さち子のお助けごはん (潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267022487

作品紹介・あらすじ

日本全国の様々な家庭に赴いて料理を作る、出張料理人・飯山さち子。
アシスタントの結城まりとともに、依頼者が抱える悩みを料理で解決し、
家族と食の絆を結びなおしていく。

感想・レビュー・書評

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  • 山口恵以子さん初読み。料理にまつわる小説を数々執筆されている方という認識はあったが、山口さん自身が食堂の元調理主任というご経歴の持ち主であることを初めて知りとても腑に落ちた。

    本書の主人公は出張料理人の飯山さち子。様々な家庭に出張し作り置き用の料理からパーティー用の料理まで、依頼人の要望に応じた様々な料理をいとも簡単に作ってしまう。一般的な短編集よりも1話の長さが短く、一冊の中に全24話が収録されている。出張先の依頼人たちの話だったり、さち子自身の話だったり、手伝っている子ども食堂の話だったり、24話のうち何度も登場する人がいたり。色々な角度からの話なので、さち子が単に中年のやり手の出張料理人というだけでなく、生い立ちや育った環境、家族との関係、どのような思いを持って仕事に取り組んできているのか、どのような友人たちがいるのかが良くわかる。

    さち子のような、人間としての深みや優しさを持ち合わせ、美味しい料理をぱぱっと作れてしまう人がいたら私もぜひ頻繁に依頼したい。各話に必ず色々な料理が出てくるが、どれも本当に美味しそうで、やはり食は、心身にとりすごく大事なものだと思った。山口さんの他の作品も読んでみたい。

  • 飯山さちこは明治から続く老舗料亭「花菱(はなびし)」の一人娘だった。
    家政婦を経て、今は「出張料理いい山」として、依頼人の自宅に出張して料理を作っている。
    日常の作り置き、パーティー料理、病人のための特別料理など、内容はさまざま。
    依頼人のプライベートにはかかわらないを旨としているが、訪問した先で、料理にまつわる相談事は避けては通れない。
    人は様々な悩みを持ち、ときとしてゾッとすることも、ムッとすることも、ホッとすることも?

    ほとんどが、3~4分で読める掌編なので、「ひと駅で読める美味しいお話」と言ってもいい。
    さち子自身のドラマも挟み、すっきり明るい気持ちになれる最終章によって、短編集だと思っていたものが全体として一つの小説にまとまった感がある。
    料理はやはり作り慣れた人の描写。
    テレビで見る“伝説の家政婦さん”がてきぱき調理している様子が目に浮かびました。

  • 出張料理人さち子が様々な家庭に赴いて料理を作りながら、家族と食の絆を結び直してゆく物語。

    あっさりした読み心地。
    料理の描写も家族の絆も感動的なはずなんだけどさらりと私の中で流れていった。

  • 婚活食堂シリーズで有名な山口恵似子さんの作品。超短編の連作。
    出張料理人さち子は依頼者の悩みを料理で解決する。料亭の娘として育ち、婿養子の旦那と新婚早々に離別し、シングルマザーでもあるさち子。一冊の最後には別れた旦那も登場。
    一話ずつが短すぎ感情印入出来なかったので、やや物足りない読み応えだった。

  • さち子さんの料理の腕は最高!
    食べる人の心と体に、ピッタリと寄りそったレシピばっかり。
    真似したい物が沢山あった。
    介護食や療養食、子供食堂まで、何でも作れる。
    幕の内弁当のような人!
    「一汁一菜」「命のスープ」がでてきたので、感激。

  • 食堂のおばちゃんシリーズをよく読んでいるので、この本も長編ものかと思いきや、とても短い短編集。
    あとがきで、冊子の一話読み切り作品を集約したと知り、納得。

    色々な人の人生を垣間見れる短編集。
    人が生きていく上での悲喜交々を味わえる短編集。

    残念だなーと思うのは、食堂のおばちゃんシリーズでは、描かれたお料理の数々のレシピが本編でもわかりやすく書かれているが、こちらは、さらっと料理名が載っているだけ。
    まあ、短編だから仕方ないのだが、その点で著者の料理描写が物足りなく感じてしまったのが残念だなと。
    レシピを知ると、料理をありありと想像できるからなー。

    ラストの話は、ホッとしたというか、ああよかったなと。
    色々とあった人生だが、その色々の末の宿題に決着をつけられ、また新たに歩み出せる家族たちがとても良いなーと思ったとともに、その歩み出し方が清々しく感じた。

  • いつもの感じではあるが、短いと説教くささがやや鼻につく。料理の描きっぷりも味気ない。24話完結だから、仕方がないけれど。

  • 一話一話がとても短くて、最初は少し物足りなさもあったけど、さち子さんの人生ドラマがサイドストーリーとして描かれて、最後はいい感じにまとまり、満足感。

    おばちゃん食堂同様、料理したくなるー!

    山口恵以子さんのお人柄がわかるような、考え方だったり物事の捉え方だったり、人生も学ばせてもらってる。

  • いまいち。山口恵以子さんの作品は今まで読んだものは全て面白かったんだけど、これは…
    期待外れ

  • 少し苦い話の短編で寝る前に読むのにちょうど良かった!(^^)出張料理人の話だから、寝る前に美味しそうな料理が出てくるのは危険だ!(>.<)と思ったけれど、それぞれの家庭の人間ドラマで相殺?(^^;)最後にはさち子さん自身のドラマにも決着が…(^-^)

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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