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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784267021497
作品紹介・あらすじ
女性初の横綱審議委員も務めた著者が、ニワカをばっさり!そして「大相撲」の不可思議で深遠な世界へようこそ!
「差別があるのは当然。悔しかったら強くなれ!」「なぜ女性が土俵にあがってはいけないのか」「横審は日本相撲協会の言いなり?」「左手で手刀を切ってはいけないワケ」etc…
小気味いい「牧子節」がさく裂する!
感想・レビュー・書評
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著者は四歳からの大の相撲ファンで、女性初の横綱審議委員になった。
当時、角界の体質は古い、男女平等から改革せよと声が上がった。そんな声から伝統文化、国技である相撲を守る必要を感じた。
東北大学に入学して相撲道の学問的裏付けを相撲史から3年間みっちり勉強した。
本書は、彼女が大学で学んだ相撲史を基に、大相撲の面白さや不思議さが簡潔に書かれている。
・土俵の聖域についての詳細・懸賞の裏話・くやしかったら強くなれの格差社会(給料や衣装など)・まわしの裏話・朝青龍や白鴎との裏話などなど
好きじゃなきゃ書けない、大相撲の奥行きや摩訶不思議にあっぱれ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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113年前(1909年)の今日5月31日は東京・両国に初代の「国技館」が完成した日 | TABI LABO
https://tabi-la...113年前(1909年)の今日5月31日は東京・両国に初代の「国技館」が完成した日 | TABI LABO
https://tabi-labo.com/303680/wdt-kokugikan2022/06/03
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なぜ女性が土俵にあがってはいけないのか? 左手で手刀を切ってはいけないワケとは? 女性初の横綱審議委員を務めた著者が、相撲史をベースに、大相撲の面白さや不思議さを紹介する。
女性が土俵に上がれないのは差別だ、という現代らしい主張に対し、東北大学の大学院に入って相撲史を学んだ著者の主張は明快だ。本書の結びの言葉は「国技であり続けるためには、保守すべきは断固として保守すべきである。近代的な歴史や思潮に従う必要はない」。知っていることも多かった本書だけれど、歯切れのいい主張には感心した。
(B) -
相撲はスポーツとしては面白い。
観客のざわめき、一瞬の静寂、その直後に訪れる、屈強な力士同士がぶつかり合いバチンと音を立て、会場は大歓声に包まれる。
しかし、神事・国技としての性格も併せ持つゆえの複雑さ、時代錯誤感もあり、相撲というジャンルを好きになれないでいる。
本書は、相撲の、神事・国技としての性格、どのようにしてその伝統が作られてきたか、相撲が異世界的なものとして形作られ、守られてきたか?という点にフォーカスし、その閉鎖性を守るべきものとして説く。
本書でも述べられているが、相撲の伝統性、神事性は後付けされたものも多い。日本人の「古き良き日本、その伝統と考えるもの、神事的なもの」が集まり、かたちとなったのが、「大相撲」であり、独特のジャンルを形成し、独特の伝統を作ってきたのだな、と読んだ。
とすると、よく大相撲で語られる「伝統の保持」的な理論は「大相撲というジャンル、その独特の村社会の保持」でしかないようにも思えてくる。
筆者の言うように、「大相撲」は男女平等、差別云々がなじむ分野ではない。しかし、日本の伝統、神事そのものでもないと、本書を読んでそのように感じた。国技、というのも自分たちで言い出したことらしい。日本の伝統っぽいもの、神事っぽいものとしてあり続けるために、独特なルールを守りながら、様々の干渉を排除しながら成立している、というところか。
まとめると、「大相撲」ムラは独立した奇妙奇天烈な社会で、やはり好きになれないな、と改めて感じたという所です。 -
正直、変なこと言うばーさんだな、と思ってんたんだが、目うろこ。子供の頃から相撲が大好きで、相撲の研究したくて大学に行ったと。
すみませんでした。
大相撲の闇の部分も含めて包みこむ。
神事と言われるが可也後付け。むしろ、生き延びるための戦略で、男世界で、懲りずメゲなくプライドが高い。
国技って、自分で言っちゃったからな。
それでいて、いろんな伝統を継承していて、そこに差別だなんだと言うのは野暮。
むしろ、世界遺産に登録しちゃってもいいんじゃないか。そうすると、改変が難しくなるのか。
利権を手放さず、ずる賢くもこれから生き残っていくんだろうな。
考えるのは、人命のためにとっさに土俵に上がった女性が非難された事件だなあ。あれは考えるか。 -
大相撲は「差別」ではなく「文化」「伝統」。
現在の価値観(男女共同参画)で語ろうとすることが間違っている。そもそも土俵は聖域であり、土俵外の世界とは異なる。土俵の外の価値観で、聖域である土俵や大相撲を語るのはおかしい。 -
著者は、元横綱審議会委員で初の女性委員だった内館氏。率直な物言いが牧子節などと揶揄されるが、相撲を改めて学ぶため大学院で修士まで修められたと知り驚いた。
本書は、そんな著者が学術的に学んだこと、好角家ならではの知識、横審時代の経験を踏まえた読み物。不思議な所作や仕来たりなど、由来やからくりがよく分かる。
改めて考えると、国技、スポーツ、伝統文化、神事、興行、とりもつのは公益財団法人なんて、矛盾する性格を合わせ持つ大相撲とは、摩訶不思議なものだ。
本書が言う通り、保守すべきものは断固とし保守して欲しいが、相撲が長くあり続けるためにも、これまで同様に緩やかに変化していって欲しいと思う。 -
幼稚園の頃に、いつも助けてくれた体の大きな男の子がいたそうだ。幼少期に記憶に刻まれた大きな体の男の子は素敵だ!が、きっかけか?子供の頃からの大相撲好き!
そんな内館さんの、大相撲のなぜ何不思議を本に。
特に気に入ったエピソードがある。
花道だ。
東から入場する力士は葵の花(造花)を髪にさして入場。西から入場は夕顔の花を髪にさしたそうだ。そこから花道と呼ばれるのだが。
太陽の昇東、沈む西。太陽を浴びて咲く葵の花。夕方に咲く夕顔の花。何やら陰陽などの自然崇拝もあるのかしら?時になったエピソード。
そういえば、昔は故郷の自然を表すようなしこ名が多かったなぁ〜〜。 -
著者の大相撲への圧倒的な愛が感じられた。
相撲が好きな方は必ず読んでほしい。
女性が土俵に上がれないということを某国会議員がわからないのは自国の文化の無知とバッサリ切り捨てたのは痛快。
著者プロフィール
内館牧子の作品





