は健常者のようなイメージトレーニングは出来ないが、世界トップレベルのパラアスリートがしている代替手段などは一般市民アスリートである私にも目から鱗的なヒントとなった。

  • 『目の見えない人は世界をどう見ているのか』のアスリート版。
    目が見えなくなったその人の物語ではなく、競技に対する技術と戦略のはなし。空間の中で自分をマッピングして俯瞰と主観を切り替えていく話がおもしろかった。また目から鱗。

  • 目をつぶって10m歩くことはできますか。歩くどころか100m走る、サッカーをする、こんな「離れわざ」をやってしまう視覚を使わない運動のひみつにせまる。A

  •  ブラインドサッカー、陸上、水泳、ゴールボールの読ん選手のインタビューを通して視覚障害者のスポーツの世界に迫る。

     そもそもスポーツとはルールという制限をかけて行うものであり、一見遠いように見える障害とスポーツは非常に相性がいい存在だった。視覚障害者のスポーツはただ障害者がやるスポーツではない。目が見えないという制限は新たな技術や駆け引きを産み、新しいスポーツへと発展させている。
     目の見えない人の世界の理解にも役立つが、スポーツと障害というものの関係から改めてパラリンピックの意味を感じることができた。

     東京パラリンピックまでに多くの人に読んでほしい一冊。

  •  いい試みの一冊だった。
     
     障害者と健常者の違いをハンデと称し、その差を埋めて同じにすることを平等とする、そんな一般認識に一石を投じる。「同じ」にすることを強調するのでなく、「違い」に注目する。注目するだけでなく、その違いの先にさらなる可能性を見出そうとする試みが、明るい!

     本書では視覚障碍者を取り上げる。視覚障碍者によるスポーツは
    「私たちの多くがいつもやっているのとは違う、別バージョンの「走る」や「泳ぐ」」
     だという。さらに、
    「それを知ることは、障害のある人が身体を動かす仕方に接近することであるのみならず、人間の身体そのものの隠れた能力や新たな使い道に触れること」
     と考えることがすごい!見えないことで発揮される他で研ぎ澄まされる感覚を「能力」とする発想が前向きだ。

     その発現をルールの定められたスポーツの場に求める。そのルールは敵味方とも平等だし、ハンデではないのだ。なんなら、その同じルールの下で、つまり、「視覚を使わない」という“ルール”で視覚障碍者も晴眼者も同じ土俵で戦えばいいのかもしれない。
     そこまで本書は突っ込んでないけれど、究極はそういうことじゃなかろうか? 条件さえ満たせば、ブラインドサッカーにJリーガーが完全目隠しして同じピッチに立つということだ。それが究極の平等なのかも?という可能性を垣間見せてくれた。
     ブラインドサッカー、水泳、陸上、ゴールボールのパラリンピック選手との対話がメインの本書。視覚に頼らない「能力」を有する彼らの発言が実に前向きなのが何より素晴らしい。彼等には我々に見えていないものが見えている。

     スキルを高め、判断力を磨くために、ブラインドサッカーの、つまり視覚に障碍を持つ加藤健一選手が、
    「視野を広く持ち、次にどうなるか予測を立てておくことが必要」
     と言ってのける。これに快哉をとなえずにいられようか。天晴だ。

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