漂流児童

著者 :
  • 潮出版社
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267021503

作品紹介・あらすじ

子供の現実から目を背けるな。日本の福祉現場の実情に迫る!
ドラッグや援助交際に手を出してしまった少女、望まない妊娠によって養子に出された子供、医療少年院で絶望と格闘する職員、子供ホスピスでわが子の死を目の前に希望を見出そうとする親とスタッフ。報道では知り得ない、子供を取り巻く環境のゆがみがすぐそこに存在している。

感想・レビュー・書評

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  • 社会のレールをはずされてしまった子どもたちはどこへゆくのか?
    児童養護施設、フリースクール、女子少年院、少年刑務所などなど、児童福祉のセーフティネットを訪れその実情を取材したルポルタージュ。

    重たい内容だったが最後まで興味深く読めた。虐待のニュースは連日のように流れているが、保護された子どもたちがその後どのような場所でどのように育っていくのか、私たちがその先を知ることはあまりない。
    ここでは綺麗事ではない苦労や問題ともきちんと向き合っていて、他人事のはずのニュースがより現実のものと感じられた。親から社会のレールをはずされても、セーフティネットにひっかかった子どもたちの人生は、放送される一部分で終わるわけではない。
    私自身も小学生のときから不登校だった子たちを見ている。当時は分からなかったが、その身なりや持ち物を思い起こすと今になって分かることがある。いつのまにか姿を消していた彼らは、今どこで何をしているのだろう?
    子どもを救うことは未来につながる。子どもたちの心の光は、世の中の光になる。
    すべてを児童福祉にまかせ、ニュースを見て「可哀想ねえ」と哀れむだけでは何も変わらない。私たちも当事者としての目を持つべきなのだと思った。

  • 少子化の時代、生を受けた子供には充実した人生を歩んで欲しい。
    たとえ何かが足りなくても、失敗を繰り返しても、親が育てられる状況になくても。
    本書はそんな子供たちを支援する団体・個人への取材報告。
    「望まない出産に特別養子縁組をあっせんする~Babyポケット」「うまく育てられない母への生活支援施設~野菊荘」「不登校児の学校~東京シューレ」「発達障害の塾~アットスクール」「出所者を積極的に採用する企業~お好み焼専門店 千房」  「障害を持つ子供、高齢者、学生が共生する街~シェア金沢」「難病の子供に希望を持たせる子供ホスピス~TSURUMI子供ホスピス」 「様々な議論を巻き起こしながら赤ちゃんポストを運営し続ける~慈恵病院」
    医療少年院、女子少年院、少年刑務所、児童養護施設・・・etc
    取材は多岐に渡る。
    手伝いたい。何かしたい。でも何もできない。まずは知ることから。

  • 私たちはもっと児童福祉について
    具体的に知るのが大事だと思った。

  • 生きにくい世の中だと感じることはあるが
    物の見方や考え方次第で変わるものもあるのでは
    と 今まではそう思って生きてきた
    でも 本当の意味での生きづらさを
    自分は理解していなかったのかもしれない。。

  • 児童福祉施設の現状がよく分かります
    難しい問題を抱える子供達への対応に
    いっぱいいっぱいになりながらも
    精いっぱい支えつづける 福祉関係者の方々の
    努力に頭が下がります・・・
    平穏で愛情のある家庭が
    一番いいんだけど
    それが望めない時は
    社会でちゃんと支えていかなきゃね

  • 児童養護施設等で暮らす子供 約3万人 児童相談所
    母子生活支援施設(240ヶ所)で暮らす子供 5-6千人 福祉事務所

    どちらの期間が介入したかで母子の運命が決まる

    光山学園の職員のほぼ全員が、「3歳までに愛情をうけたがどうかが重要」と口をそろえる。
    3歳までは、子供が家庭で人間としての土台をつくる期間なのだ。

    親の愛情を受けて育てば、子供の中にちゃんとした港が造られる。だから子供が船で大海(社会)へと旅立っても帰る場所があるし、港を軸に積む燃料の量や進む方角を考えたりすることができる。絶対的な安心の中で航海ができるのだ。
    ところが、港がなければどうか。子どもは燃料を入れる場所も、帰る場所もないまま大海を漂流するしかない。これほど恐ろしく、不安なことはないだろう。台風が来ても、海賊に襲われても逃げるところさえないのだ。そうなれば、子どもは大海を自暴自棄になって漂流するしかできなくなる。

  • 重たかった。。
    子供達が被害に遭っている、ということだけではなくて、
    モト子供達も被害者であって、それが故に、もしくはそうであっても、ということも言えるか、加害者に転じてしまうというケースが少なくないので。。
    業の連鎖的なものを感じもする。。
    う〜ん・・・・、という思いが残る。。

  • 東2法経図・6F開架 KW/2018//K

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著者プロフィール

1977年東京生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動をおこなう。著書に『物乞う仏陀』(文春文庫)、『神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く』『遺体 震災、津波の果てに』『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』『浮浪児1945- 戦争が生んだ子供たち』(以上、新潮文庫)、『原爆 広島を復興させた人びと』(集英社)、『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』(双葉社)、『漂流児童 福祉施設の最前線をゆく』(潮出版社)など多数。

「2019年 『虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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