漂流児童 福祉施設の最前線をゆく

  • 潮出版社 (2018年10月5日発売)
3.82
  • (18)
  • (30)
  • (26)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 332
感想 : 27
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784267021503

作品紹介・あらすじ

子供の現実から目を背けるな。日本の福祉現場の実情に迫る!
ドラッグや援助交際に手を出してしまった少女、望まない妊娠によって養子に出された子供、医療少年院で絶望と格闘する職員、子供ホスピスでわが子の死を目の前に希望を見出そうとする親とスタッフ。報道では知り得ない、子供を取り巻く環境のゆがみがすぐそこに存在している。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 石井光太さん、読了10冊目。

    児童福祉の世界、特に犯罪者や貧困、発達障害、自殺は、いつも思うが闇が深い。親子何代にもわたって負の連鎖が続いていることが多い。

  • 児童養護の現場を取材したルポ。
    2018年刊なので比較的新しい。

    養護施設、特別養子縁組、自立支援施設、障害児施設は「児童養護」の範疇に入るが、本書ではその他に、少年院、医療少年院、女子少年院といった、犯罪がらみの少年施設も取り上げられている。
    また、こども食堂、フリースクール、子供ホスピス、赤ちゃんポストといった、民間の篤志家による周辺事業も意欲的に取材されている。

    児童養護を勉強していると、「不良行為を成した児童」が犯した不良行為って何?という疑問が湧くのだが、その不良行為の実際がいろいろと具体的に説明されていて大変参考になる。

    家庭に恵まれないかわいそうな子供は、犯罪にさらされたり、犯罪者になってしまう可能性が高い。貧困、知的障害、若年妊娠、精神疾患、DV、家出や犯罪、拘禁と刑務所、覚醒剤、遺棄と児童虐待…あたりがガッチリ手を繋いでグルグル回っているような世界。
    その子自身に罪はないことも多いので、少しでも幸せな家庭環境や支えてくれる大人に繋いであげたい。



  • 広範囲を取材対象にしていて勉強になった。

  • 最近、社会的養護という世界に触れているため読んでみた。児童養護施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、少年刑務所、医療少年院、障害児入所施設といったところをルポライターの著者が訪ねる。雑誌連載がもとになっているせいか、1回から数回訪ねた程度で書いていると思われ、ちょっと記述が薄い。この著者の本は何冊か読んでいるけど、テーマが自分の好みと似ているのだが、ものによっては口当たりがいいだけでテーマとして取り上げているものへの踏み込みがもの足りなく思うことがあるんだけど、この本もそんな感じ。
    一方で、取り上げている先が幅広く、フリースクールや沖縄の無料塾の試み、少年刑務所を出た後の少年たちを雇う職親プロジェクトや子どもホスピス、赤ちゃんポストといったものも取り上げている。それって「福祉施設」なのだろうかという点では、タイトルに偽りありなんだけど、子どもたちをサポートするいろんな仕組みや取り組みがあることを知るうえでは足しになった。
    それにしても、現代の子どもたちがおかれている環境って危うい。こういうさまざまな仕組み・取り組みをしてもすくえないものがあるし、同じようなものが縦割りの仕組みのなかでうまく使いこなされていない感じもする。かつては不良少年、非行少年向けの制度や仕組み、施設だったものが、いまでは虐待を受けた子どもたち、心を病んだ子どもたちのために当てられているという現実も悲しい。

  • レールを外された子どもは、どのような世界を生きているのか
    私たちは知らなければ知らないで、日常を過ごせるが、複雑で重たい児童福祉の問題を多くの人々が知る必要があると思う。
    知った上で、今より少しでも多くの人たちができることを行動に移せれば、この国は変わってくれるのだろうか…。
    いつも犠牲になるのは、子どもたち…。

  • 社会のレールをはずされてしまった子どもたちはどこへゆくのか?
    児童養護施設、フリースクール、女子少年院、少年刑務所などなど、児童福祉のセーフティネットを訪れその実情を取材したルポルタージュ。

    重たい内容だったが最後まで興味深く読めた。虐待のニュースは連日のように流れているが、保護された子どもたちがその後どのような場所でどのように育っていくのか、私たちがその先を知ることはあまりない。
    ここでは綺麗事ではない苦労や問題ともきちんと向き合っていて、他人事のはずのニュースがより現実のものと感じられた。親から社会のレールをはずされても、セーフティネットにひっかかった子どもたちの人生は、放送される一部分で終わるわけではない。
    私自身も小学生のときから不登校だった子たちを見ている。当時は分からなかったが、その身なりや持ち物を思い起こすと今になって分かることがある。いつのまにか姿を消していた彼らは、今どこで何をしているのだろう?
    子どもを救うことは未来につながる。子どもたちの心の光は、世の中の光になる。
    すべてを児童福祉にまかせ、ニュースを見て「可哀想ねえ」と哀れむだけでは何も変わらない。私たちも当事者としての目を持つべきなのだと思った。

  • 貧困家庭の子供、発達障害の子供、虐待を受けて育った子供、病気を抱える子供、刑務所のあり方、シングルマザーへの支援のあり方、望まれないで生まれた子供たちへの救いの手。子供たちの成長を妨げる多くの障害とそれを支援する人たちの姿を描くノンフィクション。

  • 困難を抱えた子どもを助ける福祉施設や団体への取材をまとめた一冊。取材や記事自体は10年近く前のものになるが、子どもホスピスや医療少年院など、普段生活していたらほとんど話を聞くことのない施設の存在や、そこで勤める職員の思いについて詳しく知ることができた。2025年になっても、困難を抱えた子どもの現状に対し、周囲の環境も含めて適切な支援をおこなうことはできていないと思う。その達成のためには、当事者達の声を聞いた者が、まだ実態を知らない人に対しその思いを伝え続けていくことが必要だと感じる。

  • 子どもたちを取り巻く社会の少しは知れたかと思う。

    こうのとりのゆりかごで、インターホンを鳴らすか鳴らさないかで赤ちゃんのその後が変わるという話は初めて知り衝撃だった。

  • 369.4

    3.5

  • 自分の知らなかった世界を垣間見れた気がします。これまでは障害のことや少年院のこと、赤ちゃんポストのこどなんとなくでしか考えてませんでした。それが解像度高く記載されていて、読んでいて一つ一つ考えさせられました。15歳から39歳までの死因トップが自殺なんて知らなかった。これからは接する方々とも色々な背景があるであろうことを意識して生きていこうと思います。

  • 家庭環境に恵まれない、親に虐待を受けてきた、知的障害や精神障害がある等、本人にどうすることもできない要因によって問題を起こしたり行き場がなかったりする子どもたち。彼らを受け入れ、向き合う様々な施設の人々。「子どもは社会を写す鏡」という言葉を思い出した。
    また、改めて、親の責任の重さを感じた。幼い頃に愛された幸せな記憶があるかないかが、その子が生きていく上で大きな違いになるということだ。しかしその親の方も、病気や障害を抱えていたりする、それをも含めて考えなければ、子どもは救えないのだと思った。

  • しっかり考えさせてくれる本。

  • 特養、フリースクール、発達障害、LGBTQ、少年院、子ども食堂、ホスピス等、様々な境遇にある子どもたちの実態を取材。浅く広い内容。
    日本は児童福祉に関して遅れている、という主張を筆者は他の著書でもしていた気がする。
    ボランティアに頼ってるところもいけないと思う。

  • とにかく記されてる内容が凄まじい人生の連続でただただ圧倒された。
    外部からの圧力によって自分ではどう転んでも解決しようの無い人生を送ってる人って一定数いるんだね。
    自分はそれらにどう関わっていくべきか。
    う〜ん、考えさせられる。

  • ★★★
    今月11冊目
    親からの虐待などでどうしよもなくて施設とか考えられない環境で育った子供はどうなるのか。
    世の中見ると触れ合わない人達はとんでもない環境にいると痛感

  • とても興味がある内容だったので、勧められてすぐに読みました。買って手元に置く本かなぁと思っています。

  • 少子化の時代、生を受けた子供には充実した人生を歩んで欲しい。
    たとえ何かが足りなくても、失敗を繰り返しても、親が育てられる状況になくても。
    本書はそんな子供たちを支援する団体・個人への取材報告。
    「望まない出産に特別養子縁組をあっせんする~Babyポケット」「うまく育てられない母への生活支援施設~野菊荘」「不登校児の学校~東京シューレ」「発達障害の塾~アットスクール」「出所者を積極的に採用する企業~お好み焼専門店 千房」  「障害を持つ子供、高齢者、学生が共生する街~シェア金沢」「難病の子供に希望を持たせる子供ホスピス~TSURUMI子供ホスピス」 「様々な議論を巻き起こしながら赤ちゃんポストを運営し続ける~慈恵病院」
    医療少年院、女子少年院、少年刑務所、児童養護施設・・・etc
    取材は多岐に渡る。
    手伝いたい。何かしたい。でも何もできない。まずは知ることから。

  • 私たちはもっと児童福祉について
    具体的に知るのが大事だと思った。

  • 生きにくい世の中だと感じることはあるが
    物の見方や考え方次第で変わるものもあるのでは?と今まではそう思って生きてきた 

    でも 本当の意味での生きづらさを自分は理解していなかったのかもしれない。。

全24件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1977年東京都生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執
筆活動をおこなう。著書に『物乞う仏陀』『鬼畜の家』『43 回の殺意』『本当の貧
困の話をしよう』『ヤクザ・チルドレン』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『ルポ ス
マホ育児が子どもを壊す』など多数がある。2021年『こどもホスピスの奇跡 短い
人生の「最期」をつくる』で新潮ドキュメント賞を受賞。

「2025年 『最期は一日中抱っこさせて(叢書クロニック)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石井光太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×